愛犬・愛猫の咳が止まらない…原因療法的な理由とケアのヒント

愛犬・愛猫の咳が治らない、止まらない…その理由とは?

愛犬・愛猫の咳が止まらないのは見ていて辛い…

飼い主さんにとって、愛するわが子の「咳が止まらない」という事態にご心配はいかばかりかと拝察いたします。
「すぐにでも症状を止めてあげたい…」というお気持ちはごもっともでございます。
そして、実際に止めていいと思います。
しかし、「安易にクスリを使って止めていいものか?原因を放置していいのか?」という新たなご心配をされる方もいらっしゃいます。

辛いのを無理に我慢させなくてもいいのでは?

これは私の意見ですが、咳が長く続く場合は、それだけでも体力が消耗しますので、、薬を使って症状を抑えるという選択肢はあっていいと思います。
ただ、飼い主さんの中には、「これは症状を消しただけで、原因が無くなったわけではないから、症状が無くなったからといって安心できるわけではない。」と、広い視点でお考えになる方もいらっしゃいます。

症状があれば必ず原因がある!

お察しの通り、「原因無き結果はあり得ない」わけですし、何か「解決すべき原因」があるからこそ、症状という「結果=目に見える現象」があるわけです。

安易な症状消しは、安易な借金に似たり…

私はよく診療でこんな例え話をします。

「お金が必要な状況だけど、サイフの中にお金が足りないときに、金融機関からお金を借りるという選択肢もあります。
でも、それをずっと続けるわけにはいきませんよね?
借りたら利息を払わないといけませんから、トータルとして返済額が増えます。
でも、「緊急事態やどうしようもないとき」は覚悟して借りて、早い段階で返済を完了させれば、ダメージは最小限で済むはずです。
でも、喉元過ぎれば熱さ忘れるで、さっさと返済しておけばよかったものを、ダラダラと借金を放置した結果、金利がかさんで、金利すら払えなくなってしまう…なんてことだってあり得ますよね?
原因療法も同じで、一番の理想的な流れと思われるのは、まず「根本原因を探り、それを取り除くこと」
その結果として「症状が出続ける理由が無くなるように導くこと」なのです。
ただ、辛い症状を我慢させるのも忍びないし、それが原因で命を落とすことだってあり得ますから、必要に応じて「一時的に症状を消す!でも、それは本質的に治った訳ではない!」と意識しながら、現在気になる「目に見える症状」を抑えることに取り組めばいいのです。」

と申し上げております。

咳は【侵入者】の存在を暗示しているのかも…

通常、咳が止まらないということは、呼吸器系に「何か」が進入した結果、呼吸器系のセンサーが作動し、なんとかして「何か」を排除しようと身体が反応している状況と考えます。 その「何か」は個々で異なるため、調べてみないとわからないのは当然として、通常原因がわかってそれを排除出来たら、最終的に症状は落ち着くはずです。

症状を消して、同時進行で原因も減らす!

この様に、「症状を抑える」という対処に「原因を追求し、それを排除したら、症状が出続ける理由が無くなる」というアプローチを加えることで、「一生薬を使い続けなくてはなりません」という状態からは脱出できる可能性が出てきます。
「咳が止まらない」
「薬を使うと止まるけど、薬を減らしたり止めたりするとまた咳が出るようになる」
という場合は、「根本原因」を探るという選択肢があることを覚えておいてください。

そうすることで、心に余裕ができ、パニクって思考のミス→選択のミス→行動のミスという連鎖にならずに済むはずです。

不安な飼い主さんにとって「賢明な判断」のヒント・参考になれば幸いです。

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