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薬草研究40年以上の薬草の達人に学ぶ「実際に山で実物を手にしながら学ぶ」「失敗しない薬草の選び方」勉強会
2012年6月に山形県で、薬草研究40年以上の薬草の達人に、「図鑑や本だけでは解らない!五感で体験する 季節の薬草講座」を、当院スタッフと一緒に、「直接」ご指導いただいてまいりました。
どんな風に学んできたかはまた機会を改めるとして、この記事では
「ガンには●●の薬草・ハーブ」
「アレルギーには●●の薬草・ハーブ」
という「キャッチーな情報」に触れたときに、どう解釈するかということに焦点を合わせてみたいとおもいます。
症状で薬草は決まらないとあれほど…わかりやすいキャッチーな表現の餌食になる…
よく
「●●の薬草がいい」
「●●のハーブがいい」
「●●の漢方がいい」
「●●のレメディがいい」
「●●のアロマがいい」
という「キャッチーで一見わかりやすい情報」は気になりますし、実際そういう情報も存在します。
そして、薬草やハーブの勉強をしていると、どうしてもそこに焦点を合わせてしまいがちになります。
「症状漢方・薬草・ハーブはダメだ!」と何度も師匠に怒られているのに、つい、ショートカットしたくなるという、怠惰な自分がいるのも自覚があります。
そして、その薬草やハーブを採ってきたり、煎じたりするのが良いとはわかっていても、いろいろな条件を検討するとなかなか大変だから、ついつい「それが入ったサプリメント」を選んでしまいがちです。
でも、そのサプリメントの中身は本来のものとは違う可能性があるし(実験研究で効果が出た濃度よりも薄い濃度で製造されているなど)、だから同じ効果をもたらすとは限らないし、さらに同じ症状だけれど、原因が違うことなんて、診療では普通にあるし、その同じ症状だけれど原因が違ったら「そもそもそのサプリを摂取する必要があるのか?」という、冷静に考えれば非常に当たり前の話を改めてご指導いただきました。
薬草の世界でも「条件が変われば結果は変わる」
このように、似たようなものでも、中身が違うなんてことは日常生活でもよくあります。
先程の「エビデンスを取る研究」で使用した量・濃度と、製品中の量・濃度が違うとか、抽出・製法が違うとか、知らぬ歯消費者ばかり…なんてこともあります。
自分で知識や情報を取りに行く習慣がなければ「そんなことがある」なんてわかりませんから、今日もテレビショッピングでは「こんな成分のサプリメントをこんな値段で提供してくれるなんて、なんて良心的な!(ワァー!スゴーイ!)」みたいな状況が繰り広げられております。
もしあなたが会場に行って舞い上がってしまったら、もう仕方ありませんが、距離があって、冷静になれる場合は、慎重に検討した方がいいし、「それだったら違うことに費用をかけた方がいいのでは?」なんていうことだってあるかもしれません。
科学の大前提に「条件が変われば結果が変わる」がありますが、薬草の世界でも全く同じことが言えるそうです。
・原料をどこで採取したか?
・いつ採取したか?
・どのように育った植物か?
・その商品管理法で良いのか?
・その加工の仕方で良いのか?
など、採取過程、加工過程で、まるで違うものになるそうです。
まぁ、そりゃそうですよね…。逆に同じと考える方がヤバイ…。
価格相応:安くていいものがあるは幻想でコストカットにも限界がある
今回の「図鑑や本だけでは解らない!五感で体験する 季節の薬草講座」で再確認したことは、
・いい薬草は探すのが大変
・使える薬草はそんなに多くは存在しない
・製品にするのには莫大な人的エネルギーが必要
・探す時間
・下処理
・抽出処理
・配合比を考える
・商品化
・機械化するには限界がある
・こんな思いを込めて作った薬草製品を安価で提供なんか出来ない
だから、同じ様に見えるものでも、価格に差があるわけであり、
「良心的な価格」が、必ずしも「良心的」とは限らない
安物買いの銭失いになる可能性がある
ことを改めて気付かされました。
買う理由が「値段」ならやめておけ 買わない理由が「値段」なら買っておけ
須崎の買う理由・買う基準で重視している言葉があって、それは…
- 買う理由が「値段」ならやめておけ
- 買わない理由が「値段」なら買っておけ
ーーー
「同じ様なものでも、まるで違うもの」
「価格相応の価値」
「うまい話には必ず裏がある」
ーーー
ひねくれすぎてますかね…?(笑)
あとは、価値不相応に価格をつり上げた商品を見極める眼を養うことも課題ですね。
つい、同じ様な成分のものだと、安くてメディア露出が多くて目立つものを選びたくなってしまいますが、落ち着いて考えてみれば、
●なぜ安いのか?
●なぜ安いのにこんなにバンバンCMが打てるのか?
などを考えると、冷静な判断ができそうです。
良心的は本当に良心的なのか?を冷静に検討する習慣を!
頭ではわかっているのですが、ついつい「安くていいもの」を探してしまいがちになるのもわかります。
そこで、こう考えてみてはいかがでしょうか?
そもそも「安くて妥協出来るもの」はあっても、「安くていいもの」なんかこの世に存在しない!、そのぐらいに割り切っていた方が健全なのかもしれません。
不要なものを次々と買って、ゴミが増えるなんて、本末転倒ですからね…
今後、いろいろな原料を検討する際も、今まで以上に「安さ」の魅力に負けずに、「何のためにそれを使うのか?」で判断・採用していこうと再確認するきっかけとなった研修でした。
「大量生産でコストカット!お客様に大還元!」は聞こえはいいですが…あえて触れられていないこともあるのでは?という話でした。
そもそも条件が違えば結果も変わるので、同じ病名でも必要な薬草は違うかもしれないし、量・濃度に調整が必要なのかもしれません。だから、条件が違う方の口コミは「参考にはなるけど、必ずしも役に立つとは限らない」という現実は頭の片隅においておいておきたいものです。
添付文書も大事だけれど、個体の条件に合わせて、結果が出るように使いこなす!はいつも重要な原則だと思います。
薬草成分にもお詳しいけれど、製品の作られ方までお詳しい先生にご指導いただける機会が得られて、本当によかったなと思います。
「良心的な価格」の神輿に乗っかるのは社会貢献になるかもしれませんが、まずは望む結果を出すことを最優先に考えたいなと改めて気付かされた研修でした。
また、8月か9月に行くことになっておりますが、もっともっとレベルアップしたいと思います。
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