犬猫のIBD(炎症性腸疾患)にキャッツクローは有効? 科学的エビデンスを解説!

犬猫のIBD(炎症性腸疾患)にキャッツクローは有効? 科学的エビデンスを解説!

消化器系(胃腸)

犬猫のIBD(炎症性腸疾患)にキャッツクローは有効? 科学的エビデンスを解説!


この記事の簡単なまとめ:キャッツクローは、2000年以上前から、中央および南アメリカのアマゾン地域の先住民族によって、炎症、アレルギー、喘息の治療に用いられてきた歴史があります。研究により、キャッツクローには抗炎症作用があることがわかっていますが、大腸炎モデルマウスキャッツクローを含むハーブ抽出液経口摂取させた研究で、炎症性サイトカインの産生量を減らして、大腸炎の症状を改善させました。このメカニズム、犬や猫のIBDケアにも応用できるのでしょうか?

今回は、2021年8月に発表されたキャッツクローの論文「Anti-inflammatory and -apoptotic effects of a long-term herbal extract treatment on DSS-induced colitis in mice fed with high AGEs-fat diet(高AGE脂肪食を摂取したDSS誘発性大腸炎マウスに対する長期ハーブ抽出物治療の抗炎症および抗アポトーシス効果)」について、キャッツクローのIBDへの応用に焦点を当てて、ご紹介いたします。

本文の後に理解度確認テストもありますので、復習にお役立てください。

読みにくかったり、わかりにくかったら、フィードバックで教えて下さい m(。。)m

なお、この記事は「こんな論文がありました」という紹介記事であって、なにかの販売目的だったり、これを使えば絶対に治るよ!という話ではございません。

「条件が変われば結果が変わる」「反応には個体差がある」「同じ原因でも違う症状、違う原因でも同じ症状」などの理由から、「具体的にどうするか?」は最終的には個々で異なりますので、判断・行動の一助になれば幸いに存じます。

目次

犬や猫のIBD(炎症性腸疾患)とは?

愛犬・愛猫が

「何度も下痢をする」

「ごはんを食べても痩せてしまう」

「血便が出る」

こんな症状に悩まされていませんか?

ひょっとしたらそれは炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)かもしれません。

IBDとは、腸に慢性的な炎症が起こり、食べたものの栄養をうまく吸収できなくなる病気です。

人間でも潰瘍性大腸炎やクローン病という病名で知られていますが、実は犬や猫にも同じような病気が存在します。

IBDの特徴

  • 慢性的に続く病気で、完全に治すのが難しい
  • 炎症が長期間続くと、腸のダメージが大きくなる
  • 適切なケアをしないと、免疫が過剰に反応し、さらに悪化する

特に小型犬やシニア犬は、IBDの影響を受けやすいと言われています。食欲が落ち、元気がなくなり、飼い主さんも心配でたまらなくなる病気です。

IBDの主な症状(慢性的な下痢、嘔吐、体重減少など)

IBDの症状は、軽いものから重いものまでさまざまですが、飼い主さんが最も気づきやすいのが下痢嘔吐です。

IBDの代表的な症状

慢性的な下痢(何週間も続く)
→ 水っぽい便、ドロドロした便、未消化の食べ物が混じった便
嘔吐を繰り返す
→ 食後すぐ吐く、泡状の液を吐く、胃液だけを吐く
体重が減ってしまう
→ しっかり食べているのに痩せていく
お腹を痛がる
→ 触ると嫌がる、背中を丸めて歩く
血便や粘液便が出る
→ 便に血が混じる、ゼリー状の粘液がついている

このような症状が 何度も繰り返される場合は、IBDの可能性が高い です。

また、お腹がゴロゴロ鳴る(腸が過剰に動いている) という症状もIBDのサインかもしれません。軽い症状のうちに対策することが大切です。

IBDの原因と考えられる要因

IBDの はっきりした原因はまだ解明されていません。しかし、多くの研究から 以下のような要因が関係している可能性が高い ことが分かっています。

遺伝的要因

特定の犬種では、IBDになりやすい傾向があります。

特に ジャーマン・シェパード、ボーダーコリー、シャーペイ などの犬種は、IBDのリスクが高いといわれています。

免疫異常

本来、体を守るはずの免疫システムが腸を攻撃してしまうことがあります。

これが続くと腸に慢性的な炎症が起こり、IBDにつながることがあります。

食事(高脂肪・添加物の多いフード)

