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黄砂と健康:なぜペットも影響を受けるのか
最近の黄砂は平安時代の黄砂とは違って、大陸の方から化学物質や重金属、はたまた病原微生物を一緒に日本へ運んできていて、それを日本人が吸うことで、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、鼻血、目ヤニ、発熱などの症状が出る人が増えて来て、花粉症は本当に『花粉』が原因なのではなく、偏西風が黄砂とともに運んでくるものが原因ではといわれているそうですが、本当ですか?
みたいなご質問をよくいただく様になりました。
ペットが示す環境ストレスのサイン
この春診療にいらっしゃった飼い主さんは、
「昨年まで何ともなかったのですが、今年から花粉症になったんです。そして、私の調子が悪いと、この子(犬・猫)の体調も悪くなるのです。何か関係があるのでしょうか?」
という方もいらっしゃいます。
方針としては、何が入ってこようとも、処理能力の範囲内におさえられるように、普段から異物量が増えないようなケアを心がけておくことです。
「私の体調が優れないと感じると、翌日にはこの子の体調が悪くなるので、動物病院に行くタイミングは遅れない様になりましたが…。」
と言われるのですが、動物病院に行かなきゃならない様になる前に、何か手を打っておきたいものです。
須崎動物病院のアプローチ: 原因療法の重要性
須崎動物病院では、原因療法を通じて「何が根本原因でこの症状が出ているのか?」を探る診療をやっておりますが、目立つ原因と、重要だけれど目立たない原因がある印象をもっています。
疑わしい異物をみつけたら、「何を使ったら減らせる可能性が高いか?」を探り、必要かつ適切な身体の調整をすると、大抵原因は減ってきます。
減らなかったり、増える場合は、生活環境から補充されている可能性があります。
もちろん、正解のない中、「症状を消して安心する動物医療じゃない、原因を取り除く動物医療をお願いします。」というご依頼なので、当然標準治療とは異なることをします。
同じ原因でも違う症状になったり、違う症状なのに同じ原因だったり、反応にも個体差があり、「柔軟な思考と臨機応変な対応」で取り組んでいる状況ですが、症状を消す対処をせずに症状が落ち着くと、ホッとします。
この時期、「急な体調不良」で頭を悩ます飼い主さんも多いかと思いますが、何とかして原因を探ってもらって、排除して、元の元気な姿に戻っていただきたいものです。
予防策と対処法: ペットの健康を守るために
特殊なことをやらないで出来ることとしたら、黄砂やPM2.5の情報サイトを「複数」ウォッチし、黄砂やPM2.5の酷い日は、散歩を控えるとか、帰ってきてから洗うとか、何かのアクションが必要かもしれません。
免疫力の誤解とペットにおける免疫力の真実
なお、よく「免疫力を高めよう!」というスローガンを耳にしますが、免疫力を高める製品が常に効果的とは限らないことが、当院での「サプリ・食事の適合性チェック」で明らかになっています。
市場で人気のあるこれらの製品は、必ずしも犬猫に必要ではなく、場合によっては過剰な使用が問題となっていることもあります。
花粉や黄砂、PM2.5など、まだまだ人の分野でも解明が進んでいない中、動物への影響はまだまだ不明な点が多い状況です。
しかし、体内から減らしたり、生活環境から減らすことで実際に改善している犬や猫がいるということは、それが全てではないかも知れませんが、原因のひとつかもしれません。少なくとも「そんなことはありえない!」は科学的に根拠のない反応だと思います。
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