Q.飼い主さんからのご質問
足先や指間・足の裏をなめて毛が変色、歯肉炎で口臭…
三か月前に三歳の犬を家族に迎えました。
来た当初から前足の先や指の間や足の裏をなめて、毛の色が茶色くなっていました。
歯肉炎で口臭もあったので、先生の本を参考に手作りご飯と歯周病対策のサプリメントを続けています。
今使っているサプリに加えて、排泄不良やアレルギーに良いサプリメントを使いたいと思います。
アドバイスをどうぞよろしくお願い致します。
A.須崎のコメント
排泄不良、アレルギー、かゆみ 対策
根本原因からいうと、
足先の問題→内臓から信号が来ている可能性がある
歯肉炎・口臭→口内の問題解決
が重要と思います。
足先の問題ですが、
例えば、腎臓に不調があるとそれが原因で外耳炎になることがあります。
この様に、
「症状の近くに根本原因がない」
ことが少なくありません。
足先の問題を
●排泄不良
●アレルギー
と見立てられたようですが、「来た当初から」という経緯と、診療経験上、身体は正常だけれど、体内の異物量が多すぎて、白血球が常に全力で闘わないといけない状態なのかもしれません。
まだ三歳なのですから、身体は正常だけれど、体内の異物量が多すぎる上に、生活環境から次々と体内に入ってくるために、症状が続いている…というケースもあります。
よく「何かをしないと、排泄が充分に出来ない」と考える方が多い様ですが、そうではなく、排泄は正常に行われているのだが、体内の異物量が多いから、出しても出しても、減ってくれない…というケースは少なくないものです。
当院では、原因療法に取り組んでおります。
同じ症状でも、原因が異なったらやることが変わります。
また、原因が同じでも、体内の状況によってやることも変わります。
ですから、
●毛の色が茶色くなったのを改善する食べ物やサプリ
●指間をなめるのを止めさせる食べ物やサプリ
といった方向性で探すと、対症療法的な手段・選択肢に落ち着いてしまう気がします。
そんなことにならない様、お近くで「原因療法」に取り組んでいる動物病院を探し、体内で何が起こっているのかを探ってもらう事をお薦めします。
当院でも、同じ様な子が沢山やってきますが、大抵、指間に問題は無く、他の所にあり、そこの白血球と異物との闘いによる炎症が、指間に不快感をもたらしていることがほとんどです。
そして、その問題が処理能力の範囲内に落ち着くと、なめなくなるということを経験しているので、対症療法も大事かと思いますが、本質的には原因療法で、再発しない身体にしてあげることが、長い目でみていいのではないかと思います。
ちなみに、皮膚の状態が気になる場合は、こちらの教材で、学んでみてください。特に、「アレルゲン検査は意味あるの?」という疑問に、明確に解答してございます。