ジャンクフードが人の体に悪いのと同じように、犬も質の悪いフードを食べ続けると腸に負担がかかります。

特に高脂肪・人工添加物の多い食事は、腸の炎症を悪化させる可能性があります。

腸内細菌の乱れ

腸の中には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」と呼ばれる3種類の菌が住んでいます。

このバランスが崩れると腸の免疫機能が低下し、炎症が起こりやすくなるという説があります。

環境要因(ストレス)

環境の変化やストレスもIBDの悪化要因の一つ

引っ越し、飼い主の生活リズムの変化、長時間の留守番などが影響することもあります。

不必要な化学物質

食事だけでなく、住環境中の化学物質が粘膜に影響を与えている可能性もあります。

TVCMもやっているルームスプレーをやめて、床を徹底的に掃除をしたら、IBDが改善したケースもあります(全てそうとは申しませんが、そんなこともありました)。

まとめ

「IBDはなぜ起こるの?」と考えたとき、「食事」「腸内環境」「ストレス」「遺伝」「化学物質」の5つが大きく関わっていることが分かります。

日頃の生活環境を見直すことが、IBDのケアにつながるかもしれません。

従来の治療法(ステロイド・免疫抑制剤)の課題

IBDと診断されると、多くの動物病院では「ステロイド」や「免疫抑制剤」を処方します。

確かに、これらの薬を使うと、炎症はすぐに抑えられることが多いです。

しかし、長期間使い続けることで副作用のリスクがあるのも事実です。

ステロイド(プレドニゾロンなど)の主な副作用

  • 食欲増加 → 体重増加や肥満
  • 多飲多尿 → 水を大量に飲み、頻繁にトイレに行く
  • 免疫低下 → 感染症にかかりやすくなる
  • 長期使用で副腎が弱る(クッシング症候群のリスク)

免疫抑制剤(シクロスポリンなど)の主な副作用

  • 嘔吐・下痢などの消化器症状
  • 免疫システムが正常に作動せず、細菌感染のリスクが高まる

薬をやめるとすぐに症状が再発する」という問題もあり、IBDの犬猫は「一生薬をのみ続けるしかないのか…?」と悩みを抱える飼い主さんも多いのです。

薬以外の選択肢を探している方へ

世の中にはさまざまな意見がありますが、あなたはひょっとして、こんなことを考えていませんか?

  • 「薬に頼らずに、できるだけ自然な方法でケアしたい」
  • 「腸の炎症を根本から改善したい」
  • 「愛犬の負担が少ないケアを探している」

そんな方に「選択肢の一つ」としておすすめなのが、「キャッツクロー」というハーブです。

キャッツクローには、大腸炎モデルマウスの実験結果ではありますが、腸の炎症を抑え、腸のバリア機能を強化し、免疫のバランスを整える働きがあることが示されています。

「ネズミと犬猫は違う!」というご意見もおありでしょうし、「同じほ乳類なら可能性はゼロではないかも?」というご意見もあると思います。

なにしろアマゾン川周辺では2000年以上の長きに渡って「抗炎症」のハーブとして使われてきた歴史があるので、「試す価値はある」という判断もありだと思います。

次の章では、キャッツクローがIBDの犬猫にどのように役立つのか?を詳しく解説します!

まとめ|犬猫のIBD(炎症性腸疾患)とは?

✅ IBDは腸の炎症が続き、慢性的な下痢や体重減少を引き起こす病気

✅ 原因は「食事」「腸内環境」「ストレス」「遺伝」「化学物質」 などが関与

✅ 従来の治療法(ステロイド・免疫抑制剤)は副作用のリスクもある

✅ 「薬に頼らないケア」も考えたい飼い主さんに、キャッツクローが選択肢の一つ

キャッツクローとは? IBDの犬猫にどう役立つのか?

