次亜塩素酸水を学校や店舗、会社の室内に噴霧してはいけない理由

その他

次亜塩素酸を加湿器で噴霧するメリットが無いからです!

次亜塩素酸水で菌やウイルスがやられるなら、
ヒトや犬、猫といった動物もダメージを受けます!

ヒトや動物がダメージを受けないならば、
菌やウイルス対策になどなりません!

このように、酸化力で微生物を殺す物質は
効果がなければムダ!
効果があれば身体に有害!

よって、噴霧するメリットがありません!

コロナウイルスに効果があるかどうかなど、どうでもいい!

「次亜塩素酸水」の新型コロナウイルスへの有効性が確認されているかどうかにかかわらず
次亜塩素酸水を室内に噴霧して「空間除菌」しようなどということを試みるのは「直ちに」止めましょう!

【原理原則】

  1. 効果は量・濃度・頻度・期間で変わります!
  2. 効果の有無はHOCl、OCl-、Cl2といった遊離有効塩素
    (Free Available Chlorine:FAC)濃度によります!
  3. FACのうち、HOClは細胞の中に入れますが、OCl-は細胞の中に入れません。
    (※1 下記図解へ)
  4. 次亜塩素酸水の殺菌効果は主に非解離型次亜塩素酸[HOCl]が細菌に対して
    酸化作用を及ぼすと考えられています。
    (※2 下記図解へ)
  5. 次亜塩素酸ナトリウムの殺菌効果は、主に水酸化物イオン[OH-]と
    次亜塩素酸イオン[OCl-]が細菌に対して酸化作用を及ぼすと考えられています。
    (※3 下記図解へ)
  6. ウイルスは表面タンパク質やエンベロープに対して酸化作用が及ぼされると考えられています。
  7. これらのことは、細菌やウイルスだけに限った事ではなく、
    生物の細胞全てに当てはまります。
  8. 実際、次亜塩素酸は粘膜や皮膚にダメージを与える可能性があります!
  9. 身体に無害な消毒薬など存在しません!
  10. そもそも次亜塩素酸水は生物に使うものではなく、
    機械や家具などのモノに使うものです!
  11. 野菜などの消毒には認められていますが、【残留しないこと】が条件です!
  12. 殺菌作用はFACの作用によるので、次亜塩素酸水だろうが
    次亜塩素酸ナトリウム水溶液だろうが一緒なので、
    「次亜塩素酸ナトリウムは危険だが、次亜塩素酸水は安全」などという議論は無意味です!

ですから…

次亜塩素酸水を室内噴霧→のどがやられる!

●次亜塩素酸水のミストを吸い込んではいけません!
●上記ミストを吸い込むことで呼吸器系の障害が起こることがあります!
●次亜塩素酸水でうがいするのも止めましょう!
●次亜塩素酸水で手指消毒も止めましょう!→手荒れします!角質にダメージ!
  特に肌の弱い人・動物はダメージが大きい!→手荒れしないなら消毒作用も
  なくなっている!
●次亜塩素酸水を加湿器で室内噴霧して「空間除菌」も止めましょう!
●ウソ→「次亜塩素酸水は強力な除菌効果を持ちながらも人体には影響がない」
  →影響あります!
●ウソ→「次亜塩素酸ナトリウムは危険だが、次亜塩素酸水は安全」
  →両方とも身体には危険です!
●ウソ→「次亜塩素酸水は食品添加物の認可を受けているから安全」
  →口に入る前には除去されている必要があります!なぜって?危険だからです!

すでにやってしまっていたら…

もし、あなたが既にやってしまっていたら…
人は知らないことは出来ません。

あなたはおそらく危害を及ぼそうと思っていたわけではなく、よかれと思ってやっていたのではないでしょうし、専門家でもないのですから、過ぎた事は仕方ありません。
今すぐ止めましょう。

大切なことなので繰り返しますが、

酸化力で微生物を殺す物質は
===
効果がなければムダ!
効果があれば身体に有害!
===
よって、噴霧するメリットがありません!

そして、ネットの情報をうのみにする危険性を意識してくださいね。
何事もプロに確認する習慣は大事です。
大切なペットのためにも…


捕捉
※1 FACのうち、HOClは分子サイズが小さいことと、電気的に中性という性質から、細胞の脂質二重層を自由に通過可能なので、細胞内に入ることができます。しかし、OCl-はイオン化しているので、脂質二重層を通過することが出来ないので、細胞内に入る事が出来ません。
(図1)

※2 次亜塩素酸水の殺菌効果は主に非解離型次亜塩素酸[HOCl]が細胞膜などの脂質二重層や膜輸送タンパク質、細胞質に存在する酵素系、核酸(DNA、RNA)、リボソームなどの細胞の重要な組織に対して酸化作用を及ぼすことで発揮されると考えられています。
(図2)

※3 次亜塩素酸ナトリウムの殺菌効果は、主に強アルカリ性の水溶液に含まれる過剰な水酸化物イオン[OH-]が、細胞表面の細胞膜を構成する物質(不飽和脂肪酸、リン脂質、タンパク質、ムコ多糖など)を分解し、細胞表面の膜が弱まり、その隙間から次亜塩素酸イオン[OCl-]が細胞内に侵入すると考えられております。
(図3)

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