須崎動物病院 https://susaki.com 薬を使わず体質改善 Fri, 29 Mar 2024 08:58:55 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.1.1 https://susaki.com/wp-content/uploads/2023/03/cropped-site_aicon-32x32.png 須崎動物病院 https://susaki.com 32 32 この量・時間・頻度で大丈夫か?を確認する事ってとても大事! https://susaki.com/importance-of-confirmation/ Wed, 10 Aug 2022 01:00:00 +0000 https://susaki.com/?p=18215 先日、バイオレゾナンス医学会の全国大会に登壇させていただきました。 テーマは プラズマ療法 簡単に言うと、===細胞のミトコンドリアを刺激してATP産生量を増やそう!===というお話でした。 ATPが増えるとどうなるのか […]

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とても大事!
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先日、バイオレゾナンス医学会の全国大会に
登壇させていただきました。

テーマは

プラズマ療法

簡単に言うと、
===
細胞のミトコンドリアを刺激して
ATP産生量を増やそう!
===
というお話でした。

ATPが増えるとどうなるのかは
セミナーで各演者がお伝えしたとおりですが
私のパートでお伝えしたのは

質問の質は人生の質!
質問した内容に応じた答えしか返ってこない!
欲しい結果につながる質問をしよう!

ということで、

「エアコンは何度に設定したらいいですか?」
はダメな質問で
「室温は何度にしたらいいですか?」
が適切な質問です。

なぜなら、
あるご家庭のエアコンのように
29℃に設定しているのに室温が21℃になる場合や

とあるご家庭のように
18℃に設定しているのに24℃になる場合

があるからです。

●エアコンの性能
●ガス充填の状態
●部屋の広さ
●部屋の暖まりやすさ

など、条件が異なるからです。

また、あるご家庭では
エアコンで除湿しているのにカビの問題があり
湿度計で測ってみたら70%を超えていました!
ということもありました。

科学の大前提に
条件が変われば結果が変わる
というものがあり、
そりゃそうだ!
という話でもあります。

そこで、
「プラズマ療法の機械に何分当てたら良いですか?」
という質問では適切な答えはみつからず
「この子の場合、何分当てたらいいですか?」
がまぁまぁな質問なのですが、
それに対する返答は

調べてみないと一概に言えないです

がベストの返答となります。

なぜなら!

●その子が今どんな状態なのか?
●何分当てたら望む状態になるのか?
●それがどれくらい持続するのか?
●目標とする期間維持するためにはどれくらい当てたらいいのか?

など、いろいろ調べる必要があるからです。


また、「~病の場合は?」と聞かれても

●本当に「~病」なのか?
●仮に「~病」だとして、根本原因はどこにあるのか?

などで変わってくるのも当然のことです。

そんな話をしたからか、
その翌日からの診療では

●このサプリはこの子に合ってますか?
●このサプリはこの子に必要ですか?
●今のトリートメント時間は最適ですか?
●この子にとって結果につながるトリートメント時間は?

などなど、飼い主さん達の質問の質が変わってきました!

欲しい結果につなげるためには
「適切な質問」をする必要があります。

セミナーで
===
「何分当てたらいいですか?」
という質問をするより
実際に調べて、最適な時間を探った方が
いいですよ
===

とお話したつもりなのですが、
最後の質問コーナーで
「脳腫瘍のチワワには何分当てたらいいですか?」
というご質問をいただきました…

伝え方が悪かったなと反省しております。

でも、質問する側の方も
「望む結果につながる質問をしよう!」
と意識しながら、質問していただけると
いろいろ解決できることが増えるのではないかと思います。

ちなみに…
あの後、市販されている
「ATP産生量が増えるといわれているサプリ」
をお持ちになって、この子に合う?必要?判定をした
当院に連れて来られたケースに限っての結果ですが

ATP産生量を増やすのには役に立たない(この子には)

という結果になることが100%でした!

もちろんこのことは

●この子の今の状態には必要ない

可能性が高いことが疑われると思うだけで

●サプリ自体に意味がないのか?
●この子の状態が変わったら必要になるのか?
●この子の状態がどうなろうと必要ないのか?

はその時点では判定できません。

私なら他のことにそのお金を遣うかな?
という感じです。

もちろん、

===
このサプリをのみさえすれば
今抱えている問題が解決するのです!
本当に解決するのです!
===

という確信が持てるならば、
それはそれでプラシーボ反応を引き出す
という意味で有益だとは思います。

バイオレゾナンストリートメントも
トータル1時間で調整が完了する子もいれば
2時間も3時間もかかる状態の子もいます。

ですから、身体が傷んでいるならば

===
調整が整うまで、必要な時間かけてください
===

とお願いするのがいいと思います。

同様に、

===
今日調整できても、
すぐ元に戻るなら意味がないので、
適切な状態が維持できる範囲で
来る頻度を調べて下さい
===

とお願いするのもいいでしょう。

せっかく受けに行くのに
すぐ調整が崩れるような状態になるよりは
望む結果が得られる調整をする方がいいと思うので…

以上、ぜひ、参考にしてみて下さい。

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犬猫との暮らしで湿度計を見る&除湿機で湿度管理する習慣のメリット https://susaki.com/benefits-of-humidity-control-with-dehumidifier/ Mon, 10 May 2021 13:00:00 +0000 https://susaki.com/?p=12992 診療中に驚くことがよくあるのですが、その一つに湿度計や除湿機のないご家庭があるのです! また、湿度計の見方を知らない人もいるようなのですが、この湿度の高い日本において湿度計や除湿機を活用しないなんて、気付かないうちに湿度 […]

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診療中に驚くことがよくあるのですが、その一つに湿度計や除湿機のないご家庭があるのです!

また、湿度計の見方を知らない人もいるようなのですが、この湿度の高い日本において湿度計や除湿機を活用しないなんて、気付かないうちに湿度が高いことによって起こる問題を受けているのではないだろうかと他人事ながら心配になります。

確かに、今までなくても生きてこられたかもしれませんが、湿度管理をするといろんなメリットがあります。

除湿機を使うメリット→カビ対策

まず第一にカビが生えなくなってきます。

部屋の隅にカビが生える例えばソファーの裏とかカーテンなどにカビが生えるなどということが起こらなくなります。

また服にカビが生えなくなるというメリットがあります。衣替えで取り出した秋・冬服がカビだらけ…という話をよくききます。これが湿度管理ができていると、クリーニング代が浮きますし、捨てる服が減るメリットがあります。

そしてこれは一番のメリットだと思うのですが、体調が良くなることがあります。
除湿機をかけたら痒みが減ったとか、目のできものが消えたとか、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・咳が止まった、下痢をしなくなったなどの報告があります。

特に「あれこれやったんだけれどもうまくいかない…」とおっしゃる飼い主さんに、「おうちに湿度計あります?」と聞いたところ「ない!」または「あるけれどみる習慣がない!」という方が多く、湿度計を買ってみてもらったところ「80%以上の湿度の家で生活していた!」と気付くことがざらにあるのです。
それを確認して頂いた上で除湿機をかけてもらったところ、「ずっと消えずに悩んでいた問題が消えた!」ということが珍しくないのです。

なので、除湿機を活用して湿度管理をすることはオススメです。

除湿機を使うデメリット

ただ、除湿機にはデメリットもあって、
●たまった水を捨てなければならない
●電気代がかかる
●モーター音が気になる
などのデメリットもあります。

とくに水を捨てなければならないのは面倒くさい…となりがちです。

しかし、そのデメリットがあったとしてもメリットの方が大きいと思います。

では除湿機を導入するにあたって、部屋がどのような状態だったら導入すべきなのかを考えてみましょう。

湿度管理→60%を超えないようにする!

まず大前提として
湿度が60%を超えないように湿度管理する
ことが大事です。

まず湿度計を買ってきて部屋に置いてみてください。

10~40%だったら乾燥しています
40~60%快適な湿度です
70~90%カビの発生に注意すべき湿度です。

日本は、黄砂やPM2.5のチェックをしなければならなかったり、湿度の管理をしなければならなかったりと、いろいろと気にすべきことがありますが、慣れればそれほど大変な事ではないので、快適な生活のためにも、ぜひ、取り組まれてください。

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愛犬・愛猫の逆くしゃみは体調不良の初期サイン!止めずに原因減らす https://susaki.com/reverse-sneezing-early-sign-of-health-issues/ Tue, 10 Nov 2020 01:00:00 +0000 https://susaki.com/?p=13777 逆くしゃみは正常な排除反応 いきなりですが思い出して見てください。 PMのすごかった日って、目や鼻がムズムズしたり、鼻水や咳、くしゃみがでたり、翌朝起きたら目やにが凄かったなんて事はありませんか? こんな明らかに因果関係 […]

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逆くしゃみは正常な排除反応

いきなりですが思い出して見てください。

PMのすごかった日って、目や鼻がムズムズしたり、鼻水や咳、くしゃみがでたり、翌朝起きたら目やにが凄かったなんて事はありませんか?

