その「ヘルニア」は本当にヘルニアなのか?
この春、初診の方で「突然立てなくなった」というご依頼が多かったです。
ある方のコメントをご紹介いたしますと、
突然、足腰に力が入らなくなって、立てなくなったんです。
かかりつけの動物病院に行ったら「ヘルニア」と診断され、すぐに手術するよう言われました。
でも、手術させたくないんです。
周りでヘルニアの手術をした後、痛くて痛くて立てなくなった子達を沢山みてきました。
ですから、手術が万能ではないことを知っております。
中には麻酔のせいか、手術中になくなった子もいて、ますます不安でできません。
とのことでした。
万能の方法はないが出来る範囲でベストを尽くしてみる
もちろん世の中に万能の方法などございません。
また、ヘルニアの手術をした後、普通に生活している子もいますので、私自身は手術を完全否定する立場にもありません。
その前提の上で、当院には「手術以外の選択肢」をさがしていらっしゃる方が多いので、あの手この手で対処させていただいております。
奇跡ではなく、診療中に立ち上がることがある
あれこれやっておりますと、立てなかった原因が取り除かれるからなのか、診療中に立ち上がって歩き出す子がいます。
もちろん、しばらく立ってないので、フラフラしておりますが、前へ進もうと頑張るのです。
その時の飼い主さんと私達は、
アルプスの少女ハイジ 第48話「小さな希望」の名シーン
「クララが…クララが立ってる」
の様な感動を得るのです。
決めつけず「そんなこともある」は大事!
まさに原因も対処法も100頭いれば100通り(99通りではない)ですが、ペットたちを通じて、日々、様々なことを学ばせていただいております。
その中でも、このようなケースで多かったのが、腎・膀胱系を調整したら立ち上がったという事例でした。
何が原因で不具合が起こっているのか?がわかれば対処出来そうです。
須崎動物病院には、いろいろな事情を抱えた動物達が、これまたいろいろな想いを抱えた「あきらめない飼い主さん」達に連れて来られます。
そんな真剣な飼い主さん達と共に、これからも困難な課題に向き合い、一つでも多くの壁を乗りこえていきたいと思っております。