キャッツクローは、アマゾンの熱帯雨林に自生するツル植物で、学名をUncaria tomentosa(ウンカリア・トメントサ) といいます。名前の由来は、葉っぱの付け根に鋭いトゲがあり、まるで「猫の爪」のように見えることから「キャッツクロー(猫の爪)」と呼ばれています

この植物は、何世紀にもわたり、南米の先住民たちが「薬草」として活用してきた伝統的なハーブのひとつです。

彼らは、キャッツクローをお腹の不調(胃腸トラブル)や関節の痛みに使い、体の調子を整えるために日常的に摂取していました。

キャッツクローが注目される理由

✔ 炎症を抑える(腸や関節の炎症を軽減)

✔ 免疫を調整する(過剰な免疫反応をコントロール)

✔ 腸のバリア機能を守る(腸壁を強くし、外部からの有害物質を防ぐ)

このような特性があることから、近年では IBD(炎症性腸疾患)や関節炎、アレルギー疾患 などの 「慢性的な炎症」 を伴う病気に対しての可能性が研究されています。

キャッツクローの主成分と働き

キャッツクローの 有効成分 には、いくつかの種類があります。これらの成分が腸の炎症を抑え、免疫を整える役割を果たすと考えられています。

キャッツクローの主な成分とその働き

オキシインドールアルカロイド(免疫を調整する成分)

✅ 免疫細胞(白血球)のバランスを整える

✅ 過剰な免疫反応を抑えることで、自己免疫疾患のリスクを低下させる

IBDの犬猫では、免疫システムが過剰に反応して腸を攻撃してしまうことが多いとされていますが、この成分が免疫の働きを正常化し、腸の炎症を抑えると考えられています。

クエン酸誘導体(抗炎症作用)

✅ 炎症を引き起こすNF-κB(エヌエフカッパービー)を抑制する

✅ 腸の炎症を沈めることで、慢性の下痢や血便を防ぐ

IBDではNF-κBという炎症を引き起こす核内の転写因子が活発になり、腸の粘膜が炎症を起こすことがわかっています。

キャッツクローのクエン酸誘導体には、このNF-κBを抑制し、その結果、腸の炎症を和らげる働きがあると研究で示されています。

フラボノイド & タンニン(抗酸化作用 & 腸の保護)

✅ 腸の粘膜を守り、腸壁を強化する

✅ 腸内の有害物質を取り除き、腸内環境を改善する

腸のバリア機能が弱まると、腸内の有害物質が血液に流れ込み、全身の炎症を悪化させる原因になる可能性があります。

フラボノイドやタンニンは腸の細胞を保護し、腸の粘膜を修復することで、腸の健康をサポートします。

科学的に示されている抗炎症作用

近年、キャッツクローの「炎症を抑える力」に関する研究が増えています。

特にIBD(炎症性腸疾患)と関係する腸の炎症に関する研究では、キャッツクローがどのように腸の健康を改善するのか が示されています。

キャッツクローの抗炎症作用の研究結果

📌 炎症の原因であるNF-κBの活性を抑える → 腸の炎症を和らげる

📌 IL-6(炎症を促すサイトカイン)を減少させる → 炎症の慢性化を防ぐ

📌 ミエロペルオキシダーゼ(MPO)の活性を下げる → 炎症細胞の働きを鎮める

このような効果により、IBDの犬や猫の腸の炎症を軽減し、下痢や血便の改善が期待できる と考えられています。

腸のバリア機能を守る仕組み

腸には「バリア機能」という外部からの有害物質が体内に入らないようにする仕組みがあります。

しかし、IBDの犬や猫はこのバリア機能が弱くなり、毒素や細菌が腸壁を通り抜けてしまう(=リーキーガット症候群)問題があります。

キャッツクローのバリア機能強化作用

✅ 腸の粘膜細胞を修復し、炎症を防ぐ

✅ ZO-1(ゾーワン)というバリアタンパク質を増やす

✅ 腸壁の透過性を正常に保ち、異物の侵入を防ぐ

キャッツクローは、腸の細胞を強くし、バリア機能を改善することで、IBDの犬や猫の腸を守る働きがあるのです。

免疫のバランスを整える可能性

IBDの犬や猫では、免疫システムが暴走して腸を攻撃してしまうことが原因のひとつと考えられています。

本来ならば「これは異物!攻撃しよう!」という免疫反応が適切にコントロールされるはずですが、IBDでは過剰に反応してしまい、腸が炎症を起こすとされております。

キャッツクローの免疫調整作用

✅ オキシインドールアルカロイドが免疫細胞のバランスを整える

✅ IL-6などの過剰な炎症を引き起こす因子を抑える

✅ 免疫の過剰反応を防ぎ、腸を守る

これにより、IBDの犬や猫の免疫システムを正常に戻し、炎症の悪化を防ぐ可能性があります。

まとめ|キャッツクローとは? IBDの犬猫にどう役立つのか?