こんな明らかに因果関係がはっきりしている時、「目鼻が病気になった」とは思いませんよね?
そして咳止めなどの「症状を止める薬」を飲んだりもしませんよね?

何故なら、

「涙や鼻水、くしゃみ、咳は正常な排除反応」
「症状を止めても、本質的な解決にならない」
「原因を取り除けば(PMが無くなれば)解決できることだ!」

ということをあなたは無意識にお気づき、あるいは既にご存知だからです。

症状は空気清浄機の赤ランプと同じ

そうです!

空気清浄機の前でオナラをしたら赤ランプが付く!
のと同じで、これらの症状は「環境中の異物量が増えました!」というサインの可能性がかなり高いのです。

ところであなたは空気清浄機の赤ランプが付いたら、ハンマーで赤ランプをぶち壊したりしないですよね?(笑)

それと同じで、症状を薬を使って症状を止めてもしかたなく、環境の異物量を減らせばいいだけのことなのです。

===
もちろん、別の病気でこの症状が出ていることもありますから、病院で検査して頂く事も必要です。また、直近の活動に支障を来す場合(午後からプレゼンがあるなど)は一時的に薬で症状をコントロールすることは適切な対処です。
長期的なことと一時的なこと、対症療法と原因療法は一緒くたにせず、分けて考えることが大事です。
===

視点を変える習慣は全てのことに大事!

症状が出ると、すぐに「止めなきゃ!」とか、「身体がおかしくなった…」とか「病気かも…」と考えがちです。

しかし、そこで視点を変えて「これは正常な排除反応なんだ!」と考えることが根本的な解決につながるかもしれません。

そもそも、「逆くしゃみ」は、何かを排除して正常化しようという排除反応なのです。

質問の質は人生の質

また、質問の質は人生の質と申します。

その症状の意味に気づいて、「根本原因を排除しよう!」、つまり「生活環境の異物量を減らそう!」という視点で考えれば、解決するかもしれません。

しかし「身体がおかしくなった、何の食材でこの症状が止まるのか?」という視点で解決策を探すと、理路整然と間違い続け、延々と解決できないもしくは解決したとしても一時的な事になるかもしれないのです。

このような症状が続くと、飼い主さんも心配ですし、犬猫もこじれて様々な症状につながることがあります。

サプリや食材で変わるのか?

時々「このサプリやこの食材で逆くしゃみが止まった」という情報があります。

しかし、それは本当に「治った」のでしょうか?

症状が消えた(治ったではなく)時は、確認すべきことがあります。
それは、

●単に症状を抑えたから一時的に症状が消えただけなのか?
●原因が減って症状が出る理由がなくなったからなのか?

を確認すべきなのです。

そもそも逆くしゃみは、病気というよりも、「何かを排除しなければならないから排除している」だけなので、原因が無くなれば出る必要のないものです。

ですから、食事を変えたり、サプリを試してみたりしても根本的な解決にはならないことがほとんどですし、逆に症状が消えた場合は、必ず

===
「根本原因が減って処理能力の範囲内に落ち着いた」のかどうかを確認する必要がある
===
のです。

症状を消しただけ?根本原因が減った?の確認をする!

もちろんこれは飼い主さんが判断する事は難しいので、「それを判断出来る東洋医学・自然療法に精通した、あなたが信頼できる獣医師」に必ず確認してもらって欲しいのです。

原因が残ったまま、症状を消してしまうと、一時的に症状は消えることがありますが、根本原因が残っている以上、また再発しても不思議なことではありません。

また、「薬を飲んでいる間は症状は消えるけど、薬をやめると三日ほどで元に戻る、再発する」という場合も、治ったのではなく、単に症状を抑えつけただけで、「治った!」と勘違いしていただけだからです。

ですから、「再発した…」と落ち込む必要はなく、試練を変えて「根本原因を探って減らそう!そして、異物量をゼロにしなくても、処理能力の範囲内になれば、症状は落ち着くんだ!」という視点があれば、やきもきするような状態にならずに済むのです。

当たり前のことを申し上げているつもりですが、こんな確認をする飼い主さんは少数派で、しばらくすると「また再発した!」と慌てるケースがほとんどです。

根本原因を探って減らす須崎動物病院

須崎動物病院では「根本原因を処理能力の範囲内に減らして、症状が出続ける理由をなくそう」という診療を行っております。

根本原因を探って、体のどこに何がどれぐらい溜まっていて何を使ったら排除できるか?を実践する原因療法を行っているのです。

このように、「原因療法」や「根治療法」を実践している動物病院なら、何分で根本原因がわかるかは個々で異なりますが、

●これは安心していい!
●これは油断しちゃダメ!

は判断出来ます。

食餌で逆くしゃみがだいぶ減ったけどゼロにはならない…

当院では、手作り食を推奨しているため、本を読んだ方から、
===
愛犬の逆くしゃみが気になって手作り食をはじめました。

本に出てくるレシピに沿って食べさせていると、だんだん逆くしゃみが減ってきたような気がしたのですが、あるところから足踏みするようになりました、

これは食事だけに原因があるのではないかもしれないと考えて須崎動物病院で根本原因を調べてそれを取り除いたところ、開始一週間で逆くしゃみが完全にでなくなりました!
===
そうです。

また、

===
自宅では逆くしゃみを連発し、顔の周りを書いている猫が、須崎動物病院にやってくると、全くそれらの症状が出ない!
===
ということがよくあります。

こんなとき、飼い主さんに、「自宅では症状が出るけれど、須崎動物病院では症状が出ない…どうしてこんなことになるのですか?」と質問されるのですが、その時の答えは決まって

===
つまり「そういうこと」です。
===
とお伝えし、環境除菌を徹底していただいております(ゼロにする必要はない)。

症状は悪いものではなく、サイン!

ですから逆くしゃみは、呼吸器系がおかしくなったのではなく、生活環境に異物が多くて、空気清浄機の赤ランプのように、「環境が汚れていますよ!ある程度キレイにしないと!」というサインなのかもしれません。

症状を消そうとするより、原因を減らして症状が出ない様にすると視点を変える事が、本質的な解決になることがあります。

ぜひ、問題解決力を高めるためにも、ヘンに決めつけたりせず、効果の出ない一般常識に囚われず、視野を広く持ち、効果的な努力ができるように、視点を自由に変えられる柔軟性を身に付けておきたいものです。

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症状が消えたからキャンセルしたら… https://susaki.com/owners-regretful-cases/ Tue, 10 Dec 2019 01:00:00 +0000 https://susaki.com/?p=12929 後悔する飼い主さんを減らしたいので この記事は、最近須崎動物病院でよく起こる出来事で、飼い主さんがとても後悔されるケースです。 キャンセルしないでという意味では無く、一度並んだ列から外れると、もう一度最後尾からお並びいた […]

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後悔する飼い主さんを減らしたいので

この記事は、最近須崎動物病院でよく起こる出来事で、飼い主さんがとても後悔されるケースです。

キャンセルしないでという意味では無く、一度並んだ列から外れると、もう一度最後尾からお並びいただくことになりますので、あらかじめご了承下さいというお話しです。

症状が消えたから安心する飼い主さん

「症状が消えたので様子みたいので、診療をキャンセルします。」

よくある普通の話です。

しかし、原因療法では、「症状が出た・消えた」はさほど本質的に重要なことではなく、枝葉の話です。

重要なことは、
===
症状をもたらす原因が処理能力の範囲内に落ち着いたか?
===
なのです。

症状は借金と同じ

例えば、浪費癖が酷い人が借金を抱え、それが身内だったとしましょう。

「貸した金返せ!」

と自宅に取り立てがバンバンやって来る…

見かねたあなたが「私が代わりに支払います!」と支払った…

コレでひと安心と思って安心していたら、また取り立てがやって来る…

何かと思ったら、また借金していた…

これを、
===
浪費癖→原因
取り立て→症状
身代わり支払い→対症療法

===
と置き換えたら…

● 症状の原因が日常生活にある
● 原因が蓄積する
● 原因が処理能力の限界を超えて症状が出た
● 症状が不快だ
● 不快は消すのが正しい!
● 対症療法で症状を消した
● 原因は残ったまま
● 奥でくすぶって…
● しばらくするとまた処理能力の限界を超えて症状が…

こんな風になる可能性があることはご理解いただけると思います。

症状消えた→診療キャンセル→その後…後悔

そこで、先の

「症状が消えたので様子みたいので、診療をキャンセルします。」

に話を戻しますが、当院でよくあるケースが、飼い主さんがこの決断をしてしばらくしてから…

● ペットの体調が急変する
● 診療キャンセルしたのをキャンセルします!
● しかし、当院は完全予約制で三ヶ月待ち…
● キャンセルされた枠はスグに埋まってしまってもう入れない
● 結果的にキャンセルした子は診療することが出来ず
● 他院で診療するも亡くなってしまい
● 飼い主さんが大後悔してご自身を責める…

