フィラリア予防薬はいらない?

診療方針

毎年、この季節になると

「フィラリア予防薬はやらなくてもいいですか?」

という質問をいただきます。

須崎動物病院では薬の処方はしていない【大前提】

よく「フィラリアの予防薬を売ると儲かる」という批判がありますため、他の動物病院さんではコメントしにくいかもしれません。

ですから、当院のように「薬の処方をしていない」立場の獣医師なら、儲けるための話ではなく、公平なコメントができるでしょう。


一般の飼い主さんには、強烈な情報の方が印象に残りやすく、それが判断基準となりがちです。
特に獣医や製薬会社の陰謀という、強い立場の人を攻撃するタイプの表現は、人気を得がちですよね。

あなたもひょっとしたら「フィラリア予防薬を毎月のませるシステムは、獣医師の陰謀だ!フィラリア症になってから治す薬があるんだ!俺たちは騙されないぞ!」みたいな風に思っていらっしゃるかもしれませんが、私はそれでも構いません(笑)。


ここではいったん予備知識をゼロにして、今までとは違う側面から情報を受け取ってみてください。


ということで、お話しをさせていただきます。

あらためて、フィラリア症ってなんだ?

簡潔にいうと、「犬糸状虫という寄生虫が心臓に寄生して起こる病気」です。

一般的にはフィラリア症で通っていますが正式には「犬糸状虫症(いぬしじょうちゅうしょう)」です。


この定義のなかで重要なことが2つあります。
・寄生虫による病気であること
・心臓に問題が起こること


寄生虫による病気は、その原因となる寄生虫のことをよく知ることで病気を理解できます。

そして、寄生場所が心臓であるということからは、症状がよく分かります。


愛犬家の方たちは「うちの子がどうなってしまうの?」という視点で見ることが多いので、症状のほうに注意が偏ってしまいがちです。

でも、犬糸状虫症をよく理解するためには「犬糸状虫」のことをよく知る必要があります。

虫嫌いのひとでも興味を持って勉強してみてください。

犬糸状虫の一生

一般的な犬の症状などは調べれば沢山の情報が出てくると思いますので、ここでは虫の立場から見ていこうと思います。


犬糸状虫の赤ちゃんは、ある犬の心臓に住むフィラリアのお母さんから生まれます。

そしてその犬の血液の中で蚊に吸われるのを待ちます。

この子虫達をミクロフィラリアと呼びます。

ミクロフィラリアは一滴の血液を顕微鏡で見たときに(ひと視野に)何十匹とうようよしているくらい沢山います。

それはそうですよね。そのくらいいないと蚊に吸ってもらえる確率はかなり低くなりますので。


なぜ蚊に吸われるのを待っているのかというと、ミクロフィラリアはそのまま犬の体内にいても成虫になることが出来ないからです。


寄生虫というのは不思議なもので、

===
ある生物の中でしか一生のうちの「この部分の成長」が出来ない!
===

ということが普通にあります。


犬糸状虫にとって蚊は「中間宿主」といって、必ず通らないと大人になれないところなのです。


そして、犬が終宿主です。

そんな事情から、犬の血液中で蚊に吸われるのを待ち、幸運なことに蚊に吸われると、蚊の体内でミクロフィラリアから感染幼虫にまで成長します。

蚊の体内である程度成長した幼虫(感染幼虫)は、今度は別の犬の体内に入るチャンスを待ちます。

フィラリアに感染した蚊が次に犬から吸血するとき、刺したときに感染幼虫が犬の身体に移動するのです!

そして、新しい犬の体内に入った感染幼虫は、成長しながら血管に入り心臓を目指し、最終的に心臓の肺動脈あたりに住み着き大人(成虫)になります。

では、いったい何のためにこんな大がかりな旅をするのでしょうか?