✅ キャッツクローは、腸の炎症を抑えるハーブとして研究が進んでいる

✅ 主成分の「オキシインドールアルカロイド」「クエン酸誘導体」「フラボノイド」などが腸に良い影響を与える

✅ 腸のバリア機能を強くし、炎症を引き起こす物質(NF-κBやIL-6)を抑える

✅ 免疫のバランスを整え、IBDの悪化を防ぐ可能性がある

「愛犬愛猫のIBDに、薬以外のサポートを探している…」

そんな飼い主さんは、キャッツクローを試す価値があるかもしれません!

キャッツクローの研究結果(科学的エビデンス)

キャッツクローは、「腸の炎症を抑える」「腸のバリア機能を強化する」「免疫のバランスを整える」などの働きが期待されているハーブですが、それは単なる民間療法ではなく、実際の科学研究でもその効果が示されています

特に 炎症性腸疾患(IBD)に対するキャッツクローの効果は、いくつかの実験でも確認されています。

IBDマウスモデルでの炎症抑制効果

研究者たちは、IBDの研究に「DSS誘発性大腸炎モデル(マウス)」を使います。これは、人間のIBDとよく似た腸の炎症を人工的に作り出す方法で、炎症性腸疾患の新しい治療法を試す際に使われます。

DSS誘発性大腸炎モデルとは?

✅ DSS(デキストラン硫酸ナトリウム)という物質を飲み水に混ぜる

✅ 腸のバリア機能が破壊され、炎症が起こる

✅ 人間のIBDと同じような症状(下痢、腸の炎症、腸内細菌の乱れ)が再現される

この実験モデルを使い、キャッツクローの 抗炎症作用 を調べた研究では、次のような結果が確認されました。

📌 腸の炎症を引き起こす「NF-κB(エヌエフカッパービー)」が抑えられた

📌 炎症マーカーである「ミエロペルオキシダーゼ(MPO)」の活性が低下

📌 腸の傷ついた細胞が回復し、腸粘膜が正常な状態に戻るのを助けた

これが犬や猫のIBDにどう影響する?

犬や猫のIBDでは、腸の炎症が慢性化し、バリア機能が破壊されることが問題です。

キャッツクローがNF-κBを抑えることで炎症を減らし、腸の粘膜を修復する作用が期待できることが、この研究から示唆されています。

腸内細菌のバランス改善の可能性

IBDの犬や猫は腸内細菌のバランスが崩れている(ディスバイオシス)ことが多く、

✅ 「悪玉菌」が増えすぎる

✅ 「善玉菌」が減る

✅ 腸のバリア機能が壊れ、炎症が悪化する

という悪循環に陥っている可能性があります。

研究では、キャッツクローを与えたマウスの腸内で短鎖脂肪酸(SCFA)を作る腸内細菌が増えたことが確認されました。

短鎖脂肪酸(SCFA)とは?

腸のエネルギー源になり、腸の粘膜を修復する

✔ 腸のpHを弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑える

✔ 炎症を鎮め、腸の健康を守る

これにより、キャッツクローが腸内細菌のバランスを改善し、IBDの症状を和らげる可能性があることが分かってきました。

これが犬や猫のIBDにどう影響する?

キャッツクローが腸内細菌を整えることで、腸のバリア機能を強化し、炎症を軽減する可能性があります。

特に、「腸内細菌の乱れがIBDの悪化につながる」と考えている飼い主さんにとって、キャッツクローは有望な選択肢になりそうです。

炎症性サイトカイン(IL-6)の低下

IBDの犬や猫では、炎症性サイトカイン(IL-6)が過剰に分泌され、免疫の暴走が起こっている可能性があります。

炎症性サイトカイン(IL-6)とは?

