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様子をみて後悔!秋の体調不良がこじれる原因と対処法
秋になりました。
須崎動物病院では毎年恒例なのですが、秋(9−11月)になって、大きな台風が通過した後あたりから、「急に」体調不良になる犬猫の診療依頼が増えてきます。
症状は様々ですが、
- 急にくしゃみをする
- 急に鼻水が多くなる
- 急に咳をする
- 急に目やにが増える
- 急に涙焼けが出てくる
- 突然けいれん発作が始まる
- 突然まぶたが腫れた
- いきなり体中に湿疹がでてかゆみが出てきた
などが目立っています。
最初はまばらだった症状が、飼い主さんが様子を見ているうちに原因が増えたのかこじれてしまい、ずっと症状が出続ける状態までこじれてくる…
これがよくあるパターンです。
早期対応 vs 後手対応、愛犬愛猫の健康管理における最善策とは?
「借金」や「タバコの不始末問題」同様、なにごとも初期の方が
- 異物量を減らしやすい
- 症状の数が少ない
- 身体のダメージの蓄積も少ない
- なにかあっても余力と猶予がある
ので、早め早めの行動が吉です。
逆に対応が遅れると
- 異物量が増えすぎてしまい
- 生活環境からの異物補充の影響も大きくなり
- 症状の数も増え
- 身体のダメージの蓄積も多く
- 余裕がなくなるから飼い主さんも気が気ではない…
なんてことになりかねません。
ですから、何か症状が出てきたら、
- 様子を見ずに取り組みはじめて、「なんともなくてよかったねぇ〜?」状態にするか?
- 大ごとになってから取り組みはじめて、予約も取りにくく、仕事を有休消化しながら「症状は止まらない、診療予約も取りにくい」中で、ハラハラしながら順番を待つか?
どちらかといったら、どちらのタイミングで始めるのがいいか?
をなんでもないうちに決めておくことをオススメします。
事前にご自身で方向性を決めておけば、
- 例え結果がどうなっても
- 受け入れやすくなるし
- 後悔も少ない
かなと思います(診療経験上)。
須崎動物病院に「初めて」診療にお越しになる方の大半が「初動が遅れ」て、後悔している方が多いので、こんなことをお伝えしております。
イヤミで申し上げているのではないので、諸事情をご理解ください m(。。)m
『餅は餅屋』!原因探しは獣医に任せて家庭ケアに集中を
当院にいらっしゃる飼い主さんは、かかりつけの先生の所に行ったけれど、
- 「原因不明」
- 「よくわからない」
などといわれ、仕方なく当院にお越し下さいます。
原因療法的に身体を丁寧に調べると、実際に起こっていることは、
- 異物の侵入が増え
- それに対して、正常に白血球が戦って
- その結果炎症反応が起こって
- 目に見える症状が出ている
という状況の様です。
その中にはぴったり合う抗生物質などがわかれば、それですむ話のこともあります。
しかし、生活環境から原因が次々と補充されている状態ならば、また同じ症状や、違う場所に症状が出て、飼い主さんの悩みが深まります…
その辺の見極めは飼い主さんには難しいので、「餅は餅屋」の言葉がある通り、原因を探るのは原因を探れる獣医師にお任せし(症状では原因は決まらないから)、逆に日々の家庭ケアの「担当」は飼い主さんですから、その役割分担でがんばってください。
それを、原因を探るところで飼い主さんが「餅屋じゃない」のに何とかしようとすると、ほぼ
- 見逃したり、
- 漏れがあったり、
- 場所が違ったり、
- 優先順位が違ったりして
結果的に「初期の治りやすかった時期」が過ぎ去ってしまい
「こんなハズじゃなかった…」
と【自責の念にかられる事態】になってしまうことが多いので、そのあたりの役割分担は適切にお願いいたします。
後悔につながるから過信しないこと!
とくにこの時期は、様子を見たりしていると体力が消耗したり、急激に症状が悪化したりするようですから、急いで信頼できる獣医師の所に連れて行って、根本原因を探ってもらうことをオススメします。
『なんともなくてよかった!』を目指す早期対応の重要性
須崎動物病院には、症状がくすぶっていた時期があって、飼い主さんが様子を見ていたら急に体調が悪化した犬猫が連れて来られることが多いです。
あまりにもそんなケースが毎日続くので、たぶん、僕も偏っていたり、大袈裟に感じるような認識になっているのかもしれません。
一方で
自分の判断で様子をみて、
こじらせて、
よりによって最悪の事態になってしまい、
頭を抱えて後悔する
飼い主さん達須崎動物病院では沢山みすぎてきた経験から、
「あれっ?」
と思ったら、様子を見たりせず、即、行動されることをオススメしております。
そして、一番の理想は
急に症状出たから、大騒ぎしちゃったけど、結果的に一過性の反応で、なんともなくてよかったねぇ〜
そだねぇ〜
です。
初期対応が肝心!軽症のうちに原因を減らす理由
そして、再発防止の為に、忘れずに【同時進行】で、原因も減らしてみてください。
余力・体力があるうちに適切に原因を減らせると、症状が出る間隔が空き始めます。
これも「深刻な状態になってから着手する」のではなく、「初期」の「軽症」なうちからはじめると解決もしやすくなります。
同じ症状が再発する理由とその解決策とは?
症状が出たり出なかったりするのは、異物量コントロールが出来てしまえば【同じ事は繰り返されない】可能性が高くなるので、早め早めに「決断」し「行動」されることをオススメいたします。
【同じ症状がくり返される状態】は、逆に言うと原因が「増えて減らして、増えて減らして」をくり返しているので、まだ見込みがある状態だと思ってください。
秋の理想的な状態っ♪症状が出る理由を無くす!
そして最終的には、
- 普段から異物処理ができているので
- 一過性に異物量が増えても
- 自力で対処出来るレベルなので
- 症状が出てしまうレベルまで物量が増えないから
- なにもしなくても症状が出ない状態
を目指してくださいね。
秋の体調悪化を防ぐ!あなたの理解と賢明な判断が愛犬愛猫の健康を守る
ということで、秋の体調不良は【季節の変わり目】だから「気象病」のようなメカニズムで起こるのではなく
- 生活環境中の異物量が増えて
- その原因が生活環境から次々と補充されて
- 免疫システムが作動しっぱなしだから
- 症状がなかなか消えない…
という事態「かもしれない」ので、出来るだけ早い段階で「一過性の何でもないことだった」と確認をしてもらって下さい。
症状が出たばかりの初期に、飼い主さんが「様子をみる」に舵を切ると
「やっぱり(症状消えないから)診療お願いします。」とあとで気持ちを切り替えたとしても、もはやその時点では
- 異物量が増えすぎてしまい
- 生活環境からの異物補充の影響も大きくなり
- 症状の数も増え
- 身体のダメージの蓄積も多く
- 余力がなくなってくるから
- 最終的に克服できませんでした…
なんて状態になってしまった診療が少なくないので、出来るだけ早くチェックしていただき、「なんともなくてよかったね…一過性の出来事で良かったね…」と安心していただきたいと、日々感じております。
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