標準治療で行き詰まったら視点を変えて原因療法で新たなアプローチ

原因療法

標準治療で行き詰まったら視点を変えて原因療法で新たなアプローチ

原因と症状が全く別のところに!

よく、「ストレスで『円形脱毛症』になる」という話を聞きますが、この場合、頭皮の脱毛箇所がストレスを強く感じているのでしょうか?

違いますね。脳のある部分が強くストレスを感じ、その脳内のストレスを感じた部位とは離れた頭皮にその影響が及び、脱毛する…。
つまり、根本的な原因のある部位(脳)と、症状が出る部位(頭皮)が異なるケースがあるのです。

その皮膚病は本当にアレルギー?原因療法的に考えるべき理由

須崎動物病院には、何年も皮膚病を患った子が転院してくることが少なくありません。
そういう飼い主さんは大抵、「何年も」「うちの子はアレルギーだ」と信じて来られているので、「アレルゲン検査」の結果などを熱心に語って下さいます。
しかし、原因療法的に考えると、「同じことを何年もやってきて、望む結果が得られていない」のであれば、違うアプローチが必要なのかもしれません…と感じます。

アインシュタイン氏の名言に、「狂気とはすなわち同じことを繰り返し、違う結果を期待することである」というものがあります。

ですから、違う結果を期待するならば、「違うこと」をやってみる柔軟性は問題解決するうえで、とても大事なんですね。

標準治療では解決しない病気にどう対処するか?

須崎動物病院にお越しになる飼い主さん達は、
・標準治療
・セオリー通りの診療
・「普通の診療」
では、行き詰まったり、出来る事はありませんと言われた方がほとんどなので、「標準治療」とか、「セオリー通りの診療」とか、「普通の診療」をそもそも望まれておりません。

「なんでもいいから、今までとは違うことで、問題解決に繋がること」を求められます。

通常の標準治療はどこででも受けられるので、違うアプローチを希望されますから、こちらもいろいろな技術や知識を身につけておかないといけません。
そのことに苦痛を感じないから、この仕事ができているのだとは思いますが…。

一見わかりやすい情報に惑わされてこじれていく…

先日も、上の様なケースの診療があり、身体を探ってみますと、(そのケースでは)腸の一部分に強い反応が疑われました。
そこで、その話をしたら「乳酸菌のサプリは食べさせているのですが…。」という返答がありました。

「腸の状態を改善する場合、乳酸菌を食べさせさえすればいいという簡単な話ではなく、原因に応じた対処が必要なことがあるんですよ。」
とお伝えして、その場で調整させていただき、自宅でケアしていたところ…三週間程度で

●皮膚の痒みが落ち着いた
だけでなく、
●口の周りのかゆみが無くなった
●オナラ・うんちのニオイが気にならなくなった
と変わったそうです。

「なんで、こんなに一気に解決するんですか?」
と言われましたが、原因の優先順位を見極めるのが僕の仕事ですし、根本原因が外れれば、今回のように「そこから先」が全部、一気に解決してくれることがあります。

「偶然」だとは思うのですが、日々、貴重な経験をさせていただいております。

個体差を考慮した原因療法で寄り添う動物医療

原因療法は、目の前の動物と「対話」しながら、「個体差」を考慮して進めて行くので、完全オーダーメイドの診療であり、それゆえデータ化しにくく、エビデンスと言われても困るのですが、統計学的なデータに基づいた診療を希望されるなら、うち以外ならどこででも受診できます。

でも、それで行き詰まったり、こじれたり、余命宣告されて「他の選択肢」を探している飼い主さんのために、日々技術を磨きながら、対応させていただく準備をしております。

僕自身も、西洋医学的な対処が合わないことがある体質なので、お気持ちはよくわかります。
だからこそ、頭ごなしに否定したりせず、僕同様に「変わった考えをもつ人」に寄り添った診療ができると思っております。

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