目次
- 1 脳は考えたことを現実に反映させる臓器
- 2 言葉→イメージ
- 3 言葉→イメージ→行動
- 4 イメージ→他人に伝わる→行動
- 5 他人を心配→自分もダメージ
- 6 眉間にしわを寄せた辛気くさい集団のお見舞い
- 7 本当は呪っているわけでは無く、アプローチの仕方に改善の余地があるだけ
- 8 ペットは飼い主さんの心情を敏感に察知する
- 9 シルバメソッド講師としても経験する、思考の適切化の重要性
- 10 私、心配性だから…はペットのためになるか?
- 11 心配性の人はどんな風に考えたらいいのか?
- 12 心配性では無い、解決思考の人と一緒にいる時間を増やそう!
- 13 あれダメ!、コレ危険!情報ばかりを集めない!
- 14 「あれダメ!、コレ危険!情報」の提供者へ
- 15 「あれダメ!コレ危険!情報」で心配・不安が多い方へ
脳は考えたことを現実に反映させる臓器
脳は考えたことを現実に反映させる臓器です。
ですから、
「普段、どんな言葉を遣うか?」
「普段、どんなことを考えているか?」
が、極めて重要です。
その人の思考習慣が行動に影響してきますので、逆に出ている結果を観察すると、その人が何を考え、口にしているかが推測できるのです。
言葉→イメージ
脳は、かけられた言葉を元にイメージを作り出し、そのイメージが行動に影響し、結果が変わってきます。
例えば、子供にどんな言葉をかけたらいいのか?という例で、子供が水の入ったコップを持ってくるときに、親が「こぼさないでね」と声をかけるか、「そっと持ってきてね」と声をかけるかで、結果が変わってくるという話があります。
それはなぜかというと、「こぼさないでね」と声をかけるとき、親も子も「こぼす状態」をイメージし、それを否定する思考手順を取ります。
逆に、「そっと持ってきてね」と声をかける場合は、双方が「適切に運ばれている状態」をイメージします。
言葉→イメージ→行動
脳繰り返しになりますが、「脳はイメージで考え、考えたことを現実に反映させる臓器」です。
脳でイメージを用いて考えた内容に基づいて身体に指令を出し、「考えた結果を得る」ための行動を促し、考えた通りの結果になり、「やっぱり」と言います。
もちろん、世の中にはいろいろな要素が絡み合っておりますので、かならずしもかんがえた通りの結果になるとは限りませんが、そうなる可能性は高くなります。
ですから、子供がこぼす状態をイメージしたら、子供はこぼさない様に努力しますが、中には考えた通りにこぼしてしまう子もいるのです。
この様に、普段遣う言葉、普段考えることは、私たちが得る結果に影響してくるのです。
ですから、「トラブル続き…」と悩んでいる方は、「トラブル」に繋がる行動を取ることに成功しており、その行動に繋がる様な思考をしていることが根本的な原因の一つとして考えられます。
イメージ→他人に伝わる→行動
以心伝心という言葉があります。
「自分の考えていたことが相手に伝わる」ということで、偶然かもしれませんが、家族や親しい仲で「あっ!今それ、私も考えてたぁ~っ!」なんてことがありますよね。そう、アレです。
先ほどの例で言えば、親の「こぼすイメージ」が子供に伝達され、子供の脳がそれを受け取り、思考と結果に影響されることがあります。つまり、「こぼさないでね」と言われると子供は「こぼすイメージ」を受け取り、中にはそれを現実に反映させる(=こぼす)子がいるということです。逆もしかりです。
そんなことから、どんな風に声がけするか、つまり、脳に何をイメージするか?は、相手の反応を引き出す際にとても重要だとされております。
もちろん、口に出さなくても、どんなことを考えて側にいるか?、接するか?はとても大事なのです。
他人を心配→自分もダメージ
心優しい人が、適切では無いアプローチで他人を思いやると、その影響は自分にも返ってきます。
「あの人、肝臓のダメージは大丈夫かしら…?」
と強く考えることは、相手に想いを伝えることになりますが、実はその思考のコピーは自分にも残ります。
その結果、他人のことを思いやっての「肝臓のダメージは大丈夫かしら…?」という心配なのに、「肝臓がダメージを受けているイメージ」が、その人の肝臓に影響してしまいます。
ですから、適切な言葉と適切な思考はとても大事なのです。
眉間にしわを寄せた辛気くさい集団のお見舞い
そこで想像してみていただきたいのですが、あなたが具合悪い時に、あなたの周りの人が全員、眉間にしわを寄せて、辛気くさい表情と、かすれるような声であなたに「大丈夫?辛くない?」などと声をかけて側にいられたら、あなたは元気になれそうですか?そして、嬉しいですか?
