この時期になると、
「ワクチンは毎年打たないといけないですか?」
「毎年打てという先生と、三年に一度でいいという先生がいるのですが…」
「抗体検査すればいいですか?」
といったご質問を
【山のように】
いただきます。
みなさん、
【抗体】
という言葉に興味津々のようですが、血液中の抗体なんかよりずっと大切な物があるってご存じでした?
そもそも、感染症ってどうやって成立するかを復習しましょう!
感染症が粘膜から侵入するステップ
01.病原性微生物が粘膜にやってくる
↓
02.粘液中の抗病原性微生物物質でやられる
↓
03.粘液中の中和抗体がくっつき、侵入できなくなる
↓
04.粘液で洗い流される
↓
05.それらをくぐり抜けて粘膜上皮細胞に接触
↓
06.粘膜上皮細胞に取り込まれて侵入
↓
07.粘膜上皮細胞内で攻撃を受ける
↓
08.それをかいくぐって粘膜上皮細胞内で増殖
↓
09.粘膜上皮細胞を破壊して全身に飛び散る
↓
10.血液中に侵入
↓
11.血液中で中和抗体がくっつき、処理される
という流れです。
このとき、ワクチンは
【血液中の抗体を増やす】
ためのツールですし、
【抗体価検査】
は、血液中の抗体量を調べる検査です。
決して粘液中の抗体量を調べる検査ではありません←コレ大事!
ワクチンは予習
そもそも、ワクチンは、
●事前に
●想定される異物を体内に入れ
●白血球に認識させ
●血液・組織中の抗体量を増やす予習
をしておくことに意味があります。
人間の試験に例えるならば、
●本番に強い子
●予習すれば突破できる子
●予習したのにダメな子
●予習段階で頭がパンクする子
といるように、
●ワクチンしなくても本番に強い子
●ワクチンすれば感染防御できる子
●ワクチンしたのに感染・発症する子
●ワクチンでやられてしまう子
がいるのです。
ところで、抗体があれば感染防御に役立つことは考えられますが、抗体がなければ感染防御できないと思い込まされていませんか?
抗体がないと阻止できない?
この様な犬猫を、須崎動物病院の原因療法的に調べてみると
確かに、
●肝臓そのものに問題がある場合
●肝臓周辺に問題がある場合
●肝臓から離れたところに問題がある場合
があり、
その部分の原因を探って取り除くと
肝臓の数値が基準値内に戻る…
そんなことがよくあります。
では、数値が下がりさえすればいいのでしょうか?
ワクチン接種したのに発症した…
よく、「インフルエンザワクチンを打ったのに発症した…」という声がありますが、上記のような理由から、そんなことは何も不思議なことではないのです。
ワクチンを接種したからといって、完全に防げるわけではないことは、あなたが日常で経験している通りです。
狂犬病ウイルスは、噛まれて感染するものなので、まだワクチンの意味があると思うんですけどね。
それはそれとして、ワクチンを接種したことがないのに発症したことがないケースの方が興味ありませんか?
インフルエンザワクチンを打ったことがないのになったことがない人
ちなみに、私(須崎)は、幼少期にワクチン接種したら、「激しい症状」が出たため、「この子は弱い子」というレッテルを親に貼られ、そのお陰で全てのワクチン接種をせずに済みましたが、いまだかつてインフルエンザに感染したことがありません。
だからなんだということではありませんし、私はワクチンを接種するなともしろとも申し上げませんが、私自身は本番に強いんだということなのかもしれません。
ということで、
●抗体価があるかどうか?
●三年に一度か、毎年か?
について、考えるヒントをお伝えしました。
あとは、飼い主さんご自身で結論を出してみて下さい。
もし、もっと突っ込んだ話を聴きたいということでしたら、こちらの教材をご活用下さい。