ということが珍しくありません。

誤解していただきたくないのですが、うちにお越し下さいという意味では無いのです。

「体調が気になるペットを治してあげたい、かつ真剣に取り組む飼い主さんの悩みを減らす」
のが須崎動物病院のスタンスです。

そして、「ちょっとやそっとではグラつかない身体作り」のお手伝いをすることが当院の仕事です。

その視点で先のケースを見ますと、「それ、症状が消えただけで、まだ治ってませんよ…」ということになります。

症状が消えたから必ずしも安心ではない

症状が消えたら治ることもありますが、

===
症状が消える=治る ではありません。
===

症状が出た経緯から、「キャンセルして大丈夫かなぁ?」と心配にはなるのですが、一度列を離れた方よりも、他のお待ちいただいている方々を優先するのは当然ですから、順番を繰り上げて枠を埋めることになります。

そして、そんな心配をした子ほど、後で「キャンセルしたことをキャンセルしたい」という連絡を頂きます。

しかし、ルールはルールなので、最後尾に並び直していただくしかありません。

「何とかなりませんか?」

といわれても、そのご決断は飼い主さんがなさったことなので、こちらではどうする事も出来ません。

須崎動物病院は完全予約制で三ヶ月待ちです(ゴメンなさい)

須崎動物病院は、一頭一頭キチンと対応したいと思っておりますので、当院の治療方針をご納得いただいた方のペットを時間をかけて診療しております。

ですから、一日に対応出来る件数が決まってきます。

また、生活環境に原因がある場合は、生活の見直しもしていただくことになるので、理解力のみならず、実践力を飼い主さんに要求することになる動物病院です。

動物の身体は、獣医師が治すわけではありません。

動物の身体は、動物自信が治します。

獣医師の仕事は、「本来自然と治るはずの身体を邪魔している原因を自力で治癒できるレベルまで減らす」ことにあります。

その原因が生活環境にあるならば、飼い主さんにもご協力いただくしかありません。

そんなわけで、飼い主さんがキチンと理解し、必要なことを実践していただかないと「自力で元に戻る」ことが出来ないのです。

そんな飼い主さんに負荷がかかる動物病院ですが、全国から気合いと根性の入った飼い主さんに支持され、八王子診療所は現在三ヶ月待ちとなっております。

八王子では予約が取れないから大阪の移動式診療所の予約を取るという方もいらっしゃいます。

仙台、大阪、福岡、大分の移動式診療所も、大抵一ヶ月前には定員に達します。

ですから、キャンセルしていただくことは全く問題ないのですが、こちらは個別の事情を考慮せずに機械的にスケジュールの空きを埋めるしかございませんので、早まった決断・行動をしてしまったがために、後悔して自責の念に駆られることの無い様に、熟慮の上、ご決断していただけます様、お願い申し上げます。

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腎不全で余命1ヶ月ないと宣告されたが、CREが7.3→1.7に! https://susaki.com/diagnosed-with-kidney-failure-given-one-month-to-live-but/ Wed, 10 Apr 2019 01:00:00 +0000 https://susaki.com/?p=11579 腎不全とクレアチニンの関係 腎臓の目詰まりの指標に「血漿クレアチニン濃度」があります。クレアチニンの検査数値が高ければ高いほどヤバイ状態を意味します。 目安としては、1の後半からヤバくなり、5を超えたら終わり…(いつどう […]

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腎不全とクレアチニンの関係

腎臓の目詰まりの指標に「血漿クレアチニン濃度」があります。
クレアチニンの検査数値が高ければ高いほどヤバイ状態を意味します。

目安としては、1の後半からヤバくなり、
5を超えたら終わり…(いつどうなってもおかしくない)
とお考え下さい。

もちろん、この数値は目安で、機械によって基準値は変わってきます。

愛犬が2017年4月に腎不全と診断され余命宣告

東北のある街に、
10歳の白い毛の犬(♀、避妊済み)
と暮らしている飼い主さんがいらっしゃいました。

2017年4月に嘔吐などの症状が止まらず、動物病院で検査していただいたら…

4月17日に腎不全のステージ4と診断され、
「4月を超えることはないかもしれない…」
と、余命宣告されました。

腎不全用の療法食を食べさせるものの
嘔吐を繰り返していました。

幸いなことに
4月を超えてもまだ生きてくれていましたが

という経過を経て、

クレアチニンが徐々に減ってきたのですが、
基準値(この動物病院では1.8)に
下がってくれはしませんでした。

そんなわけで、

1月21日に須崎動物病院にお越し下さいました。

この時点では、

●嘔吐が止まらず
●体重が減ってきた…
という状況でした。

療法食でも変わらなかった症状と減りきらない数値

須崎動物病院ではいつものように

●根本原因を探り
●根本原因を減らして、体の処理能力の範囲にし
●症状が出る理由がなくなるようにしよう
と、取り組みはじめました。

私は特にコメントしなかったのですが、
飼い主さんの判断で、

かかりつけ医から処方されている薬は全部やめた
そうです。

そうしたら…

と、基準値内に落ち着きました!

クレアチニンの値が、7.3で余命宣告されたところから
1年8ヶ月がんばって、基準値内に!

CREが7.3→1.7

もちろん、飼い主さんもアレコレ取り組まれていらしたので、
色々な複合技で落ち着いたのだと思います。

ここでお伝えしたいのは、

「クレアチニンの値は一度上がると下がることはない。」

と聞いてきたし、どこにでもそう書いてあるが、
このケースでは、

余命宣告されるレベルの所から本来の状態にまで落ち着いてきた…

こういう経験をさせて頂くと、
身体には素晴らしい調整能力、修復能力、復元能力があると感じずにはいられません。

対症療法では余命宣告せざるを得ない…

対症療法では、根本原因をさぐる術もないため、
根本原因は残したままになる可能性が高く、
それゆえ経験的に余命宣告されるのは仕方ないのかもしれません。

誤解なきよう捕捉しますが、
対症療法が悪いと申し上げているのではありません。

世の中には万能の方法・ツールはないという確認をしただけです。

原因療法で原因を減らしたら予測不能

しかし、
原因療法的に身体を調べて根本原因を探して減らすことが出来たら、
今までの常識(余命宣告)が予測不能になってきます。
今回も、【偶然にも】そんな風になったのかもしれません。

もちろん、万能のツールはありません。
このケースだって、数ある可能性のうちの一つに過ぎません。
しかし、こんなことがあるかも知れない事を知っておくのも
悪くないのではないかと思います。

須崎動物病院には

●日本全国から
●選りすぐりの具合の悪い愛犬・愛猫が
●気合いの入った飼い主さんに連れられて
やってきます。

そんな飼い主さんの期待に応えられるよう、日々、自己研鑽していきたいと思います。

この飼い主さんの様に、愛犬・愛猫が腎不全で余命宣告されたとしても
何か他にあるのではないか…?
諦めが悪いといわれても気にしない!
私は往生際が悪い生き方を選んできたのだ!

何か他に打つ手があるのではないだろうか…?
という方は、

ぜひ、お近くの原因療法的に東洋医学的手法を使っている動物病院で

●正確には何が体内で起こっていて
●何が根本原因で
●それを処理能力の範囲内にまで減らすにはどうしたらいいのか?

を探ってもらって下さい。

「それまでの間に、情報やヒントが欲しい…」
という方は、こちらの教材をまずはご活用下さい!

あなたのせっかくの努力が空回りしないよう、
効果的に取り組めるよう、
現場の生きた情報、結果につながる情報をご活用下さい!

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愛猫の肝臓の数値が高いから、肝臓のケアをして欲しい?根本原因は? https://susaki.com/high-liver-values-in-beloved-cat-identifying-root-causes/ Sat, 10 Nov 2018 01:00:00 +0000 https://susaki.com/?p=14805 肝臓の数値が高いから薬を飲んでいるのに下がらない… ある日、須崎動物病院に「二年前から肝臓の数値が高いから薬を飲んでいるのに、数値が下がらない…」という犬が埼玉県から連れて来られました。 この飼い主さんは熱心にいろいろな […]

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肝臓の数値が高いから薬を飲んでいるのに下がらない…

ある日、須崎動物病院に
「二年前から肝臓の数値が高いから薬を飲んでいるのに、数値が下がらない…」
という犬が埼玉県から連れて来られました。

この飼い主さんは熱心にいろいろなことを調べ、
いろいろなことを試してきたそうです。

西洋医学的なこと
東洋医学的なこと
自然療法的なこと

それこそ、いろいろと…

しかし、肝臓の数値が下がらない…

途方に暮れたときに、須崎動物病院の原因療法を知ったそうです。

須崎動物病院は遠い…

でも、遠いから、近場で原因療法的なことに取り組む動物病院に行ってみたそうです。
そして、漢方薬を処方されたのでのませてみた…
肝臓の波動調整もしてもらった…

でも、全く解決しない…

「世の中で良いといわれていることをほぼやり切っているはずなのに、なぜなんだ…」

そう思った飼い主さんは、
もう一度、須崎動物病院のことを調べたそうです。

●八王子診療所は通常2−3ヶ月待ち
●名古屋から普通に八王子に通っている人がいるらしい…
●遠いと、北海道や福岡からも行く人がいるらしい…
●埼玉からは近くはないけれど、遠過ぎはしないか…

いろいろと熟考の末、意を決して、須崎動物病院の予約を取ることにしたそうです。

肝臓が弱いんじゃないの?

