大阪診療に再診でお越し下さった飼い主さんから、「腫瘍が消えました。」といううれしいお知らせをいただきました。
というもので、今年の8月に大阪移動式診療所に来られました。
そして、前回の処置と、その維持で、2~3週間で新たにできたシコリが消えて無くなったそうです。
肥満細胞種は出来たら次々切るしか無いといわれているにもかかわらずです。ですから、普通に考えたらこの現象はおかしいのです!
「肥満細胞腫も必ず治る」と受け止められると困るので、あくまでも今回は「たまたまの偶然」で幸運な例だとお伝えしておきます。
通常「ガン・腫瘍」と診断された場合、多くの飼い主さんが「絶望の淵」に立たされてしまいます。
まして、余命宣告などされたら、前向きな気持ちで治療に取り組むのは難しくなります。
「もう治らないんだ…、このクスリを使っても延命だけなんだ…」
「この子はこれから苦しんで死んでいくんだ…。」
「もう、一緒にいる時間が半年なんだ…」
当院は、そこから「さらにこじれたペット達」がやって来ることが多いので、正直
「もう少し早く来ていただけたら…」
「強いクスリを使ってもどうにもならない状態から、身体に優しい療法は順番が逆なんだけれどなぁ」
と思うことも多々あります。
それでも過ぎたことは仕方ないので、いつでも今からできることに全力を注いでおります。
ですから、こういう「たまたま偶然」の改善は嬉しいですね。
これをやれば絶対治るというものはありませんが、やはり、
●症状の原因を探り
●体内から原因を排除し
●体内への再侵入を防ぎ
●体内修復
が進めば、身体は正常に戻る可能性があるのだなと、改めて感じました。
反対に、
●原因が探れない
●原因部位もわからない
●体内から排除できない
●体内への再侵入も防げない
●体力の底上げが出来ない
●食欲が無い
●飲まない
●歩かない
●適度なリラックスが出来ない
という条件だと、かなり厳しいかもしれません。
この子は、だいぶ元気になったようですが、まだ症状が落ち着いただけで、原因の火種はまだ残っていると診ました。(私の見立てでは)
ですから、「ここで油断したら、また元に戻る可能性があるので、シコリが消えて元気になったからといって、まだ油断してはいけませんよ。」とお伝えしておきました。
きっと、ベストを尽くしてくださることでしょう。
それにしても、よかった。