犬猫が細菌感染症のとき、抗生物質の正しい使い方を教えてください
愛犬が現在かかりつけの動物病院で【 二ヶ月も同じ抗生物質が処方 】されています。
同じ抗生物質を使い続けるのはよくないとききます。実際に下痢・軟便が続いています。
そこで、薬を使わない須崎先生が抗生物質を使うとしたら、どのように使われますか?大学病院時代の話でも結構なので、教えてください。
抗菌薬感受性試験をしながらか、検査的治療を行い、出来るだけ早く解決します
ご質問をありがとうございます。
当院にも、同じような不安を抱えた飼い主さんからのご相談をよく伺います。
抗生物質には選択毒性がある
まず、抗生物質には【 選択毒性 】という性質があって、
この抗生物質は、こんな特徴のある菌を無力化する
という性質があります。
広範囲に効く薬→狭い範囲に絞っていく
通常は【 広範囲に作用する抗生物質 】をまず使って、同時進行で冒頭の青い画像のような【 抗菌薬感受性試験 】を行い、1週間後に改善がイマイチなら、抗菌薬感受性試験の結果を元にして新しい抗生物質を使って対処していくという治療を行うのがスタンダードです。
ちなみに上記の青い画像にはシャーレ全面に「細菌」が薄く塗られていて,その上に抗生物質をしみ込ませた紙を載せ、効く抗生剤の周りは菌が生えないから白くならないので、「次はこの抗生物質を使えばいいのかな?」という判断材料にします。
抗菌薬感受性試験の設備がなければ検査的治療!
抗菌薬感受性試験をするための培養の設備がなければ、抗生物質A→抗生物質B→抗生物質C…と変化させながら治療する【 検査的治療 】という選択肢もあります。
でもこれは経験に頼るところが大きく、やはり抗菌薬感受性試験で確実にすすめたいところです。
同じ抗生物質を長期間使うことは特殊事情があれば別ですが、普通はやらない
少なくとも同じ抗生物質を二週間以上使うことは【 よほど特殊な事情がない限り 】あまりありません。
理由は、薬剤耐性菌が出てきたり、腸内細菌が影響を受けて下痢になったり、他の臓器に与える影響などからです。
ですから、何か特殊な理由があってのご判断なのか?手詰まり状態なのか?確認はしておきたいところですよね…。
最初から一発でドンピシャの投薬は難しい…
このような理由から、最初からドンピシャの投薬が出来るかと言われたら、必ずしもそうではないということです。
同じ症状でも、原因が異なったら、本質的な解決法は個々で異なるので、やはり確かめながら治療を進めていくしかありません。
一旦症状が落ち着いたのに薬を止めたら三日で再発…なんてことも…
ところで、一旦症状が落ち着いても、どういう訳かしばらくすると再発するケースがあって、
その場合に、
- 体質だ…
- 遺伝だ…
とレッテルを貼られることがあるようです。
そんなケースでこじれたペットが当院にもやってきますが、この場合、【 生活環境から異物が補充されている 】ことがほとんどです。
次々再感染・再汚染
→白血球が闘い続ける
→症状が出続ける
ということが(当院の場合)は多く感じます。
この場合、
●体内から原因を排除する
と同時に
●環境からも原因を減らす
ことで、
「異物量を処理能力の範囲内」に落ち着かせることが重要と考えております。
そんなときには須崎動物病院の消臭除菌スプレー【 消えミスト 】を
- 寝床
- よくいる部屋
- 食器
- ケージ
- キャリーバッグ
などにスプレーして、再発防止対策にご活用下さい。
主成分のフィトンチッドは
- 動物が舐めても大丈夫
- 動物が霧を吸い込んでも大丈夫
- 不必要な菌を分解
- 有用な菌にはノーダメージ
という優れものですので、安心してお使い下さい。
なお、キャニヨンスプレーボトルはプロの掃除屋さんが使う道具で、霧が細かくよく飛ぶし、なかなか壊れないので、100均のスプレーボトルを使うより効果的ですので、最初はキャニヨンスプレーボトル付きをオススメします。
以上、
●抗生物質のスタンダードな使い方
●再発するときの対処法
についてお話しさせていただきました。
もちろん、これが唯一無二の正解ではなく、もっといい方法があるかもしれませんし、状況に応じて適切に対処して下さる先生はたくさんいらっしゃると思いますので、【 信頼できて納得できる獣医師 】のやり方に従って、なる早で健康を取り戻してください。
以上、参考にしてみて下さい。