須崎動物病院で重要なことは
●私達は、今得ている結果を得ることに成功している
●「いかなる問題も、それをつくりだした同じ意識によって解決することはできない」
 (by アインシュタイン)
●視点を変える
●物事の優先順位を決める
●問題を作った自分の好き嫌い、納得出来る出来ない、価値判断基準を一旦捨てる
●結果を出した人の解釈・思考・判断・行動を受け入れる
●風が吹けば(根本原因)、桶屋が儲かる(症状)を分けて考える
●結果に繋がる事に集中する

です。

ですから、
●私はこれまで、この子の肝臓の数値を高くすることに成功してきた
●この結果を生み出してきた自分の思い込み、大前提を一旦捨てる
●肝臓が弱いという解釈を捨てる
●肝臓が白血球と異物の戦闘地帯になっていると解釈し直す
●肝臓の数値が高いのは肝臓の細胞が破壊されているから
●肝臓の数値を下げるのも大事だが、
肝臓の細胞が破壊されている根本を無くすのが最優先課題!
●白血球の攻撃を抑えるのではなく、白血球が闘わなくて済むように異物量を減らす
●結果に繋がることに集中する

ということで、飼い主さんの「自分なりに考えてやってみます」を封印していただきます。

では、なぜ、飼い主さんの「自分なりに」が危険なのでしょうか?

なぜ、飼い主さんの「自分なりに」が危険なのか?

かのアインシュタイン氏はこうおっしゃいました。
「いかなる問題も、それをつくりだした同じ意識によって解決することはできない」

そして、
「「狂気とは即ち、同じことを繰り返し行い、違う結果を期待すること」
とも言ったとか、言わないとか…。

ですから、
●肝臓の数値を高く維持することに成功している飼い主さんの
●大前提、信念、解釈、判断、行動は、肝臓の数値を下げることに役に立たない
●実際に役に立っていない!
●視点を変えないと無理!
ということです。

知らないことは、選択肢の存在にすら気付かないから無理!
なのです。

そんなわけで、須崎動物病院では、
●現状を探り、方針を立てるのは須崎の仕事!
●日々の実践をするのは飼い主さんの仕事!
と、役割分担をハッキリとさせています。

そして、このケースで身体を調べたら、次の様なことが分かりました…

肝臓が弱いわけではない…

【いろいろやったのに治らない…】
という場合、大抵飼い主さんが見落としていることがあります。
また、飼い主さんの「努力した」の基準が低いこともあります。

たとえば、
●二年以上下痢軟便が続いている…
●須崎動物病院で調べたら、室内に原因があることが疑われた
●除菌生活を始めてもらった
●数ヶ月後、「がんばっているのに変わらない」と言われた
●しかし、身体の反応は「環境除菌不十分」と出ている…
●「これ以上どうがんばれというのか!?」と詰め寄られた
●自宅に行ってみた
●床にスプレーをして湿らせ、新品の白いソックスで擦り歩きをした
●結果足の裏が真っ黒…
●「やったの基準が低い!雑すぎる!」と説教…笑
こんなことは日常茶飯事です。

こんなことが多いから、
「いかなる問題も、それをつくりだした同じ意識によって解決することはできない」
のです。

で、話を戻しまして、須崎動物病院の原因療法的に調べてみると…
●肝臓は傷んでいるが
●肝臓に根本原因なし
●ただし、長期に渡る肝臓での闘いにより、肝臓の線維化が進んでいる(肝硬変)
●根本原因は●●にあり
●症状に関係している異物は●●
●その元締めの異物は●●
と疑われたので、それらを体内と生活環境から排除したら…
三ヶ月で基準値に戻り現在もその状態を維持しているそうです。

肝臓の数値が高いから肝臓のケア?

須崎動物病院では、これまでの診療経験から、
【風が吹けば桶屋が儲かる】
を常に意識しています。

肝臓の数値が高いということは、
確かに肝臓に異常があるのは当たり前です。

しかし、その根本原因が
1)肝臓そのものにある?
2)肝臓のすぐそばにある?
3)肝臓から離れたところにある?
かを調べなければ、根本的な解決にはなりません。

しかも、先ほどの下痢・軟便の犬のように
●飼い主の取り組む基準が低く
●生活環境から原因がどんどん入ってくる
状態だと、
【がんばっているはずなのに変わらない…】
というフラストレーションがたまっていきます。

さらに、この様な状態で
●肝臓に良い食材
●肝臓に良いハーブ
●肝臓に良い漢方薬
●肝臓に良いレメディ
●肝臓に良いアロマ
●肝臓に良いツボ
●肝臓の波動調整
をやっても、根本的な解決にはならず…

そしてこじれまくった状態で当院にお越しになる頃には、自力で戻れる坂を越えた状態に悪化してしまっている…

ということが多いのが、残念な現実です。

検査結果は参考にしかならない

多くの方が、検査結果を最重要視していらっしゃいますが、私は最重要ではないですよとお伝えしております。
【検査結果は現在の状態を終えてくれるだけ】
に過ぎません。

●このままの状態が続けばこういう未来が予想されます
●だから、こういう生活に切り替えましょう
という方針を決める参考材料なのです。

先月のコラムでご紹介した「骨肉腫」の犬も、骨が元に戻ったじゃないですか?
誤解していただきたくないのですが、症状を消す対症療法は絶対に大事です!
しかし、どこかに症状が出たとき、
【根本原因はどこにあるのか?】
【も】
同時に探ってもらって、同時に解決してください。

飼い主さんの努力が空回りしないよう、須崎動物病院から、心からのお願いです。

追伸:病名で根本原因や根本原因部位は決まりません。一頭一頭異なります。ですから、
●肝臓病によいツボ
●肝臓病に良い漢方薬
●免疫力を高めるなにがし…
●体質を変えるなにがし…

などと言われて取り組んだものの、結果が出ないなら、本質的な解決の指導が出来る獣医師の指導を仰いでみて下さい。

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肝臓の数値が下がらない!薬を飲んでいるのに…(春薬膳) https://susaki.com/liver-values-not-improving-despite-medication/ Thu, 10 May 2018 01:00:00 +0000 https://susaki.com/?p=12862 「沈黙の臓器」肝臓は問題があっても痛みはない 肝臓は病気になっても痛みが出ないので、初期の肝臓トラブルでは目で見てわかるサインはほとんどありません。 ですから、定期的な血液検査で肝臓の状態を把握することはとても重要です。 […]

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「沈黙の臓器」肝臓は問題があっても痛みはない

肝臓は病気になっても痛みが出ないので、
初期の肝臓トラブルでは目で見てわかるサインはほとんどありません。

ですから、定期的な血液検査で肝臓の状態を把握することはとても重要です。

では、肝臓の数値が高いとき、いったい体内では何が起こっているのでしょうか?

肝臓の数値が高いとき、何が起こっている?

血液検査の項目で「γ-GTP」「AST(GOT)」「ALT(GPT)」は、
肝臓の状態を把握する際に検査される血液中成分です。

これらは肝臓が障害され肝細胞が壊れると、血液中に大量に漏れ出すので、
肝機能検査に利用されています。

つまり、「肝臓の数値が高い」と言われたとき、
肝臓の細胞が破壊されている可能性が高いのです!

「AST(GOT)」と「ALT(GPT)」とは?

「AST(GOT)」と「ALT(GPT)」は、
どちらもタンパク質を分解してアミノ酸をつくる酵素です。

ALTはほとんどが肝臓に存在します。
一方、ASTは肝臓だけでなく心臓や赤血球、腎臓、筋肉などにも存在します。

ですから、
ASTとALTの両方が血液中で上昇している場合には
肝臓の病気が疑われますが、
ASTのみが上昇している場合には

心臓の問題や筋肉の破壊などを疑います。

では、肝臓の薬が「効く」とは
いったいどんな理由で「効く」のでしょうか?

肝臓の薬が「効く」理由

肝臓の薬として代表的なものが「ウルソ」でしょう。
【ウルソは肝細胞の破壊を食い止める薬】
なので、

のんでいれば数値の上昇=肝細胞の破壊は最小限にとどめられますが、
のみ忘れたら幹細胞破壊の原因が残っていれば数値は高いままです。

つまり、【のんでいるときには効きますが、のみ忘れたら効かない】そういう薬です。

つまり、本質的に解決する薬ではなく、検査数値を整えるだけの薬です。

と申し上げると、「服用する意味は無いの?」そんなふうに感じるかも知れません。

肝臓の数値を下げることに意味はないのか?

