急な体調不良を防ぐための秋〜冬の乾燥対策(湿度・温度・生活習慣)

原因療法

冬の急な体調不良の原因

須崎動物病院は完全予約制ですが、診療予約日の前日に
「(愛犬・愛猫が)さっきまでわりと元気だったのに、突然体調不良になりました。『新型インフルエンザウイルス』も流行っている様ですし、心配です。他にも重症な子が(須崎動物病院の)診療の順番を待っているのはわかりますが、このままキャンセル無しで、どうぞよろしくお願いいたします。」
というご連絡をいただくことがあります。

症状=免疫システムが作動した証拠!

須崎動物病院では原因療法に取り組んでいるので、症状が出たとき、「何が原因で症状が出たと推定できるか?」を探っているので、いちいち申し上げませんが、いろいろ気付くことがあります。
そうすると、秋頃から空気も乾燥し、空気感染・飛沫感染する病原体が動物だけじゃなくて、飼い主さんにも感染→発症していることが珍しくなくなります。

無症状なのに感染してるの?

「飛沫感染や空気感染する病原体!?無症状なのに?」と驚かれる方がいらっしゃいますが、私たち人間も無菌室で暮らしているわけではありませんし、私の腕にもカビが暮らしている様に(風呂に入っていたとしてもです!)、飼い主さんたちも職場や学校等でいろんな病原体を肺に吸い込んだり、体表に付着させたりして帰宅しています。
それを愛犬・愛猫が吸い込むことは、別に特殊なことではなく、日常生活で「普通」に起こっています(知らない・気付かないだけで…)。

普段は身体がエレガントに処理・排除しているだけ!

ただ、通常は、呼吸器の粘膜に存在する防御システムにより、咳や鼻水、目やになどで排除されているだけです。
このように、病原性微生物が粘膜に触れたからといって、必ずしも発症するとは限らないという理解はとても重要です。
症状が出ていないからといって、何も起こっていないわけではないのです。
なにごともなかったかのように「エレガント」に処理されているということに感謝しなければいけないのです。
こういう「現実」があるから僕は「わざわざ免疫力って上げないと作動しない・機能しないわけじゃないんですよ?」と普段から申し上げているわけです。
そして、症状が出たからといって、弱っているわけではなく、「排除しようとしているから症状が出ている」という理解になってくださいね?とお伝えしております(それが免疫学的に正しい理解)。

一転して急な体調不良になる理由

しかし、何らかの事情(粘膜の調子が思わしくない、許容量を超える異物の侵入・接触があった等)で、「一過性に(←コレ大事)」粘膜の防御システムで排除しきれないことがあります。
すると、それがきっかけで急な体調不良になることがあります。

症状が出るのは闘っている証拠!負けているわけじゃない

もちろん、それとて「免疫システムが正常に作動し、処理をしている証ですから、身体に元々備わっている免疫システムを信じてまかせればいいのですが、そういう知識がないと「発症=ヤバイ!負けてる…」みたいな発想になり、「すぐにでも症状を消さなきゃ…」と不安になり、そう行動する人が増えるのは健康バラエティー番組や、テレビコマーシャルの影響なのかもしれません…。

家庭教育ってとても大事!

「何かあったらどうするんですか?症候群」の方なんかは、不安で仕方ないのかもしれませんが、須崎家では
「身体が頑張って処理している証拠なんだから、がんばって乗り越えろ!乗り越えられなかったら終わり!大丈夫だって!乗り越えられるから…そんな顔して心配しないの…」
という家庭教育だったので、ちまたの「症状が出たらすぐ薬で消さなきゃ」という風潮にとても違和感を覚えます(わからなくもないのですが…)。
そして、大学の学部時代、大学院時代で6年間、免疫学の研究室に所属して実験をし、さらに
「発症しているってことは、免疫システムが作動して、ウイルスや細菌などの微生物を攻撃している最中なんであり、例えば風邪を引いて発熱するのは、ウイルスが増えられないように発熱しているだけなのに、なんでわざわざ薬で熱を下げるの?余計なことしないで、じっと寝てればいいじゃん?」
なんて、学術的に思うわけです。

加湿すると防げる「こともある」

そこで!乾燥する時期はそもそも「乾燥対策」をすれば回避できることもあるので、こんなことにならないために、加湿器を使うという選択肢もあります。
と申しますのも、呼吸器粘膜が乾燥して、粘膜の排除メカニズムが働きにくくなることが急な発症の原因のひとつだからです。
そんな場合は、日常生活に加湿器を取り入れるだけで、呼吸器の調子が良くなったり、咳やくしゃみ、鼻水、鼻づまりといった呼吸器症状が落ち着くことがあります(もちろん、個体差はあるし、症状が出る原因にもよります。)
ただ、加湿器の管理が十分出来ていなくて、加湿器のタンクの中にカビや細菌が繁殖していたりすると、それが原因でさらに病原体を室内にまき散らすことになり、「加湿器を作動したらさらに具合悪くなった…」なんてこともありますので、定期的にしっかりと洗浄することを忘れないでください。

新しいことをすればいろいろ発見がある!

原因療法に取り組み始めると、最初はいろいろと今まで気付かなかったこと、考えなきゃならない事、やることが出てきて、面食らうこともあるでしょう。
でも、それらを一つ一つ丁寧に克服していけば、そのうち意識しなくても全自動で配慮&処理・対応できるようになりますので、自己嫌悪に陥ったりせず、淡々と取り組んでみてください。

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