✔ 体が炎症を起こしたときに出る「警報物質」

✔ 適量なら問題ないが、IBDでは異常に増え続ける

✔ 腸の粘膜を傷つけ、炎症を悪化させる

研究では、キャッツクローを摂取したマウスで、IL-6の分泌が大幅に低下 したことが確認されました。

IL-6が減るとどうなる?

✅ 腸の炎症が鎮まり、粘膜の修復が進む

✅ 免疫の過剰反応が抑えられる

✅ 下痢や血便の改善が期待できる

これが犬のIBDにどう影響する?

犬や猫のIBDでは、IL-6が慢性的に増加し、腸の炎症を引き起こしている可能性があります。

キャッツクローを適切に取り入れることで、腸の炎症を抑え、IBDの症状を軽減するサポートができるかもしれません。

まとめ:科学的に示されたキャッツクローの可能性

キャッツクローの研究から、IBDの犬や猫にとって有益な可能性がある3つのポイント が示されました。

✅ 炎症を抑える(NF-κBの抑制・MPOの低下) → 腸の炎症が沈静化する

✅ 腸内細菌のバランスを整える(善玉菌の増加・短鎖脂肪酸の増産) → 腸のバリア機能が強化される

✅ IL-6の低下(免疫の過剰反応を抑える) → IBDの悪化を防ぎ、症状の改善が期待できる

これらの科学的エビデンスにより、キャッツクローはIBDの犬や猫の健康をサポートする可能性があるハーブとして注目されている のです。

「薬だけに頼らずに、自然な方法で愛犬・愛猫のIBDをケアしたい…」と考えている飼い主さんにとって、キャッツクローは 試してみる価値がある選択肢のひとつ かもしれません。

キャッツクローをIBDの犬や猫に活用する際のポイント

キャッツクローは 「炎症を抑え、腸のバリア機能を守る」 可能性があるハーブですが、どのように取り入れるのがベストなのか?と悩む飼い主さんも多いはずです。

ここでは、IBDの犬や猫にキャッツクローを与える際のポイントを詳しく解説します。

適切な摂取量と注意点

キャッツクローは薬ではなくハーブなので、即効性は期待できないかもしれません。

しかし、毎日の食事に取り入れることで、体質を徐々に改善するサポートになるかもしれません。

「条件が変われば結果が変わる」のと「反応の個体差」があるので、やってみないとわからないのが正直なところです。

どのくらいの量を与えればいいの?

キャッツクローの適切な摂取量は、犬の体重や健康状態によって異なります。

以下は一般的な目安ですが、必ずキャッツクローの使用に詳しい獣医師と相談してから使用してください。

キャッツクローの目安量(粉末の場合)

✅ 体重5kg未満 → 1日 50mg〜100mg

✅ 体重5〜10kg → 1日 100mg〜200mg

✅ 体重10〜20kg → 1日 200mg〜400mg

✅ 体重20kg以上 → 1日 400mg〜600mg

ポイント

✔ 最初は少量からスタートし、徐々に増やす

✔ お腹の調子を見ながら、下痢や嘔吐がないか確認する

✔ 1日の摂取量は、愛犬・愛猫の体重に合わせて調整する

診療の現場では上記よりももっと多量に必要な場合もありますし、他の条件を変えると、上記のままでよくなったりと、やはり数字で表すのは難しいと個人的には思います。

注意点

✔ 妊娠中・授乳中の犬や猫には使用しない

✔ 持病(腎臓病・肝臓病・自己免疫疾患)がある場合は慎重に

✔ ワクチン接種前後は免疫に影響を与える可能性があるため避ける

キャッツクローは 自然由来の成分 ですが、体質によって合う・合わないがあります。

必ず少しずつ試しながら、愛犬・愛猫の体調に合った量を見つけていくことが大切です。

他のサプリや食事療法との併用は?

