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須崎動物病院は特殊な動物病院
須崎動物病院は、連れてこられる犬猫の7−8割が余命宣告されていたり、西洋医学的に打つ手無しと判断された子達という特殊な事情があります。
ですから、通常のセオリー通りの動物医療ではなく、「それ以外の対応」や「妙案」を飼い主さんに望まれるので、はたから見ると「須崎動物病院 あやしい」という印象になるのはしかたない現実があります。
希望を持てて、後悔の少ない治療をおすすめします
僕自身は基本的には「スタンダードな治療を受けた方がどちらにしても後悔は少ないんじゃないんですか?」というスタンスです(驚かれるかもしれませんが)。
周りの反対を押し切ってまで、セオリー通りじゃない治療を選択し続けるのは、並大抵の精神力では難しいし、中途半端に取り組むくらいなら、「周りの協力を得られるような選択」をした方がいいと個人的には思うのです。
手術・抗がん剤はしたくない飼い主さん
しかし、特に、愛犬・愛猫が「がん・腫瘍」と診断されると、飼い主さんの中には「今までのいろいろな経験」から、
- 手術させたくない
- 抗がん剤使いたくない
- 薬漬けにしたくない
という思いが強くなる方もいらっしゃいます。
過去の経験からそう思う人もいる
周りはその人の事を思って「普通の医療を受けてよ」と説得したりするのですが、当の飼い主さんが「過去の経験から、そうは思えない」ということが実際にあります。
僕も今まで見送った親族の経験から、どちらかというとそちら寄りの考え方になりますが、西洋医学を完全否定したりはしませんし、実際にはやってみないとわからないのが現実だと考えています(どちら寄りにせよ)。
覚悟ができている人もいる
私の母は胃がんを患いましたが、そうなる前から
「私は延命しません。手術も抗がん剤も希望しません。ただ、痛いのだけなんとかしていただいて、緩和ケアだけお願いします。それ以上する必要はありません。」
とハンコ付きの書面を手渡しされていたので、担当医師に
「本当にいいんですか?」
と何度も言われ、僕もそれとなく母の説得を試みましたが
「ヒトなんてどうせいつか死ぬんだから、今までがんで亡くなった親族のあの様子を思い出したら、私は抗わずに天寿を全うしたい!」
と鉄の意志で断られたので、担当医師には
「先生のお気持ちはありがたいのですが、彼女の意志なので…」
とお断りした経緯があります。
でも、何もしないわけにもいかず、彼女が受け入れてくれる範囲でいろいろやって、最終的には
- 痛みなく
- 腹水もなく
- 苦しくもないから
- モルヒネもなく
最期まで意識はハッキリした状態で旅立ってくれたので、残された我々も特に後悔もなく、見送れた経験があります。
いろいろな考えがあるから尊重する
このように、いろいろな実体験から「無理に抗わない」という鉄の覚悟ができている人もいるわけで、そういう覚悟のできている人には周りの説得などムダなので「いろいろな考えがありますよね…」で感情を整理するしかありません。
覚悟するタイミングもなくがん宣告されることもある
でも、そんな覚悟をするタイミングもなく、愛犬・愛猫が突然のがん宣告をされたりすると、後悔や自責の念にかられる飼い主さんがでてくるのも、これまた珍しいことではありません。
個人的に「事実や正論を押し付けて諭す」というスタイルはあまり好きではなく、後悔を最小限にするのは「対話」だと思っているので(個々で違うかもしれませんが、肌感覚としてそう思う)辛い気持ちや、正直なところを吐露していただき、【希望の持てる治療と、後悔を最小限にするお手伝い】をさせていただいているつもりです。
そうすると、診療・電話相談において、次の様なご質問を非常によくいただきます。
私がこの子をがんにしちゃったのでしょうか?
「私が選択したレシピが問題だったのでしょうか?」
「やはり厳密に栄養計算しなければいけなかったのでしょうか?」
「非加熱食(生食)を食べさせていたから?」
「加熱食を食べさせていたから?」
など、いろいろな疑問・後悔の言葉に触れます。
確かに、がん・腫瘍になる原因の一つに食生活はありますが、それが「全て」ではありません。
反応には個体差がある
人間でも、駄菓子にカップラーメンの生活で何ともない人もいれば、普段は食材にかなり気を遣っているのに、ちょっと油断しただけで体調が悪くなる方もいらっしゃいます。
酒を飲んだから全員上機嫌になるわけでなく、反応はまちまちなのは、日常生活で経験しているとおりです。
この様に、「食事そのものの影響」もありますが、食べる側の「身体の反応性」によって、同じものを食べていても違う結果になるのは不思議なことではありません。
セミナー等でよくお伝えするのですが、病気になる原因は
- 食事が原因
- 食事も原因
- 食事は一切関係ない
の大きく3パターンが考えられます。
強い後悔や自責の念にかられたりしないでください
がん・腫瘍は原因が複雑ですから、「私がこの子をがんにしちゃったんだ…」などと思い詰めたり、自責の念にかられたりせず、担当獣医師との対話を通じて、「希望の持てる治療」「後悔の少ない治療」を選択してください。
もちろん、「食事以外の根本原因」がある「場合もある」ので、その究明とそれらの排除に取り組むという選択肢として「原因療法」もあることは頭の片隅に止めておいてください。
いずれにせよ、あなたと愛犬・愛猫にとって最善な選択がなされることを願っております。
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