まとめ
- 猫が生の鶏肉ベースのペットフードを食べた
- 猫は具合悪くなり、最終的に安楽死となった
- 米国食品医薬品局(FDA)は、猫の死亡事例を受けて調査
- RAWR Raw Cat Food「Chicken Eats(チキン・イーツ)」の特定ロットにおいて、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)H5N1の汚染を確認した
- 全ゲノム解析の結果、動物から検出されたウイルスと汚染されたペットフードから検出されたウイルスは、共通の起源に由来することが示された
- このフードは全米の小売店およびオンラインで流通している
- ロットは「CCS 25 077」
- H5N1は、野生鳥類、家禽、そしてイエネコやピューマ・ボブキャット・ピューマ(マウンテンライオン)などの大型ネコ科を含む哺乳類に、疾病や死亡を引き起こすことがある
- イヌも感染し得ますが、一般的にネコと比べて臨床症状は軽く、致死率も低いとされている
- 米国内のイヌでの検出例は報告されていませんが、他国では致死例が発生している
- FDAによれば、汚染されたペットフードへの曝露を通じて人が鳥インフルエンザに感染した既知の事例はない
猫が市販の生食で鳥インフルエンザに感染して安楽死
飼い主さんも「愛猫が喜ぶから」という動機で食べさせて、まさかの安楽死という結末になるとは思わなかったと思います。
このように、生食、非加熱食、加熱不十分な肉を愛犬愛猫に食べさせることは、生死に関わるような事件に発展することがあります。
特に市販フードなんて、どこでどんな肉が入っているかは消費者にはわからないので、「こんなこともある」のです。
まさに、ロシアンルーレット…
食品の中心部が70℃以上になるように加熱する
鳥インフルエンザウイルスは熱に弱く、加熱により死滅するため、鶏肉や卵を十分に加熱して食べれば感染の心配はありません。
特に、食品の中心部が70℃以上になるように加熱することが推奨されています。
肉にピンク色の部分が残らないように、全体をしっかり加熱することが大切です。
未加熱または加熱不十分な状態で食べることは、食中毒予防の観点からも避けるべきです。
ヒトの場合、加熱不十分な鶏肉を摂取すると、カンピロバクターやサルモネラによる食中毒の可能性がでてきます。
「じゃぁ、冷凍保存したら死滅するのか?」と食い下がる方もいらっしゃろうかと思いますが、ウイルスは冷凍された状態では感染力を失わないため、冷凍保存だけでは死滅しません。
生肉を食べるのは本来の自然な食事
「生肉を食べるのは本来の自然な食事」というご意見もあろうかと思いますが、今回の猫ちゃんのように最終的に安楽死につながる様なケースもございます。
身体には素晴らしい適応能力があり、加熱した鶏肉でも十分消化吸収できますので、生き死にに関わる様なギャンブルはしない方がいいと思うのですが、あなたはどう思われますか?
元記事の翻訳
H5N1に汚染されたRAWR生食を摂取後、猫が安楽死に
FDAは、死亡した猫から検出されたウイルス株と、鶏肉ベースのペットフード製品の2つの製造ロットとの間に遺伝学的な関連があることを、検査により報告しました。
米国食品医薬品局(FDA)は、猫の死亡事例を受けて、RAWR Raw Cat Food「Chicken Eats(チキン・イーツ)」の特定ロットにおいて、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)H5N1の汚染を確認しました。全ゲノム解析の結果、動物から検出されたウイルスと汚染されたペットフードから検出されたウイルスは、共通の起源に由来することが示されています。
サンフランシスコ公衆衛生局は、H5N1に罹患してその後安楽死となった猫の発生を受け、連邦当局に通報しました。この猫は、消費期限が2026年10月3日のロット「CCS 25 093」の製品を摂取していました。飼い主から回収した開封済み製品サンプルに対する初回のPCR検査でH5N1が検出され、その後、米国農務省(USDA)国立獣医サービス研究所による追加検査で確認されました。
FDAは、別ロットの同一製品(ロット「CCS 25 077」、消費期限2026年9月18日)の小売サンプル2点を採取・検査しました。2点ともインフルエンザAウイルス陽性で、そのうち1点は全ゲノム解析によりH5N1陽性と確認されました。
問題の製品は、1オンス(約28g)スライダー40個入りの2.5ポンド(約1.13kg)の再封可能なプラスチック袋で冷凍販売されています。黄と白の配色に黒い文字の袋で、全米の小売店およびオンラインで流通しています。ロット「CCS 25 077」は、該当袋の背面中央に印字されています。
FDAはリリースで次のように述べています。「上記のRAWR Raw Cat Food Chicken Eatsのロットについて懸念しています。全ゲノム解析の結果、死亡した猫から検出されたH5N1と、Chicken Eats製品のロット『CCS 25 093』および『CCS 25 077』から検出されたH5N1は、共通の汚染源に由来することが示唆されています。」
実験室解析では、当該ウイルスは遺伝子型B3.13と同定されました。これは、猫の疾病や死亡と関連した他の生の家禽由来ペットフードブランドでも以前に確認されている型です。解析結果では、3つのサンプルからのH5N1はいずれも同一クラスター内にあり、2024年11月から12月に検出されたものの、現在は流行していないウイルス系統に関連していることが示されました。
H5N1は、野生鳥類、家禽、そしてイエネコやピューマ・ボブキャット・ピューマ(マウンテンライオン)などの大型ネコ科を含む哺乳類に、疾病や死亡を引き起こすことがあります。イヌも感染し得ますが、一般的にネコと比べて臨床症状は軽く、致死率も低いとされています。米国内のイヌでの検出例は報告されていませんが、他国では致死例が発生しています。
FDAによれば、汚染されたペットフードへの曝露を通じて人がHPAIに感染した既知の事例はありません。FDAは引き続き調査を継続し、新たな情報が得られ次第、更新を提供するとしています。
元記事:Cat euthanized after eating H5N1-contaminated RAWR raw food
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