「AST」と「ALT」値が上昇することは
肝細胞の破壊が起こっていることを意味します。

肝細胞が破壊されれば、
●新しい肝細胞の増殖

もしくは、

●すき間埋めの組織(結合組織)に置き換えられる
などに変化します。

ですから、破壊された肝細胞が
新しい肝細胞に置き換わるならいいのですが
すき間埋めの組織に置き換わると
本来の肝臓の機能をしない部分が増えるため、
それが続くと、やがて肝硬変になる可能性があります。

そういう意味では、肝臓の数値を下げることに意義はあるのです。

しかし、本質的な解決ではないこともおわかり頂けたと思います。

肝臓の細胞を破壊する原因は残しつつ、
肝臓の細胞を破壊しないようにする薬…
これを続けたら一体どうなるのでしょうか?

また、肝臓の細胞が破壊されなければそれでいいのでしょうか???

それは、飼い主さんが望む結果なのでしょうか???

肝臓の数値が下がったらそれは治ったのか?

上記の説明で示した通り、
肝臓の薬で数値が下がったとしても
それは肝細胞の破壊が起こっていないことを
意味するだけで、
元々肝細胞の破壊につながる原因が無くなった
ことを必ずしも意味するわけではありません。

実際に、
のめば数値が下がり、のむのを止めれば数値が上がるなら、
問題は解決していないと考えられます。

では、原因療法的に「肝臓の数値が高い」を調べると
どんなことがわかるのでしょうか?

原因療法的に探ってみると…

この様な犬猫を、須崎動物病院の原因療法的に調べてみると
確かに、

●肝臓そのものに問題がある場合
●肝臓周辺に問題がある場合
●肝臓から離れたところに問題がある場合
があり、

その部分の原因を探って取り除くと
肝臓の数値が基準値内に戻る…

そんなことがよくあります。

では、数値が下がりさえすればいいのでしょうか?

数値合わせだけをすると…

●症状の有無
●数値を基準値内にあるかどうか

だけを判断基準にしていると、
根本原因がそのままになっていることがあります。

ですから、
「数字合わせが出来ればそれで良い!」
という価値感の方には、つじつまが合えばいいのでしょう。

しかし、
「数字合わせには興味はない!本質的な解決をしたい!」
という価値感の方には、薬で数字合わせをするだけでは
望む結果が得られたとは言えません。

肝臓の薬を飲んでいるのに肝臓の数値が下がらない!

もし、
【肝臓の薬をのめば数値が下がり、のむのを止めれば数値が上がる】なら、
本質的な解決が必要なのかも知れません。

まして、
【肝臓の薬を飲んでいるのに肝臓の数値が下がらない!】
という場合は、

【根本的な問題が放置されている!】
ことを意味している可能性が高いです。

では、どの様に対処したらいいのでしょうか?

対処法

その場合、本当は、
東洋医学的に原因療法を行っている動物病院に診ていただくのが
ベストですが、それがすぐには叶わない場合は、
まずは春薬膳と肝臓の薬の服用を併用し、
一ヶ月程度様子を見て下さい。

それで解決しない場合は、
食事では解決出来ない問題があると判断し、

●対症療法で数字合わせをする
●根本原因を探ってもらって取り除く

どちらでも結構ですから、対処していただければと思います。

追伸:季節のケア「季節パック」を受けたい方はこちら

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フィラリア予防薬はいらない? https://susaki.com/do-we-need-heartworm-preventatives/ Wed, 10 May 2017 01:00:00 +0000 https://susaki.com/?p=11407 毎年、この季節になると 「フィラリア予防薬はやらなくてもいいですか?」 という質問をいただきます。 須崎動物病院では薬の処方はしていない【大前提】 よく「フィラリアの予防薬を売ると儲かる」という批判がありますため、他の動 […]

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毎年、この季節になると

「フィラリア予防薬はやらなくてもいいですか?」

という質問をいただきます。

須崎動物病院では薬の処方はしていない【大前提】

よく「フィラリアの予防薬を売ると儲かる」という批判がありますため、他の動物病院さんではコメントしにくいかもしれません。

ですから、当院のように「薬の処方をしていない」立場の獣医師なら、儲けるための話ではなく、公平なコメントができるでしょう。

一般の飼い主さんには、強烈な情報の方が印象に残りやすく、それが判断基準となりがちです。
特に獣医や製薬会社の陰謀という、強い立場の人を攻撃するタイプの表現は、人気を得がちですよね。

あなたもひょっとしたら「フィラリア予防薬を毎月のませるシステムは、獣医師の陰謀だ!フィラリア症になってから治す薬があるんだ!俺たちは騙されないぞ!」みたいな風に思っていらっしゃるかもしれませんが、私はそれでも構いません(笑)。

ここではいったん予備知識をゼロにして、今までとは違う側面から情報を受け取ってみてください。

ということで、お話しをさせていただきます。

あらためて、フィラリア症ってなんだ?

簡潔にいうと、「犬糸状虫という寄生虫が心臓に寄生して起こる病気」です。

一般的にはフィラリア症で通っていますが正式には「犬糸状虫症(いぬしじょうちゅうしょう)」です。

この定義のなかで重要なことが2つあります。
・寄生虫による病気であること
・心臓に問題が起こること

寄生虫による病気は、その原因となる寄生虫のことをよく知ることで病気を理解できます。

そして、寄生場所が心臓であるということからは、症状がよく分かります。

愛犬家の方たちは「うちの子がどうなってしまうの?」という視点で見ることが多いので、症状のほうに注意が偏ってしまいがちです。

でも、犬糸状虫症をよく理解するためには「犬糸状虫」のことをよく知る必要があります。

虫嫌いのひとでも興味を持って勉強してみてください。

犬糸状虫の一生

一般的な犬の症状などは調べれば沢山の情報が出てくると思いますので、ここでは虫の立場から見ていこうと思います。

犬糸状虫の赤ちゃんは、ある犬の心臓に住むフィラリアのお母さんから生まれます。

そしてその犬の血液の中で蚊に吸われるのを待ちます。

この子虫達をミクロフィラリアと呼びます。

ミクロフィラリアは一滴の血液を顕微鏡で見たときに(ひと視野に)何十匹とうようよしているくらい沢山います。

それはそうですよね。そのくらいいないと蚊に吸ってもらえる確率はかなり低くなりますので。

なぜ蚊に吸われるのを待っているのかというと、ミクロフィラリアはそのまま犬の体内にいても成虫になることが出来ないからです。

寄生虫というのは不思議なもので、

===
ある生物の中でしか一生のうちの「この部分の成長」が出来ない!
===

ということが普通にあります。

犬糸状虫にとって蚊は「中間宿主」といって、必ず通らないと大人になれないところなのです。

そして、犬が終宿主です。

そんな事情から、犬の血液中で蚊に吸われるのを待ち、幸運なことに蚊に吸われると、蚊の体内でミクロフィラリアから感染幼虫にまで成長します。

蚊の体内である程度成長した幼虫(感染幼虫)は、今度は別の犬の体内に入るチャンスを待ちます。

フィラリアに感染した蚊が次に犬から吸血するとき、刺したときに感染幼虫が犬の身体に移動するのです!

そして、新しい犬の体内に入った感染幼虫は、成長しながら血管に入り心臓を目指し、最終的に心臓の肺動脈あたりに住み着き大人(成虫)になります。

では、いったい何のためにこんな大がかりな旅をするのでしょうか?

犬だけで完結せず、蚊がいないと成立しない一生って、なかなか大変だと思うのですが…。

寄生虫のミッション

寄生虫も生物ですので、大きな目で見たミッションとして「子孫を残す」という目標があります。

子孫を残すためには、犬の免疫系から攻撃され死んでしまっては困りますし、犬側が重篤な症状を起こしてあっという間に死んでしまっても困ります。

そのため、

===
宿主に気付かれないようにそっと暮らす
===

という得意技を身につけています。

ウイルスや細菌と比べると圧倒的な大きさを持っていますし、複雑な作りをしていて「なんで免疫系に攻撃されないの?」という感じですが、それが寄生虫が進化の過程で身に付けた得意技なんです。

この点は、回虫などの腸管寄生虫とも共通しています。回虫に寄生された動物もすぐに死んでしまうようなことはなく、長い時間をかけて少しずつ影響がでて弱ってきたりします。

フィラリア症も、通常長い時間がかかって弱っていくもので、実は大動脈症候群という急性のフィラリア症は虫にとっては「ミッション失敗」といえます。

そんな、大した症状が出ないなら、フィラリア症なんて放っといても良くない?なんて思われるかもしれません。

しかし、そんなことはないのです!

