症状の意味
多くの方が、症状は悪いもの・消さなければいけないものと勘違いしていらっしゃいます。
その発想から、本質的には悪化につながることをやっている方が少なくありません。
症状には意味があります。
「体内汚染が改善すべき状態に来ました。何かを変えなさい。」
「身体のバランスがゆがみすぎて、改善すべき状態に来ました。何かを変えなさい。」というサインなのです。
例えば、下痢は 「これ以上これが腸内にあるとヤバイので、さっさと出しましょう。」 という意味と、
「腸内環境が大きく変わったので、一度リセットしましょう!」 という意味があります。
いずれにしても排泄した方が良いわけですが、その「症状の意味」をご存じないために、
「下痢は止めなければいけない!」と間違った考え方をして、下痢を止め、
排泄すべきものを体内に止めておこうとするケースがとても多いのです。
身体には「必ず元に戻ろう!」という習性があります。
いついかなる時においても、例外はほとんどありません。
このことから、全ての症状が、身体の「元に戻ろう」とする作用の現れだと言い切れるのです。
つまり、身体が正常化するときに通過する「必要なプロセス」なのです。
以上のことから、 「これは排泄ですか?病気ですか?」 などという質問はナンセンスなのです!(全て排泄です)
せっかく皮膚から排泄しようと思っている老廃物を、あなたは押し戻そうとしたいのでしょうか?
せっかく目や耳から排泄しようと思っている老廃物を、あなたは押し戻すと決意されているのですか?
もちろん、その症状が生き死にに関わる状態でしたら、強引なコントロールが必要なことはあるかもしれません。
でも、生き死にが関係ないならば…
このことは非常に大切なことであり、ほとんどの方が誤解されている(ある事情により仕方ないのですが…)ので
これを機会に認識を新たにしていただきたいと思います。
症状は消さなければならないものではありません!根本原因を取り除けば、自然に消えるという性質のものです。
ですから、
・かゆみを消しさえすればいい
・尿結晶を消しさえすればいい
・下痢を止めればいい
・熱を下げればいい
・食欲がないとき、食べさせればいい
という反応を普段されている、「えっ、それって、当然じゃないの?」などという思いが頭をよぎった場合は、
やってはいけないことを今後やってしまう可能性があるのでこの先をしっかりと理解してください。
症状がある場合は次の『病気の7つの原因』を取り除くことが最優先です。
その上でまだ症状がある場合は、個々の体質に応じて『身体の反応を調整する』必要があります。
身体の反応を調整した後も症状が残る場合は、個々のケースで考えられる原因を一つ一つ取り除く対応が必要となるでしょう。
病気の7つの原因
当院では、リアルタイムで病気の原因が何かを推定する装置を用いて、体内状況を探ることができます。
これを用いて、ペットの病気の根本原因は何かと考えますと次の7つに集約されると考えおります。
これらが複雑に身体に影響を及ぼし、身体の反応が正常でなくなり、元に戻ろうとして様々な症状につながります(このため、症状を消すだけでは、根本原因を排除出来ないため、再発するのです)。
当院では、この複雑に絡み合った原因を一つ一つ取り除くことで、症状が出る理由を無くし、その結果症状が消え、健康になることを目指します。
健康を取り戻すために当院では4つのステップを順番に、もしくは同時進行で行います。
根本治療の4ステップ
step.1 摂取水分量を増やす
通常、ドライフードを食べていても多くの子は見た目元気です(この理由はまた機会を改めて、どこかでお話しさせていただきます)。
ただ、体調不良になったときに、手作り食にすると健康を取り戻すことが少なくありません。この大きな原因は、ドライフード(含水率10%未満)が手作り食(含水率80~90%)に変わったこと、つまり摂取水分量が増えたために、尿排泄がスムーズになったからと考えられます(もちろん、他の理由も考えられます)。
体調不良の多くはこのステップだけでも変化しますが、中にはそれだけでは十分な変化が得られない事があります。そんなときは2ndステップに進みます。
step.2 デトックス(排毒・老廃物排泄)
当院の診療では、どんな体内汚染があるかを推測可能です。
例えば、
この皮膚のかゆみは何の汚染が原因なのか?
重金属なのか、重金属なら何が原因なのか?
水銀なのか?水銀ならばどこから入ってきたのか???
そんなことを丁寧に探ってみると、何が出せずに体内にたまっているのでこの症状につながっているのかが推測出来ます。
それだけではなく、この子のケースでは何を使ったら原因物質の排除に作用するのかも、リアルタイムで推測可能です。
当院では、化学物質、病原体、重金属の排除に作用するペット用サプリメントをご用意しております。ちなみに、静電気は、長毛種ではバチバチと気になることがあろうかと思います。これも、順調にデトックスが進行すると無くなります。申し遅れましたが、毛の静電気は重要な体調悪化サインのひとつです。
また、病原体対策として、口内ケアは全ての犬・猫に必要なものとお考えください。
具体的には
・歯周病菌の殺菌
・乳酸菌リッチな口内環境を作る
この2つが重要です。
もちろん、活性酸素対策も重要です。
水分摂取とデトックス、ここまでやれば、ほとんどのケースで症状に変化が出てきます。
しかし、これでも飼い主さんにとって納得いく結果にならなければ、次の3rdステップに進みます。
step.3 身体の反応を調整する
人間でタバコを吸って100歳でも元気という方もいらっしゃれば、健康に気を遣っているにもかかわらず病気がちな方もいらっしゃいます。
私自身もカビたパンを食べても何ともなかったり(それはそれで心配ですが…)、インフルエンザに感染・発症した方々と2日間部屋を共にしても元気なままだったりする一方で、安い肉を食べると1時間以内に腸内洗浄が始まるという、一個人の中にすら、丈夫なんだかデリケートなんだかわからないという現実があります。
なぜこの違いが生じるのか?なかなか答えが見つかりませんでした。
しかし、2ndステップでお話しした体内汚染の状況を探る過程で、個々で刺激に対する体内の反応が異なることがわかってきました。具体的には、生理活性物質(サイトカイン等)の体内動態が個々で異なるのです。この様な理由から、同じものを食べて下痢をする子がいれば、排便に変化がない子も、便秘になる子もいるのです。
そして、その分泌調整も個々の事情に応じて、リアルタイムでコントロールができたることが理想です。
当院の診療では、十分な水分摂取と、デトックスが終わったところで、身体の反応を調整することで、体質改善につなげます。
ただ、個々でこの様に、物質的にできることをトコトンまで行ったとき、まだ症状が残っていれば、最後に取り組むべきものがあります。それが精神的なストレス対策です。
step.4 精神的ストレス対策
物質的にできることをトコトンやり尽くしてもまだ状況が満足行く状態になっていない場合、今度は精神的な部分が重要になってきます。
飼い主さんの悩みごとを解決すること、ペットの精神的な負担を軽くすることで、状態に変化をもたらすことが期待されます。