獣医師にレントゲン検査等を経た上で「ヘルニア」と診断されるケースでも
よく調べてみれば、ただの「ぎっくり腰」ということがあります。
もし、ぎっくり腰だった場合、本当ならする必要の無かった手術をして、手術後に「痛み緩和」の生活に突入するというケースもございます。
そんな状態になってしまったペットの飼い主さんに
「なんで慌ててそんな手術しちゃったんですか!」とは申し上げにくいのです。
もっとも、うちには「そういう子」が集まるだけなのかもしれませんが、
「こんなこと『も』ある」ということを知っておかれることも、よろしいかもしれません。
冷静に考えてみれば、人間はヘルニアに自然発生的になりやすいのですが、犬や猫などの四足獣は、何か強い衝撃があれば別ですが、自然発生的にヘルニアにはなりにくいのです。
と申しますのも、人間は背骨の長軸が重力方向にあるため、自然発生的にヘルニアになれるのですが、四足動物の背骨は重力方向に無いため、自然発生的にヘルニアになるのは難しいのです。
と申し上げると、「ミニチュアダックスは胴が長い犬だから、背骨や腰に負担がかかるからヘルニアになるのでは無いですか?」という返答を下さることがあります。
確かに、一般的にミニチュアダックスも「胴が長い犬」と言われておりますが、それは頭からシッポの方向に視線を送るからそう思うだけで、上から下に向かって(鉛直方向)視線を送れば、「足の短い犬」です。
「胴が長いからヘルニアになりやすい」
と、なんとなく納得してしまう、特に根拠の無い話しを「真実だ!」とレッテルを貼り、心の中心に置いてしまうと
「ミニチュアダックスやコーギーはヘルニアになりやすい」と信じ、その偏見で全てを判断してしまうかもしれません。
今回ご紹介するお話は、現在進行形のお話ですが、
「ヘルニア」と診断され、手術を勧められたた犬が、実は原因があってのぎっくり腰だったというお話です。
当院では珍しくないケースなので、何でもないうちに、知っておいていただきたいなと思っております。
そして、ご存じの上で手術を選択していただきたいなと…。
もちろん、本当のヘルニアの場合もございますので、その辺は、かかりつけの獣医師を信じて、必要な処置・対応をしてもらってください。
この記事が「何か」あったときに、適切な解釈・判断・行動が出来るための、一助になれば幸いです。
それでは、実際の飼い主さんのブログをご覧下さい。