フィラリア症にかかっても大したことないの?

確かに「ただちに健康に影響があるわけではない」です。

ただ、腸管の寄生虫と違って、住んでいるところが心臓なので

虫による物理的な刺激、虫の排泄物による化学的な刺激、免疫反応などで右心系に不可逆的(元に戻らない)な障害をもたらします。

肺動脈が血管内膜炎などを起こし、血管壁が硬く厚くなり、蛇行します。

このため肺動脈の血圧が高くなり、肺高血圧症、肺性心と呼ばれる状態になります。

右心系の血圧が高まるために、だんだん右心肥大が見られるようになってきます。

進行すると右心不全(うっ血性心不全)と呼ばれる状態に陥ります。

大事なのでもう一度申し上げますが、この症状は、不可逆的(元に戻らない)な変化といわれているのです。

例え、成虫を殺したとしてもです…。

そこで質問です!

上記の事実を知った上で、

===
成虫駆除は90%以上の確率で成功するから、フィラリア症は完治するのだから、予防薬は副作用も多いのになぜする必要があるのか!
===

というご意見、どう思われますか?

当院では原因療法を主体として「身体には元に戻る力があるんだ!原因に対して必要かつ正常な反応があった結果が症状だ!だから、原因が無くなれば症状は出る必要が無くなる!」というスタンスで仕事をしています。

ですから、「本当に不可逆なのか?」と言われたら、身体の治癒力に期待したいところがありますが、食物で常に傷つけられることを想定した作りの腸管と違って、血管は内側からの傷害に対しては「よくあること」として想定はされていないはずですので、あるよりは無い方がいいと思うのです。

ところで、「フィラリアの予防薬は駆虫薬だったなんて!いままで騙されてたの?」という話がありますが、それは本当なのでしょうか?

フィラリア症の予防薬って本当に駆虫薬?

これは本当です。

フィラリア症の予防薬は、

===
犬の体内で成長途中の幼虫を成虫になる前に殺してしまう
===

ために投与しているものだからです。

じゃあ予防薬ではなかったのね…。

これは大きな間違いです。

最初に述べましたがフィラリア症とは「犬糸状虫という寄生虫が心臓に寄生して起こる病気」ですので、心臓に寄生する前に駆虫してしまえばフィラリア症を防げるという訳です。

フィラリア幼虫駆虫薬の副作用リスクは高い?

リスクがゼロの薬はこの世に存在しません。

よく、「肝臓に負担が…」というご意見を見かけますが、それなりの負荷はかかりますが、何もしないで気がついたらゼーゼーと咳をする様になり、地上で溺れるように呼吸困難になって死ぬのと、肝臓での処理を天秤にかけたら、どちらがいいかという話です。

私達人間の世界でも、清涼飲料水が健康にプラスになると思ってのんでいる方はいらっしゃいません!

楽しいひとときを過ごすツールとして選んでいるだけです!

化学物質過敏症の方など、合わない飲み物がある方がいらっしゃるのも事実!

だとしたら、合うものを選べばいい、ただそれだけのことです。

それを、「合わない人がいるから全員禁止にすべきだ!」というには、それなりの危険性が必要だと思うのですが、フィラリア感染幼虫駆虫薬はそこまでには至らないということです。

くどい様ですが、当院ではフィラリア(感染幼虫駆虫薬)予防薬を処方しておりませんので、中立的な立場で、獣医師・獣医学博士が「事実」を書いております。

一般人が、感情的になって、メチャクチャなことを申し上げているわけではございません。

では、なぜ「月に一度服用するように!」といわれているのでしょうか?

フィラリア感染幼虫駆虫薬はなぜ月に一度?

1ヶ月に1度の投与で予防可能な理由は、犬の体内に入ってから成虫になるまでの間にある様々な成長過程の移行幼虫を、1ヶ月に1度一気に退治しているからです。

蚊に刺されなくなるわけではありませんし、また、薬が1ヶ月間残り続けるわけでもありません。

では、フィラリア感染幼虫駆虫薬はどのくらいで身体から排除されるのでしょうか?

フィラリア感染幼虫駆虫薬が体内に残る時間

フィラリア感染幼虫駆虫薬は、投与から2、3日で薬は排泄されます。

ですから、駆虫した直後に蚊に刺され、感染幼虫が体内に入った場合、その感染幼虫は次の月の予防薬投与までは体内で成長を続けます。

感染幼虫が成虫になるまでには約2ヶ月の猶予はありますので本当のことをいえば「毎月」である必要はありません。

ですが、「毎月」であるほうが忘れにくいこと、万が一投与を忘れたり、犬が飼い主の知らないところで薬を吐き出してしまったりした場合のことを考えると、危険が大きいために「毎月」投薬をするように決められています。

なので、一回投与するのを忘れた!などの場合にも即大変なことになるということはないので、心配する必要はありません。

これを「毎月服用する必要が無いのに、毎月のませるのは、獣医師の儲け主義だ!」という解釈・コメントは、飼い主が忘れなくても犬が飼い主の知らないところで吐き出すなど、色々なケースを考慮した上の気遣いを否定されたようで悲しくなります。

では、半年効果が持続する注射薬はどうなのでしょうか?

なぜ効果が半年も続くのか?

6ヶ月効果のある注射薬は、「マイクロスフェア」という小さなカプセルの中に薬剤を入れてあり、その薬剤が徐々に放出されるものなので、長期間体に残っています。

ただし、副作用の報告が多くあったため、便利な割りには爆発的には広まらず様子見状態になっているようです。

なんでも、便利なものはそれなりに何かありということですね。

ところで、毎年春に検査を進められるが、これも、儲け主義ではないかといわれることがあります…。

自分の不都合や理解の及ばないことは、全部相手が悪い的な発想はいかがなものかと思いますが、それもこれも「正確に理解させてもらう機会がなかった」ことが原因だと思いますし、正確に理解したらニュートラルな判断が出来ると信じておりますので、解説させていただきます!

春に検査をすすめられるわけ

最近は、予防薬投与の前に感染していないか検査をされることが多いと思います。

これは、感染がありミクロフィラリアが血中に存在する状態で予防薬を飲ませると、ミクロフィラリアが一気に死んで、重篤な症状がでることがあるためです。

前年にきちんと予防されていれば、まず感染していることはないのですが、製薬会社からの注意などもあり、念のため検査を行うことが強く薦められているからです。

この様な背景から検査を薦められると「儲けようとして!」と短絡的に解釈して、パスすることで、リスクを高める事になる可能性があることを覚えておいてください。

そもそも、適正な専門的サービスに対する対価をいただくことになんの問題があるのかという話です。

ところで、フィラリア幼虫駆虫薬で死ぬほどの副作用があるという話があるのですが…という点についてはどうでしょうか?

コリー種で副作用の強い薬がある

ご存じの方も多いと思いますが、コリー種では予防薬投与で副作用が出て死亡することもあります。

モキシデクチンは先ほどのミクロフィラリアの件もコリー種でも比較的安全だとされています。

ちなみに、コリーで副作用が出やすいのは、遺伝的に血液脳関門(脳にはなんでもかんでも入ってこないようにバリアがあり、多くの薬はここを通れません)に問題のある個体が多く存在し、血中に入った薬剤があっさりと脳にまで到達し中毒症状を引き起こすためです。

これはフィラリア予防薬に限った話ではなく、麻酔薬や抗ガン剤など多種の薬剤で、重い副作用を発現することがあるのがコリー・シェルティの犬種特性なのです。

だからといって、この話を

===
犬にフィラリア薬は負担が大きい!
===

という話にすり替えるのは、不適切な話とバッサリ切り捨てられても仕方ない話です。

個別の話と全体の話はきちんと分けて話す必要があります。

===

全体としてはこう!

例外的にこういうことがあるから、そういう場合はこう!

===

という流れでしたら、受け入れやすいのですがね。

ところで、「獣医のもうけ主義がけしからん!」と、ネットで安く仕入れようとする方がいらっしゃいますが、それって、大丈夫なのでしょうか?

要指示薬をネットで買って安く済ませようとすると…

フィラリア予防薬は「要指示薬」で、獣医の処方箋がないと手に入れられません。つまりは動物病院でしか買えません。

にもかかわらず、海外から個人輸入して安く済ませようという努力をしている方もいらっしゃるようです。

確かにかなり安いようですが、万が一問題が起こった場合は責任の追及が難しいなどリスクについても考えておく必要はあると思います。

つまり、その薬で愛犬が急変したとしても、周りの獣医師に「しらんよ!」という態度を取られても仕方がないということを受け入れています!という意思表示をしているのと同じだということです。

まぁ、この辺まではいいでしょう。

問題は、「フィラリア症になってから治療すればいい!」という、何でそんなこと思っちゃったのかね?という話です。

たぶん、十分に学ぶ機会がなかったために、こんな間違いを喧伝する形になってしまったのだと思います。

もしくは、本やネットの情報だけで知識を組み上げていくと、こんなことになるのかもしれません。

フィラリア症になってから治療すればいい?