犬だけで完結せず、蚊がいないと成立しない一生って、なかなか大変だと思うのですが…。

寄生虫のミッション

寄生虫も生物ですので、大きな目で見たミッションとして「子孫を残す」という目標があります。

子孫を残すためには、犬の免疫系から攻撃され死んでしまっては困りますし、犬側が重篤な症状を起こしてあっという間に死んでしまっても困ります。

そのため、

===
宿主に気付かれないようにそっと暮らす
===

という得意技を身につけています。

ウイルスや細菌と比べると圧倒的な大きさを持っていますし、複雑な作りをしていて「なんで免疫系に攻撃されないの?」という感じですが、それが寄生虫が進化の過程で身に付けた得意技なんです。

この点は、回虫などの腸管寄生虫とも共通しています。回虫に寄生された動物もすぐに死んでしまうようなことはなく、長い時間をかけて少しずつ影響がでて弱ってきたりします。

フィラリア症も、通常長い時間がかかって弱っていくもので、実は大動脈症候群という急性のフィラリア症は虫にとっては「ミッション失敗」といえます。

そんな、大した症状が出ないなら、フィラリア症なんて放っといても良くない?なんて思われるかもしれません。


しかし、そんなことはないのです!

フィラリア症にかかっても大したことないの?

確かに「ただちに健康に影響があるわけではない」です。

ただ、腸管の寄生虫と違って、住んでいるところが心臓なので

虫による物理的な刺激、虫の排泄物による化学的な刺激、免疫反応などで右心系に不可逆的(元に戻らない)な障害をもたらします。


肺動脈が血管内膜炎などを起こし、血管壁が硬く厚くなり、蛇行します。


このため肺動脈の血圧が高くなり、肺高血圧症、肺性心と呼ばれる状態になります。


右心系の血圧が高まるために、だんだん右心肥大が見られるようになってきます。


進行すると右心不全(うっ血性心不全)と呼ばれる状態に陥ります。




大事なのでもう一度申し上げますが、この症状は、不可逆的(元に戻らない)な変化といわれているのです。


例え、成虫を殺したとしてもです…。

そこで質問です!

上記の事実を知った上で、

===
成虫駆除は90%以上の確率で成功するから、フィラリア症は完治するのだから、予防薬は副作用も多いのになぜする必要があるのか!
===

というご意見、どう思われますか?

当院では原因療法を主体として「身体には元に戻る力があるんだ!原因に対して必要かつ正常な反応があった結果が症状だ!だから、原因が無くなれば症状は出る必要が無くなる!」というスタンスで仕事をしています。


ですから、「本当に不可逆なのか?」と言われたら、身体の治癒力に期待したいところがありますが、食物で常に傷つけられることを想定した作りの腸管と違って、血管は内側からの傷害に対しては「よくあること」として想定はされていないはずですので、あるよりは無い方がいいと思うのです。




ところで、「フィラリアの予防薬は駆虫薬だったなんて!いままで騙されてたの?」という話がありますが、それは本当なのでしょうか?

フィラリア症の予防薬って本当に駆虫薬?

これは本当です。

フィラリア症の予防薬は、

===
犬の体内で成長途中の幼虫を成虫になる前に殺してしまう
===

ために投与しているものだからです。

じゃあ予防薬ではなかったのね…。

これは大きな間違いです。

最初に述べましたがフィラリア症とは「犬糸状虫という寄生虫が心臓に寄生して起こる病気」ですので、心臓に寄生する前に駆虫してしまえばフィラリア症を防げるという訳です。

フィラリア幼虫駆虫薬の副作用リスクは高い?

リスクがゼロの薬はこの世に存在しません。

よく、「肝臓に負担が…」というご意見を見かけますが、それなりの負荷はかかりますが、何もしないで気がついたらゼーゼーと咳をする様になり、地上で溺れるように呼吸困難になって死ぬのと、肝臓での処理を天秤にかけたら、どちらがいいかという話です。

私達人間の世界でも、清涼飲料水が健康にプラスになると思ってのんでいる方はいらっしゃいません!

楽しいひとときを過ごすツールとして選んでいるだけです!


化学物質過敏症の方など、合わない飲み物がある方がいらっしゃるのも事実!