キャッツクローは腸の健康をサポートするハーブですが、単体で使うよりも「食事療法」や「他のサプリメント」と組み合わせると、より効果的 です。

IBDの犬猫におすすめの組み合わせ

✅ プロバイオティクス(善玉菌) 🦠

 → 腸内細菌のバランスを整え、腸の炎症を軽減

✅ オメガ3脂肪酸(EPA・DHA) 🐟

 → 腸の粘膜を保護し、炎症を抑える

✅ グルタミン(アミノ酸) 🥩

 → 腸の細胞を修復し、バリア機能を強化

✅ 低刺激・消化しやすいフード 🍚

 → IBDの犬は、消化に優しい手作り食や療法食を選ぶのが◎

組み合わせのポイント

✔ キャッツクロー+プロバイオティクスで「腸の炎症+腸内環境の改善」

✔ キャッツクロー+オメガ3で「炎症を抑えつつ、粘膜の修復を促す」

✔ キャッツクロー+グルタミンで「腸のバリア機能を守る」

キャッツクローを活用する際は、「腸の健康全体をサポートする組み合わせ」を意識することで、より効果的なケアができます。

獣医師と相談しながら取り入れる重要性

キャッツクローは、IBDの犬や猫にとって有望な選択肢のひとつ ですが、全ての犬や猫に合うとは限りません。

特に 持病がある犬猫、投薬中の犬猫、シニア犬猫 などは、必ず獣医師と相談してから始めることが大切です。

服薬している場合は、キャッツクローが薬の効果を下げたり、上げたりすることがあるので、必ずキャッツクローに詳しい獣医師に相談してください。

獣医師に相談すべきポイント

✔ キャッツクローを使っても大丈夫な体調か?

✔ 他の薬(ステロイド・免疫抑制剤など)との相性は?

✔ 愛犬愛猫の腸の状態に合わせた適切な摂取量は?

なぜ獣医師と相談が必要なのか?

✅ IBDの犬や猫は すでに薬を服用していることが多く、相互作用のリスクがある

✅ 体質によっては キャッツクローが合わない場合もある

✅ 獣医師のアドバイスをもとに 安全に取り入れることができる

こんな人は要注意!

「うちの子には薬が合わないから、勝手に薬をやめてキャッツクローに切り替えよう!」

→ これは危険な行動です。

ステロイドや免疫抑制剤は、急にやめると危険な副作用を引き起こす可能性があります。

薬は急に止めなくても、あとで身体の調整をすれば薬のダメージを克服できることもあるので、症状が落ち着くまでは、薬は上手に活用した方がいいと思います。

キャッツクローを活用する場合も、必ず「獣医師の指導のもと、徐々に取り入れる」ことを意識しましょう。

まとめ:キャッツクローをIBDの犬に使うときのポイント

✅ 最初は少量からスタートし、お腹の調子を見ながら調整する

✅ プロバイオティクス・オメガ3・グルタミンなどと併用するとより効果的

✅ 持病がある犬猫や薬をのんでいる犬猫は、必ず獣医師と相談してから始める

p>キャッツクローは、IBDの犬猫の腸の健康をサポートする可能性を持つハーブです。

しかし、単独で使うのではなく、適切な食事・サプリメントとの組み合わせやキャッツクローの使用に詳しい獣医師の指導のもとで活用することが大切です。

「愛犬愛猫のIBDを自然な方法でケアしたい…」

そんな飼い主さんにとって、キャッツクローは 試す価値のある選択肢のひとつ になるかもしれません。

まとめ – IBDの犬猫にキャッツクローは試す価値がある?

愛犬愛猫が慢性的な下痢や体重減少、血便などの症状に悩まされている場合、IBD(炎症性腸疾患)の可能性があります。

IBDは腸の炎症が続き、食べたものの栄養をうまく吸収できなくなる病気です。

IBDの犬猫にとって大切なこと

✅ 炎症を抑えること(腸のダメージを減らし、下痢や血便を防ぐ)

✅ 腸のバリア機能を強くすること(腸が異物に対して過剰に反応しないようにする)

✅ 免疫システムのバランスを整えること(自己免疫疾患の進行を防ぐ)

従来の治療ではステロイドや免疫抑制剤が使用されることが多いですが、副作用の心配や 「薬を飲み続けるのは不安…」という飼い主さんも少なくありません。

そこで、薬以外のサポートとして「キャッツクロー」が注目されています!