快方に向かう妨げになる様な「言葉」と「イメージ」を浴びせられるわけです。
僕なら呪いをかけられている様な気になるので、「あんたらがいると、その雰囲気でこっちまで具合悪くなりそうだから、どっか行って!」と思ってしまいます。
本当は呪っているわけでは無く、アプローチの仕方に改善の余地があるだけ
もちろん、その方達が心配して寄り添ってくださっているのはわかっていますし、それはありがたいことだと思います。
しかし「辛くない?」という声がけをするという事は、頭に「辛い状態」をイメージされているわけで、「言葉」と「イメージ」でその影響を受けたら、それだけで余計に具合悪くなりそうになるのは、予備知識があるからだけではないと思うのです。
こんなことから、「心配性」は、放置していると、他人だけで無く、自分にとっても良い影響は与えないのです。
ペットは飼い主さんの心情を敏感に察知する
お気づきの通り、動物は、飼い主さんの雰囲気を敏感に察知します。
そして、先ほど触れた通り、飼い主さんが頭で考えているイメージを読み取るとも言われています。
飼い主さんが「大丈夫?赤く腫れていない?」と心配するとき、脳では「赤く腫れている状態」をイメージします。
そんなとき、ペットは「自分の皮膚が赤く腫れているイメージ」を受け取るので、ひょっとしたらペットは「赤くなれっていうことですか?ご主人様…」と感じているかもしれません(もちろん、感じていないかもしれませんが…)
シルバメソッド講師としても経験する、思考の適切化の重要性
私は、1998年から、シルバメソッドという、アメリカ発祥の能力開発プログラムの公認インストラクターとして活動してきております。シルバメソッドはアルファ状態、シータ状態で眠らずに思考できる様なトレーニングをし、その状態で考えたこと、ひらめいたことを日常の問題解決に役立てる方法を学ぶコースです。
そんな中で、「望む結果に繋がる言葉遣いとイメージをしよう」をメインテーマに、普段遣う言葉や、普段考えるイメージが結果に与える影響の重要性をお伝えしてきました。
その視点から、心配性の方の相談にのっておりますと「病気になりたくない」「不幸せになりたくない」「貧乏は嫌だ」「がんになりたくない」と、「『●●ではない状態になって欲しい』と、『望む結果と真逆のこと』を否定するイメージ」をしている方がほとんどです。
前出の通り、「●●ではない状態」と言った場合、頭には「●●の状態」を思い浮かべますから、脳は「●●の状態」を達成するのに必要な行動を取ちがちになるのです。
もう、おわかりいただけましたでしょうか?
極端な例で申し上げると、心配性の飼い主さんが「死なないで。ねぇ、死なないで。」と発言したり、考えることは、ペットには「死ねっ!死ねっ!」と呪いをかけているのと同じだと言っても過言では無いということです。
そうならないために大切なことは、「理想的な状態をイメージし、そうなるように声がけする」ことです。
私、心配性だから…はペットのためになるか?
心配性の飼い主さんが、ペットのことを大切に思っていることは良く理解しています。
ただ、遣う言葉や想い方に改善の余地があることもまた事実です。
良かれと思ってやっていることが、状況によっては望む結果に繋がらないどころか、真逆の結果に繋がる可能性があることを知っておくことは大事だと思います。
そして、それに気付いたら、こう自問してみてください。
「私は心配性なんです…って、今まで言ってきたけど、これって、放置し続けて良いのだろうか?」と…。
これまでの診療経験からも、シルバメソッド講師としての経験からも、放置していて良かったケースって「リスクを想定して、それに対して対策を立てて、行動できる方」だけで、それ以外の方は、「考え方を変えた方がいいのでは?」と思うケースがほとんどでした。まぁ、大きなお世話なんですけれどね。
心配性の人はどんな風に考えたらいいのか?
飼い主さんとペットの絆が強ければ強いほど、ペットは飼い主さんの気持ちを読み取る様です。
もし、あなたが「自分は心配性だな…」と感じていらっしゃって、ペットに元気でいて欲しいのならば「病気にならないでね」ではなく、「健康でいてね」と表現する習慣を是非、身につけられることをオススメします。
そして、不安を解消するのに一番良い方法は「適切な情報を知ること」です。
心配性の人は、思考の中心に「不適切な情報」があり、それを軸に考えるから、どうしても「●●はイヤ!」的な考え方に支配されがちです。
心配性では無い、解決思考の人と一緒にいる時間を増やそう!