だとしたら、合うものを選べばいい、ただそれだけのことです。


それを、「合わない人がいるから全員禁止にすべきだ!」というには、それなりの危険性が必要だと思うのですが、フィラリア感染幼虫駆虫薬はそこまでには至らないということです。

くどい様ですが、当院ではフィラリア(感染幼虫駆虫薬)予防薬を処方しておりませんので、中立的な立場で、獣医師・獣医学博士が「事実」を書いております。

一般人が、感情的になって、メチャクチャなことを申し上げているわけではございません。

では、なぜ「月に一度服用するように!」といわれているのでしょうか?

フィラリア感染幼虫駆虫薬はなぜ月に一度?

1ヶ月に1度の投与で予防可能な理由は、犬の体内に入ってから成虫になるまでの間にある様々な成長過程の移行幼虫を、1ヶ月に1度一気に退治しているからです。

蚊に刺されなくなるわけではありませんし、また、薬が1ヶ月間残り続けるわけでもありません。


では、フィラリア感染幼虫駆虫薬はどのくらいで身体から排除されるのでしょうか?

フィラリア感染幼虫駆虫薬が体内に残る時間

フィラリア感染幼虫駆虫薬は、投与から2、3日で薬は排泄されます。


ですから、駆虫した直後に蚊に刺され、感染幼虫が体内に入った場合、その感染幼虫は次の月の予防薬投与までは体内で成長を続けます。

感染幼虫が成虫になるまでには約2ヶ月の猶予はありますので本当のことをいえば「毎月」である必要はありません。


ですが、「毎月」であるほうが忘れにくいこと、万が一投与を忘れたり、犬が飼い主の知らないところで薬を吐き出してしまったりした場合のことを考えると、危険が大きいために「毎月」投薬をするように決められています。

なので、一回投与するのを忘れた!などの場合にも即大変なことになるということはないので、心配する必要はありません。


これを「毎月服用する必要が無いのに、毎月のませるのは、獣医師の儲け主義だ!」という解釈・コメントは、飼い主が忘れなくても犬が飼い主の知らないところで吐き出すなど、色々なケースを考慮した上の気遣いを否定されたようで悲しくなります。




では、半年効果が持続する注射薬はどうなのでしょうか?

なぜ効果が半年も続くのか?

6ヶ月効果のある注射薬は、「マイクロスフェア」という小さなカプセルの中に薬剤を入れてあり、その薬剤が徐々に放出されるものなので、長期間体に残っています。

ただし、副作用の報告が多くあったため、便利な割りには爆発的には広まらず様子見状態になっているようです。


なんでも、便利なものはそれなりに何かありということですね。




ところで、毎年春に検査を進められるが、これも、儲け主義ではないかといわれることがあります…。


自分の不都合や理解の及ばないことは、全部相手が悪い的な発想はいかがなものかと思いますが、それもこれも「正確に理解させてもらう機会がなかった」ことが原因だと思いますし、正確に理解したらニュートラルな判断が出来ると信じておりますので、解説させていただきます!

春に検査をすすめられるわけ

最近は、予防薬投与の前に感染していないか検査をされることが多いと思います。

これは、感染がありミクロフィラリアが血中に存在する状態で予防薬を飲ませると、ミクロフィラリアが一気に死んで、重篤な症状がでることがあるためです。

前年にきちんと予防されていれば、まず感染していることはないのですが、製薬会社からの注意などもあり、念のため検査を行うことが強く薦められているからです。


この様な背景から検査を薦められると「儲けようとして!」と短絡的に解釈して、パスすることで、リスクを高める事になる可能性があることを覚えておいてください。


そもそも、適正な専門的サービスに対する対価をいただくことになんの問題があるのかという話です。




ところで、フィラリア幼虫駆虫薬で死ぬほどの副作用があるという話があるのですが…という点についてはどうでしょうか?