例えば、大静脈症候群の場合は、手術により虫を摘出するという方法があります。

頸静脈から細長い鉗子を差し込み、大静脈付近の虫を摘出します。

しかし、これとて、完全に取りきれるかどうかは解りません。

ですから、通常の犬糸状虫症では、薬による成虫駆除が選択されます。

抗成虫薬はヒ素剤が用いられます。

ちなみにこのイミトサイドという薬は「毒薬」なので、棚に鍵をかけて管理するような薬です。

獣医師としてもあまり扱いたくありません。

でも、必要性があるから仕方なく取り扱っています。

こんな薬ですから、感染幼虫の駆虫剤の副作用が不安な方がすすんで使用するようなものではございません。

毒薬があるから、要指示薬なんて服用させなくていい!とおっしゃっているわけでは多分ないと思うのです。ご存じなかっただけなのだと思います。

またイミトサイドは注射で使用するのですが、刺激の強い薬で、注射した場所を痛がりびっこをひくこともあります。ですから2度に分けて注射する方法が採られることが多いです。

注射後2週間ほどは、死んだ虫体が肺動脈に詰まることもあり、慎重に観察が必要です。

死んだ虫体は1ヶ月ほどで器質化(切り傷のあとが少し硬くなるように、虫が少しずつ分解され線維化されます)が完了します。

成虫駆除のあと、抗ミクロフィラリア薬によりミクロフィラリアを駆除します。(イミトサイドではミクロフィラリアは死にません)ヨウ化ジチアザニンという薬剤で、濃い青色をしているため糞便が真っ青になります。

腸管寄生虫と犬糸状虫の違い

回虫や条虫などの「腸管寄生虫」の駆虫の場合と大きく違うのは、犬糸状虫の寄生場所が血管内であるため、死んだ虫の行き場が無い点です。

腸管の寄生虫は死んでしまえば便と共にあっさりと排出されます。犬糸状虫は、死んだ虫が血管に詰まると困るので、駆虫の後もしばらくは詰まりにくくなりような薬を飲む必要があります。

成虫の駆虫は危険も大きいため、病状によっては実施できません。

そのような場合、それ以上の感染を防ぐために予防を続け、成虫の寿命がきて死んでいくのを待ちます。

寿命を待てば、一気に死ぬわけではないので、詰まる可能性が低く、負担は少なく済みます。

もちろん、その途中でVCSを発症する可能性は残り続けますし、寄生による障害は続きますので、長期間不安な日々を過ごすことにはなります。

フィラリア症は薬で完治する?

もし、こんなことを書いている獣医師がいたとしたら、獣医師としての知識・経験・資質に問題ありです!

しかし、一般の方が書いていらっしゃるのだとしたら、大切なことをご存じないか、大きな勘違いをしていらっしゃるだけです!

確かに成虫駆除は高い確率で成功するようになってきています。

しかし通常、「完治(傷んだ組織が完全に修復される)」はしません。

症状のところで出てきたような障害は「不可逆的(戻らない)」ものです。

成虫がいなくなったところで、肺や心臓のダメージは消えません。

もちろん、絶対に不可逆なのかどうかは、何歳で治療したかや、残っているダメージがどの程度かでも変わってくる可能性がありますし、当院では「ダメといわれたものがなんとかならないか?」とチャレンジしておりますので、そこから何とかしようとするとは思いますが、通常は

成虫になってから駆虫>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>幼虫のうちに駆虫
・ヒ素の負担
・成虫の死骸が血管に詰まりにくくなるような薬をのむ
・成虫の治療が出来ない場合は、成虫の寿命が来て死ぬのを待つ
・成虫駆除のあとは抗ミクロフィラリア薬をのむ

と、困難さがまるで違うのです。

獣医師は、陸上で溺れるように苦しみ、のたうち回って死んでいく犬をみたくないから啓蒙活動をやっているのに、それを「儲け主義だ!」という感情的な理由で(どんな嫌な事があったか存じませんが)、世の中の愛犬家に「愛犬の体にも飼い主のお財布にもやさしいと誤解されるような、偏った不適切きわまりない情報」を流し、それを信じて実践すると、かえって「肉体的に辛い目に遭うことになり、お財布の負担も大きくなる」ようなことにつながる情報を喧伝し続けられているのは、私達もネット上の情報の取捨選択を試されているようで、心が引き締まります。

また、高温多湿な日本では屋外飼育の犬では3夏過ごすとほぼ100%感染するとも言われています。

例え室内飼いでも、散歩には行きますし、換気もするでしょう。

通信販売の段ボール箱に入って移動し…
エレベーターで移動し…
マンションの通気口から侵入し…
なんてことを考えたらキリが無いし、100%安全とは言い切れません。

また、感染する度に成虫駆除の治療をすればいいというご意見がある様ですが、個人的な意見としては犬への負担を考えても全くおすすめしない方針です。

また、蚊に刺されないような対策というのはこの病気の予防としては全くもって不十分です!

ハーブなどを用いても、高温多湿の日本では蚊はたくさんいて、常に隙を狙っています。

そして、残念なことに、成虫駆虫薬のイミトサイドは、日本では2014年に販売終了になりました。

ですから、現在、在庫を持つ動物病院でしか対応できません。

健康な犬でしたら、数日でちゃんと感染幼虫駆虫薬は排泄できます。

現時点では最善の方法ですので必要以上に不安がらず、予防してもらうのが一番だと思います。

くどい様ですが、フィラリア成虫による物理的な刺激、虫の排泄物による化学的な刺激、免疫反応などで右心系に不可逆的(元に戻らない)な障害をもたらします。

以上のことを総合的に鑑みてやはり、犬糸状虫症は予防が肝心と、フィラリア予防薬を処方していない獣医師・獣医学博士が思うのですが、それは獣医師擁護の儲け主義とお感じになりますか?

これでも、獣医師が儲けるための詭弁だとおっしゃるのでしたら、そう思わなくなるまでこの文章を熟読&朗読してみてください。

読書百遍、意自ずから通ず

と申しますから…。

なお、異論反論お受けいたします。

そのかわり、学術的なご指摘としていただけると幸いです。

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犬は空腹だと胃液を吐くものですか? https://susaki.com/can-dogs-vomit-due-to-hunger/ Thu, 10 Sep 2015 01:00:00 +0000 https://susaki.com/?p=11735 質問 愛犬が空腹だと胃液を吐く様になったので、動物病院に行ったら「犬が吐くのは自然なことだ」と言われました。「心配することではない」と…。 ネットで調べたら、専門家がそう書いているページもありました。でも、須崎先生の記事 […]

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質問

愛犬が空腹だと胃液を吐く様になったので、動物病院に行ったら「犬が吐くのは自然なことだ」と言われました。「心配することではない」と…。

ネットで調べたら、専門家がそう書いているページもありました。でも、須崎先生の記事には解決した方が良いと書いてありました。本当に自然なことなのでしょうか?
(滋賀県 藤木由真さま)

吐く必要があるから吐いている

藤木さん、ご質問をありがとうございました。

確かに「自然なこと」という表現も出来るかもしれませんが、正確には「吐く必要があるから吐いている」と表現する方が正解かもしれません。

まず、吐いて解決しなければならないことがあるから吐きます。

何の理由も無く吐いたりしません。

・食べ過ぎた
・変なものを食べた
・草を食べてスッキリしようとした
・環境の変化がストレスになった

など、確かに、放置しておけばそのまま改善するケースもあるでしょう。

しかし、毎日吐くとか、一日に何度も吐く、吐物が異臭がする、血が混じっているなどの場合は、それは解決すべき問題が体内にあると考えた方が良いかもしれません。

必ずしも胃に問題があるとは限らない

というと、胃に問題があると考えがちですが、必ずしも胃とは限りません。

ストレス性の下痢や便秘があるように、本質的な問題がある場所から離れたところに症状が出ることがあります。

様々な事情で原因が探れない、原因不明なことはあっても、原因が存在しない事はありません。

ですから、
●吐くのには必ず原因がある
●その原因が放置すれば自然と自力で解決できることもある
●原因によっては、放置しても自力では解決できないこともある
●放置して何かが起こっても、受け入れられるなら様子を見よう
●放置して何かが起こったら後悔しそうなら、プロに相談しよう
というところでしょうか。

