肝臓の数値が下がらない!薬を飲んでいるのに…(春薬膳)

原因療法

「沈黙の臓器」肝臓は問題があっても痛みはない

肝臓は病気になっても痛みが出ないので、
初期の肝臓トラブルでは目で見てわかるサインはほとんどありません。

ですから、定期的な血液検査で肝臓の状態を把握することはとても重要です。

では、肝臓の数値が高いとき、いったい体内では何が起こっているのでしょうか?

肝臓の数値が高いとき、何が起こっている?

血液検査の項目で「γ-GTP」「AST(GOT)」「ALT(GPT)」は、
肝臓の状態を把握する際に検査される血液中成分です。

これらは肝臓が障害され肝細胞が壊れると、血液中に大量に漏れ出すので、
肝機能検査に利用されています。

つまり、「肝臓の数値が高い」と言われたとき、
肝臓の細胞が破壊されている可能性が高いのです!

「AST(GOT)」と「ALT(GPT)」とは?

「AST(GOT)」と「ALT(GPT)」は、
どちらもタンパク質を分解してアミノ酸をつくる酵素です。

ALTはほとんどが肝臓に存在します。
一方、ASTは肝臓だけでなく心臓や赤血球、腎臓、筋肉などにも存在します。

ですから、
ASTとALTの両方が血液中で上昇している場合には
肝臓の病気が疑われますが、
ASTのみが上昇している場合には

心臓の問題や筋肉の破壊などを疑います。

では、肝臓の薬が「効く」とは
いったいどんな理由で「効く」のでしょうか?

肝臓の薬が「効く」理由

肝臓の薬として代表的なものが「ウルソ」でしょう。
【ウルソは肝細胞の破壊を食い止める薬】
なので、

のんでいれば数値の上昇=肝細胞の破壊は最小限にとどめられますが、
のみ忘れたら幹細胞破壊の原因が残っていれば数値は高いままです。

つまり、【のんでいるときには効きますが、のみ忘れたら効かない】そういう薬です。

つまり、本質的に解決する薬ではなく、検査数値を整えるだけの薬です。

と申し上げると、「服用する意味は無いの?」そんなふうに感じるかも知れません。

肝臓の数値を下げることに意味はないのか?

「AST」と「ALT」値が上昇することは
肝細胞の破壊が起こっていることを意味します。

肝細胞が破壊されれば、
●新しい肝細胞の増殖

もしくは、

●すき間埋めの組織(結合組織)に置き換えられる
などに変化します。

ですから、破壊された肝細胞が
新しい肝細胞に置き換わるならいいのですが
すき間埋めの組織に置き換わると
本来の肝臓の機能をしない部分が増えるため、
それが続くと、やがて肝硬変になる可能性があります。

そういう意味では、肝臓の数値を下げることに意義はあるのです。

しかし、本質的な解決ではないこともおわかり頂けたと思います。

肝臓の細胞を破壊する原因は残しつつ、
肝臓の細胞を破壊しないようにする薬…
これを続けたら一体どうなるのでしょうか?

また、肝臓の細胞が破壊されなければそれでいいのでしょうか???

それは、飼い主さんが望む結果なのでしょうか???

肝臓の数値が下がったらそれは治ったのか?

上記の説明で示した通り、
肝臓の薬で数値が下がったとしても
それは肝細胞の破壊が起こっていないことを
意味するだけで、
元々肝細胞の破壊につながる原因が無くなった
ことを必ずしも意味するわけではありません。

実際に、
のめば数値が下がり、のむのを止めれば数値が上がるなら、
問題は解決していないと考えられます。

では、原因療法的に「肝臓の数値が高い」を調べると
どんなことがわかるのでしょうか?

原因療法的に探ってみると…

この様な犬猫を、須崎動物病院の原因療法的に調べてみると
確かに、

●肝臓そのものに問題がある場合
●肝臓周辺に問題がある場合
●肝臓から離れたところに問題がある場合
があり、

その部分の原因を探って取り除くと
肝臓の数値が基準値内に戻る…

そんなことがよくあります。

では、数値が下がりさえすればいいのでしょうか?

数値合わせだけをすると…

●症状の有無
●数値を基準値内にあるかどうか

だけを判断基準にしていると、
根本原因がそのままになっていることがあります。

ですから、
「数字合わせが出来ればそれで良い!」
という価値感の方には、つじつまが合えばいいのでしょう。

しかし、
「数字合わせには興味はない!本質的な解決をしたい!」
という価値感の方には、薬で数字合わせをするだけでは
望む結果が得られたとは言えません。

肝臓の薬を飲んでいるのに肝臓の数値が下がらない!

もし、
【肝臓の薬をのめば数値が下がり、のむのを止めれば数値が上がる】なら、
本質的な解決が必要なのかも知れません。

まして、
【肝臓の薬を飲んでいるのに肝臓の数値が下がらない!】
という場合は、

【根本的な問題が放置されている!】
ことを意味している可能性が高いです。

では、どの様に対処したらいいのでしょうか?

対処法

その場合、本当は、
東洋医学的に原因療法を行っている動物病院に診ていただくのが
ベストですが、それがすぐには叶わない場合は、
まずは春薬膳と肝臓の薬の服用を併用し、
一ヶ月程度様子を見て下さい。

それで解決しない場合は、
食事では解決出来ない問題があると判断し、

●対症療法で数字合わせをする
●根本原因を探ってもらって取り除く


どちらでも結構ですから、対処していただければと思います。

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