学んで知識が増えると、思考の選択肢が増えるため、適切に考えたり、表現できる様になります。また、知識量が増えると疑問が出てきます(疑問が出てこないうちはまだ十分な知識が無いことを意味します)。
その疑問を、解消して気持ちが現実的に軽くなるアドバイスをしてくれる、解決思考の方を探し、そういう方からいろいろと学んでみてはいかがでしょうか?
くどいようですが、大事なことなので何度も繰り返しますが、あなたが「●●にならないで」と言ったり、思ったりすることは、「●●になって」と言ったり、思ったりしているのと同じで、それがペットの体調に影響する可能性があるのだと理解しておいてください。
これを「オカルト」と一蹴しても良いのですが、「思い当たる節があるぞ…」と判断材料の一つとし、大切なペットのために、遣う言葉、普段考えていることを意識して選択を変えてみることは、損にはならないと思うのですが、いかがでしょうか?
あれダメ!、コレ危険!情報ばかりを集めない!
心配性の方は、「あれダメ!、コレ危険!情報」を集めることに情熱を傾けがちです。
情報提供者も、「こういう条件ではリスクが高まる可能性があります」と、注意喚起してくれる程度なら良いのですが、「絶対にダメ!」的な極端な情報提供をする方がいらっしゃるため、心配性の方はそれをついつい鵜呑みにしてしまいます。
月に明るい部分と暗い部分がある様に、物事には多面性があります。ペットに食べさせる食材についても、「ある条件では大丈夫だが、ある条件になるとリスクが高まる」ということはあっても、「ちょっとでも食べたら即死!」などというものは、スーパーでは販売されていません。
養命酒が健康に良いからといって、一日で二升も飲んだら、僕なら急性アルコール中毒になります。
何でも、適量というものがあります。
心配性な方は、「あれダメ!、コレ危険!情報」に接したら、「ちょっとでも摂取したら即死!」と考えるのではなく、「どのくらいの量摂取したらヤバイのかな?」と自問して調べていただきたいのです。
「あれダメ!、コレ危険!情報」の提供者へ
逆に、「あれダメ!、コレ危険!情報」の提供者の方は、このぐらいの量を摂取したら、症状に繋がる怖れがありますと提示していただきたいものです。
真面目な飼い主さんに判断基準を提供せず、いたずらに不安にさせ、混乱させる情報提供は、社会貢献にならないと、日々の診療を通じて感じております。
「あれダメ!、コレ危険!情報」を提供している方も、飼い主さんを「不安にさせてやれ!」とは思っていないハズです。おそらく、注意喚起のための情報提供なのだと思います。だとしたら、せっかく学んだことを「こういう状態のペットがこのぐらいの量を食べたらこんなことになる可能性があるらしいですよ」という形式で情報提供していただけたら、社会貢献になると思います。
ぜひ、情報提供のために書いた文章を再読し、「いたずらに飼い主さんを不安にさせて終わりになっていないだろうか?」と自問自答していただきたく、お願いいたします。
「あれダメ!コレ危険!情報」で心配・不安が多い方へ
まず、あなたが触れた情報が全てではないことを知っておいてください。
犬にキシリトールは有害でも、レタスに含まれるキシリトールが害を及ぼすには、体重1キロの犬が2キロのレタスを食べないとその量にはなりません。しかし、自分の体重の二倍のレタスを食べるということは、体重40キロのあなたが80キロ分のレタスを食べるのと同じで、キシリトールの害の前に胃が破裂するでしょう。
そう言われたら、笑って「なぁ~んだっ♪」と流せる様なことを不安に感じている飼い主さんが多いのです。
須崎動物病院では、悩める飼い主さんの選択肢を増やしたり、適切にものごとを解釈できる様に、さまざまなセミナーを開催しておりますので、自称心配性の方は、是非ご活用下さい。
また、「自分は心配性だ、マイナス思考だ、何かが起こるとテンパって頭が真っ白になって、何から手を着けたらいいのかわからなくなる…」などという方のために、シルバメソッドをお伝えしております。
どちらも、あなたのより良い人生、ペットとの生活にご活用いただければ幸いです。
あなたが不安でい続けることは、少なくともペットの健康に良い影響を与えないのですから…。