コリー種で副作用の強い薬がある

ご存じの方も多いと思いますが、コリー種では予防薬投与で副作用が出て死亡することもあります。

モキシデクチンは先ほどのミクロフィラリアの件もコリー種でも比較的安全だとされています。


ちなみに、コリーで副作用が出やすいのは、遺伝的に血液脳関門(脳にはなんでもかんでも入ってこないようにバリアがあり、多くの薬はここを通れません)に問題のある個体が多く存在し、血中に入った薬剤があっさりと脳にまで到達し中毒症状を引き起こすためです。

これはフィラリア予防薬に限った話ではなく、麻酔薬や抗ガン剤など多種の薬剤で、重い副作用を発現することがあるのがコリー・シェルティの犬種特性なのです。


だからといって、この話を

===
犬にフィラリア薬は負担が大きい!
===

という話にすり替えるのは、不適切な話とバッサリ切り捨てられても仕方ない話です。

個別の話と全体の話はきちんと分けて話す必要があります。

===

全体としてはこう!

例外的にこういうことがあるから、そういう場合はこう!

===

という流れでしたら、受け入れやすいのですがね。

ところで、「獣医のもうけ主義がけしからん!」と、ネットで安く仕入れようとする方がいらっしゃいますが、それって、大丈夫なのでしょうか?

要指示薬をネットで買って安く済ませようとすると…

フィラリア予防薬は「要指示薬」で、獣医の処方箋がないと手に入れられません。つまりは動物病院でしか買えません。

にもかかわらず、海外から個人輸入して安く済ませようという努力をしている方もいらっしゃるようです。

確かにかなり安いようですが、万が一問題が起こった場合は責任の追及が難しいなどリスクについても考えておく必要はあると思います。

つまり、その薬で愛犬が急変したとしても、周りの獣医師に「しらんよ!」という態度を取られても仕方がないということを受け入れています!という意思表示をしているのと同じだということです。

まぁ、この辺まではいいでしょう。

問題は、「フィラリア症になってから治療すればいい!」という、何でそんなこと思っちゃったのかね?という話です。


たぶん、十分に学ぶ機会がなかったために、こんな間違いを喧伝する形になってしまったのだと思います。


もしくは、本やネットの情報だけで知識を組み上げていくと、こんなことになるのかもしれません。

フィラリア症になってから治療すればいい?

例えば、大静脈症候群の場合は、手術により虫を摘出するという方法があります。

頸静脈から細長い鉗子を差し込み、大静脈付近の虫を摘出します。

しかし、これとて、完全に取りきれるかどうかは解りません。

ですから、通常の犬糸状虫症では、薬による成虫駆除が選択されます。

抗成虫薬はヒ素剤が用いられます。


ちなみにこのイミトサイドという薬は「毒薬」なので、棚に鍵をかけて管理するような薬です。

獣医師としてもあまり扱いたくありません。

でも、必要性があるから仕方なく取り扱っています。

こんな薬ですから、感染幼虫の駆虫剤の副作用が不安な方がすすんで使用するようなものではございません。

毒薬があるから、要指示薬なんて服用させなくていい!とおっしゃっているわけでは多分ないと思うのです。ご存じなかっただけなのだと思います。




またイミトサイドは注射で使用するのですが、刺激の強い薬で、注射した場所を痛がりびっこをひくこともあります。ですから2度に分けて注射する方法が採られることが多いです。


注射後2週間ほどは、死んだ虫体が肺動脈に詰まることもあり、慎重に観察が必要です。

死んだ虫体は1ヶ月ほどで器質化(切り傷のあとが少し硬くなるように、虫が少しずつ分解され線維化されます)が完了します。

成虫駆除のあと、抗ミクロフィラリア薬によりミクロフィラリアを駆除します。(イミトサイドではミクロフィラリアは死にません)ヨウ化ジチアザニンという薬剤で、濃い青色をしているため糞便が真っ青になります。

腸管寄生虫と犬糸状虫の違い

回虫や条虫などの「腸管寄生虫」の駆虫の場合と大きく違うのは、犬糸状虫の寄生場所が血管内であるため、死んだ虫の行き場が無い点です。

腸管の寄生虫は死んでしまえば便と共にあっさりと排出されます。犬糸状虫は、死んだ虫が血管に詰まると困るので、駆虫の後もしばらくは詰まりにくくなりような薬を飲む必要があります。

成虫の駆虫は危険も大きいため、病状によっては実施できません。

そのような場合、それ以上の感染を防ぐために予防を続け、成虫の寿命がきて死んでいくのを待ちます。

寿命を待てば、一気に死ぬわけではないので、詰まる可能性が低く、負担は少なく済みます。

もちろん、その途中でVCSを発症する可能性は残り続けますし、寄生による障害は続きますので、長期間不安な日々を過ごすことにはなります。

フィラリア症は薬で完治する?