キャッツクローがIBDの犬に役立つ理由

キャッツクローには、腸の炎症を抑え、免疫のバランスを整え、腸の粘膜を修復する働き があることが研究で示されています。

キャッツクローの主な働き

✅ 炎症の原因となるNF-κB(エヌエフカッパービー)を抑える → 炎症の進行を防ぐ

✅ 腸の粘膜を保護するZO-1(ゾーワン)を増やす → 腸のバリア機能を強化

✅ 炎症を悪化させるIL-6(インターロイキン6)を減らす → 免疫の暴走を防ぐ

これらの作用により、キャッツクローはIBDの犬の腸の健康を守る可能性がある ことが分かっています。

「薬だけに頼らず、自然な方法で愛犬のIBDをケアしたい!」 と思っている飼い主さんにとって、キャッツクローは試す価値のある選択肢の一つかもしれません。

キャッツクローを試す前に知っておくべきこと

キャッツクローはハーブなので即効性は期待できないかもしれませんが、長期的に続けることで腸の状態を整えるサポートになる可能性があります。

キャッツクローを試す際のポイント

✔ 最初は少量からスタート(お腹の調子を見ながら増やす)

✔ サプリメントとして品質の良いものを選ぶ(添加物の少ないものを推奨)

✔ 他のサプリや食事療法と組み合わせると効果的(プロバイオティクスやオメガ3との併用)

✔ 持病がある場合や薬を飲んでいる場合は、必ずキャッツクローに詳しい獣医師に相談する

注意点

🚨 妊娠中・授乳中の犬猫には使用を避ける

🚨 腎臓病や肝臓病のある犬猫は慎重に

🚨 ワクチン接種前後は免疫に影響を与える可能性があるため控える

キャッツクローはあくまで「サポート」として活用するものであり、IBDの治療を完全に置き換えるものではありません

「薬をやめてキャッツクローだけにする」のではなく、食事療法や他のケアと組み合わせながら、獣医師と相談して取り入れるのがベスト です。

IBDの犬猫にキャッツクローは試す価値がある?

結論として、「愛犬・愛猫の腸の健康を自然な方法でサポートしたい」と考える飼い主さんにとって、キャッツクローは試してみる価値があるハーブのひとつです。

実際に須崎動物病院の診療でも活用してまいりました。基本的に毒性が低いので、いまだ事故は経験したことはありませんが、体重や体型よりも、体調や服薬状況により、適切な量が個々で変わるので、飼い主さんが適正量を決めるのはなかなか難しいと思います。

筋反射テストができる獣医師ならば、適量の仮決めがスピーディーにできると思いますので、ぜひ、活用してください。

キャッツクローが期待できること

✅ 腸の炎症を抑える → 下痢・血便の改善をサポート

✅ 腸の粘膜を修復し、バリア機能を強化 → 腸の健康維持につながる

✅ 免疫の過剰反応を防ぐ → IBDの悪化を防ぐサポート

こんな飼い主さんにおすすめ! ✔ 「愛犬のIBDを薬だけでなく、他の方法でもケアしたい」

✔ 「自然な方法で腸の健康を維持したい」

✔ 「ステロイドや免疫抑制剤の副作用が心配…」

キャッツクローは、IBDの犬猫の生活の質を向上させる可能性があるハーブ です。

「キャッツクローについてもっと知りたい!」と思った方は、ぜひ調べてみてください!

Q&Aコーナー:IBDの犬猫にキャッツクローは効果的?

🐾 ここでは、キャッツクローとIBDの犬猫についてのよくある質問に、一問一答形式でサクッとお答えします!

📌 本文を読んでいなくても、このQ&Aだけで大事なポイントが分かるようになっています!

キャッツクローの基本について

Q1. キャッツクローの抗炎症作用は、症状が酷くなる?落ち着く?どっち?

✅ A1. 落ち着く! → 炎症を引き起こすNF-κBの働きを抑え、腸のダメージを軽減することが研究で示されている。

Q2. キャッツクローは薬なの?

✅ A2. いいえ、薬ではなく「ハーブ」 → そのため即効性はないかもしれないが、長期的なケアに役立つ可能性がある。

Q3. キャッツクローはどんな働きをするの?

✅ A3. 腸の炎症を抑え、バリア機能を強化し、免疫システムのバランスを整える!

Q4. IBDの犬猫にキャッツクローを使うと、下痢や血便は改善するの?

✅ A4. 改善の可能性あり! → ただし、条件が変われば結果が変わるし、反応にも個体差があるし、すぐに効果が出るわけではなく、継続が重要。

キャッツクローの安全性について

Q5. キャッツクローを与えるときに、副作用はある?