空腹だと胃液を吐くのは間違い

ところで、「空腹だと胃液を吐くのが当たり前」という情報がちまたにあるようです。

周囲からも、「空腹だから胃液を吐くんだ」と口々に言われるので、「そうなんだ…」と思われるそうです。

須崎動物病院にも、「空腹だから胃液を吐くと言われたが、納得できない飼い主さん」がお越しになります。

もちろん、空腹だから胃液を吐くなんて、そんなわけがありません。

「自然界で肉食動物が獲物を獲れなかったらゲーゲー吐き続けるのか?」と考えたらすぐわかります。

身体は空腹になると元に戻ろうとする

当院では原因療法をやっているからわかるのですが、空腹だと胃液を吐くことが頻繁にあるような子は、身体のどこかに大抵何か「正常に戻る必要のある部位」があり、空腹になったところで正常に戻ろうとした結果、その刺激が胸焼けのような感じで伝わり、吐き気に繋がるというケースがほとんどでした。

問題ないのに、空腹だと胃液を吐くなんて無いのです。

身体は空腹になると、「治ろうとする(元に戻すことに集中する)」傾向があります。

ですから、「チョコチョコ食べさせなさい」「8時間以上空腹にしないように」と言うアドバイスを実践すると、空腹にならないので、元に戻ろうともしませんから、刺激も生じず、吐くことも無いのです。

原因が無くなれば吐かなくなる、原因が残っているから吐く

物事には必ず原因があります。

吐くことは、身体の調整過程で起こっていることですが、その調整しなければならない異常が大事の場合は、自力で復活するのは難しいかもしれません。

かといって、食べて吐けない様にするのではなく、「なぜ吐くことになったのか?」という原因を動物病院で探ってもらって下さい。

原因が取り除けたら、吐かなくなるはずです。

吐いているということは、原因が取り除けていないということです。

ぜひ、軽いうちに、原因を取り除いてあげて下さいね。

この度は、ご質問をありがとうございました。

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クレアチニンが3.9→1.6に低下した!愛犬・愛猫が腎臓病と診断されて落ち込んでいる飼い主さまへ https://susaki.com/to-pet-owners-dealing-with-diagnosis-of-renal-disease-in-dogs-and-cats/ Wed, 10 Jun 2015 01:00:00 +0000 https://susaki.com/?p=11112 腎臓は、血液のフィルター 身体は常に食べたものを消化(分解)して栄養素を取り込み、必要なものを栄養素から作り、不必要になったものを分解して排泄しています。 腎臓は血液をキレイにするフィルターの役割を担い、身体を一定の状態 […]

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腎臓は、血液のフィルター

身体は常に食べたものを消化(分解)して栄養素を取り込み、必要なものを栄養素から作り、不必要になったものを分解して排泄しています。

腎臓は血液をキレイにするフィルターの役割を担い、身体を一定の状態に保つ臓器です。

ところで、どんな風に血液を綺麗にするのでしょうか?

腎臓が血液を綺麗にするやり方

腎臓が血液を綺麗にする方法は机の上を綺麗にする時と同じです。

机の上を綺麗にする方法とは、机の上にあるものを全て箱に移して、一旦机の上に何も無くなった状態にし、必要なものを机の上に戻すというやり方をします。

腎臓も、血液中の血球成分以外の大部分を一旦血管外に出して、必要な成分を元に戻すという方式を取っております。

ですから、フィルターが目詰まりすると血液を綺麗にすることが出来ず、老廃物が血管から出ていかなくなり、結果的に、具合が悪くなります。

その指標の一つとして、血液検査項目のクレアチニンの値が基準値を超えると、腎機能が低下していると考えられます。

慢性腎不全の症状

慢性腎不全という状態になると、以下のような症状が出てきます。

・多飲多尿
・便秘
・体重減少
・食べ物の選り好み
・被毛状態の劣化
・尿比重の低下(犬<1.030、猫<1.035)
・血液尿素窒素量(BUN)や血中クレアチニン濃度(Cre)の上昇

腎臓病の重症度はどう決定する?

動物病院で腎臓病の重症度判定によく使われているIRIS(the International Renal Interest Society , 国際獣医腎臓病研究グループ)による分類表をご覧下さい。

ですから、初めて数値がちょっと上昇してくると、「腎機能の2/3が失われています」と言われてビックリするわけです。

そして、通常は、フィルターが目詰まりしたら、

二度と元には戻らない

と言われております。

原因を減らしたら、下がらないはずのクレアチニン値が下がった!

しかし、以前当院の診療を受診した犬が、その時はクレアチニンの値が3.9でした。その当時は元気も無くて、余命宣告までされたのですが、当院で原因を探ってそれを取り除いてみてどうなるかを様子みることになりました。
原因除去をして二ヶ月経ったところで、かかりつけの動物病院で血液検査をしてみたところ、

クレアチニンが3.9→1.6

になって、かかりつけの先生から不思議がられている…というご報告をいただきました。

なぜそんなことが起こったのか?

もちろん、偶然かもしれません。

しかし、腎臓の数値が高くなる(フィルターの目詰まり)根本原因は、

●動脈硬化
●炎症

などが主に考えられます。

原因療法に取り組む当院では、あの手この手で、原因を探り、腎臓で何が起こっているかを探り、根本原因を探って、排除してみたら、それが功を奏したのか、たまたまなのかわかりませんが、思いの外クレアチニンの値が下がったのでした。

大事なのは、「なぜ数値が上がったのか?」

数字で出されると、どうしてもその数字が気になりがちですが、

「単にその数値を下げさえすればいい・上がらないようにさえすればいい」

というわけではなく、本質的に大切なことは、

「なぜその数値が上がったか?」

と、根本原因を探ることだとご理解いただけるかと思います。

そのためには、飼い主さんがその様な考え方が出来る様になることが必要です。

なぜペットの病気や栄養の勉強をしても頭に残らないのか?

「知識無きところに疑問なし」と言われる様に、疑問を持てる様になるためには、ある程度の知識が必要です。

ですから、ペットのためだけでなく、ご自身やご家族のためにも、いろいろ健康面については何でもない状態から学びを深めておいて損はありません。

自分は原因を探れなくても、「腎不全と診断されたときに、場合によっては数値が基準値に収まることがある」ということを知っていれば、例え「腎不全の末期と診断されて、余命宣告までされた」としても、改善する可能性はゼロでは無くなるし、そういう行動につながります。

しかし、問題が起こってから情報収集すると、焦っているし、基礎知識が不足しているから正確に理解できず、ネットで調べても「暗くなるような情報ばかり」目に付くようになって、泣き暮らす飼い主さんが珍しくないのです。

予備知識がゼロだと、最初に目に付いた情報が基準になってしまい、改善の余地があることでも諦めてしまうかもしれません。

それはそれでいいのかもしれませんが、問題解決力を高める秘訣は「豊富な選択肢を、臨機応変に使い分けて、望むゴールに辿り着くまで諦めないこと」ですから、何でもない内から豊富な選択肢を用意しておくことは、飼い主さんにとって、いざという時に役立つ「転ばぬ先の杖」となるのです。

という説明をすると、「治る可能性がないのに頑張ることに意味があるのか?」という疑問が湧いてくる方がいらっしゃるかもしれません。別に、何が何でも頑張る必要はなく、あっさりと諦めてもいいのです。

「なる様にしかならない」様な情報に影響を受けて、ただ指をくわえて眺める選択肢を選んでいいと思うのです。

やってしまったことより、やらなかったことを後悔するのが人

しかし、人は「やってしまったこと」より「やらなかったこと」を後悔するそうです。だとしたら、「ダメ元でもやってみよう!」という飼い主さんが打てる手を用意するのが、私たち獣医師の仕事ではないかと個人的に思うのです。

もちろん、全ての腎不全で数字が変わると申し上げているわけではありません。状態によっては、いろいろ取り組んでも変わらないことはあるでしょう。しかし、一人でも多くの飼い主さんが、BUNやクレアチニンの数値に一喜一憂するだけではなく、本質的には数値が上がった理由を取り除いたら、ひょっとしたら勝手に数字が基準値内に入るかもしれないとご理解いただけたらと思っているのです。

この飼い主さんの様に、愛犬・愛猫が腎不全で余命宣告されたとしても
「何か他にあるのではないか…?」
「諦めが悪いといわれても気にしない!」
「私は往生際が悪い生き方を選んできたのだ!」
「何か他に打つ手があるのではないだろうか…?」
と、もしあなたが思うならば、

ぜひ、お近くの原因療法的に東洋医学的手法を使っている動物病院で
●正確には何が体内で起こっていて
●何が根本原因で
●それを処理能力の範囲内にまで減らすにはどうしたらいいのか?
を探ってもらうという選択肢もご検討下さい。

そして、一人でも多くの飼い主さんに、早い段階で「症状の緩和+原因を探って取り除く」ができたら、無理だったはずのことが無理でなくなる可能性があることを知っていただきたいのです。

言われたとおりに潔く諦めるも良し、諦め悪く粘っても良し、いずれにしても、【あなたが後悔せずに納得いく選択肢】をお選びください。

「それまでの間に、情報やヒントが欲しい…」
という方は、こちらの教材をまずはご活用下さい!

あなたのせっかくの努力が空回りせず、効果的に取り組めるよう、現場の生きた情報、結果につながる情報をご活用下さい!

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