もし、こんなことを書いている獣医師がいたとしたら、獣医師としての知識・経験・資質に問題ありです!


しかし、一般の方が書いていらっしゃるのだとしたら、大切なことをご存じないか、大きな勘違いをしていらっしゃるだけです!


確かに成虫駆除は高い確率で成功するようになってきています。

しかし通常、「完治(傷んだ組織が完全に修復される)」はしません。

症状のところで出てきたような障害は「不可逆的(戻らない)」ものです。

成虫がいなくなったところで、肺や心臓のダメージは消えません。

もちろん、絶対に不可逆なのかどうかは、何歳で治療したかや、残っているダメージがどの程度かでも変わってくる可能性がありますし、当院では「ダメといわれたものがなんとかならないか?」とチャレンジしておりますので、そこから何とかしようとするとは思いますが、通常は


成虫になってから駆虫>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>幼虫のうちに駆虫
・ヒ素の負担
・成虫の死骸が血管に詰まりにくくなるような薬をのむ
・成虫の治療が出来ない場合は、成虫の寿命が来て死ぬのを待つ
・成虫駆除のあとは抗ミクロフィラリア薬をのむ

と、困難さがまるで違うのです。


獣医師は、陸上で溺れるように苦しみ、のたうち回って死んでいく犬をみたくないから啓蒙活動をやっているのに、それを「儲け主義だ!」という感情的な理由で(どんな嫌な事があったか存じませんが)、世の中の愛犬家に「愛犬の体にも飼い主のお財布にもやさしいと誤解されるような、偏った不適切きわまりない情報」を流し、それを信じて実践すると、かえって「肉体的に辛い目に遭うことになり、お財布の負担も大きくなる」ようなことにつながる情報を喧伝し続けられているのは、私達もネット上の情報の取捨選択を試されているようで、心が引き締まります。

また、高温多湿な日本では屋外飼育の犬では3夏過ごすとほぼ100%感染するとも言われています。

例え室内飼いでも、散歩には行きますし、換気もするでしょう。

通信販売の段ボール箱に入って移動し…
エレベーターで移動し…
マンションの通気口から侵入し…
なんてことを考えたらキリが無いし、100%安全とは言い切れません。

また、感染する度に成虫駆除の治療をすればいいというご意見がある様ですが、個人的な意見としては犬への負担を考えても全くおすすめしない方針です。

また、蚊に刺されないような対策というのはこの病気の予防としては全くもって不十分です!

ハーブなどを用いても、高温多湿の日本では蚊はたくさんいて、常に隙を狙っています。

そして、残念なことに、成虫駆虫薬のイミトサイドは、日本では2014年に販売終了になりました。

ですから、現在、在庫を持つ動物病院でしか対応できません。

健康な犬でしたら、数日でちゃんと感染幼虫駆虫薬は排泄できます。

現時点では最善の方法ですので必要以上に不安がらず、予防してもらうのが一番だと思います。

くどい様ですが、フィラリア成虫による物理的な刺激、虫の排泄物による化学的な刺激、免疫反応などで右心系に不可逆的(元に戻らない)な障害をもたらします。


以上のことを総合的に鑑みてやはり、犬糸状虫症は予防が肝心と、フィラリア予防薬を処方していない獣医師・獣医学博士が思うのですが、それは獣医師擁護の儲け主義とお感じになりますか?


これでも、獣医師が儲けるための詭弁だとおっしゃるのでしたら、そう思わなくなるまでこの文章を熟読&朗読してみてください。


読書百遍、意自ずから通ず

と申しますから…。




なお、異論反論お受けいたします。


そのかわり、学術的なご指摘としていただけると幸いです。

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