✅ A5. 基本的には安全だが、まれに胃腸の不調(下痢や嘔吐)が起こることがある。そのため、キャッツクローの扱いに詳しい獣医師に相談するのがいい。普通の獣医師に相談すると「念のため止めましょう」になる可能性がある。

Q6. どんな犬猫でもキャッツクローを使って大丈夫?

✅ A6. いいえ! → 妊娠中・授乳中の犬、腎臓病や肝臓病の犬猫は要注意!上にも書きましたが、条件が変われば結果が変わるのと、反応には個体差があるのと、服薬状態でも変わるので、キャッツクローの扱いに詳しい獣医師と相談を。

Q7. キャッツクローは毎日あげてもいいの?

✅ A7. 少量ずつならOK! → ただし、体調に合わせて適量を守ることが大切。身体の状態については、何週間続けて何週間は休むが必要なこともあるので、やっぱりキャッツクローの扱いに慣れた獣医師に相談するのが一番!

Q8. キャッツクローを与えすぎるとどうなる?

✅ A8. 消化不良を起こす「ことがある」!でも、一袋全部一気に食べた子がいましたが、便が緩くなっただけで1週間ぐらいで元に戻っていました。ですから基本は → 少量からスタートして、お腹の様子を確認しながら調整。

キャッツクローの使い方について

Q9. どれくらいの量をあげればいいの?

✅ A9. 体重によるが、5kgなら50mg〜100mg程度が目安! でも実際は、個々の状態に合わせて決めるのがベスト!

Q10. すぐに効果は出るの?

✅ A10. いいえ、じわじわと効果を発揮するタイプ! → 1ヶ月以上の継続が理想。

Q11. どんな形で与えればいいの?

✅ A11. サプリメントや粉末をフードに混ぜるのが一般的!

Q12. キャッツクローだけを与えればIBDは治る?

✅ A12. いいえ! → 食事療法や他のケアと組み合わせることが大切。

キャッツクローと他の療法の組み合わせ

Q13. キャッツクローと一緒に与えると良いサプリは?

✅ A13. プロバイオティクス(善玉菌)・オメガ3(EPA・DHA)・グルタミン!

Q14. IBDの犬におすすめの食事は?

✅ A14. 低脂肪・消化しやすいフード(手作り食や療法食) → 胃腸に負担をかけない食事が◎

Q15. 薬と併用できるの?

✅ A15. 基本的には可能! ただし、必ず獣医師に相談してから使用すること!

キャッツクローを試すべきか?

Q16. 「薬だけでは不安…」と思っている飼い主は、キャッツクローを試すべき?

✅ A16. 試してみる価値はある! → ただし、獣医師のアドバイスを受けながら、安全に取り入れることが大事。

Q17. IBDが軽度の場合でもキャッツクローは使える?

✅ A17. 使える! → 早めに取り入れることで、腸の健康をサポートできる可能性あり。

Q18. 「愛犬愛猫のIBDが薬だけでは治らない…」と悩んでいる場合は?

✅ A18. キャッツクローを含めた「総合的なアプローチ」を考えるべき! → 食事療法、サプリメント、ストレス管理も大切。

まとめ:キャッツクローをIBDの犬猫に使うべき?

✅ キャッツクローは、腸の炎症を抑え、バリア機能を守る働きがあるハーブ!

✅ すぐに効果が出るわけではないが、長期的なケアとして試す価値がある!

✅ 薬と組み合わせながら、獣医師と相談しながら進めるのがベスト!

🐾 「愛犬・愛猫のIBDを少しでも良くしたい…」と思っている飼い主さんにとって、キャッツクローは試してみる価値がある選択肢の一つかもしれません!

この記事では、

論文:Anti-inflammatory and -apoptotic effects of a long-term herbal extract treatment on DSS-induced colitis in mice fed with high AGEs-fat diet.

Nutr Metab (Lond)
Fatemeh Azizian-Farsani et al.
2021 Aug 11;18(1):77.

DOI:10.1186/s12986-021-00603-x

について「キャッツクローのIBDへの応用」にフォーカスして紹介記事を院長の須崎が作成いたしました。

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