検査結果に一喜一憂しない

診療

まずはじめに、
2010年12月に出版させていただきました
「かんたん!手づくり猫ごはん(ナツメ社)」ですが、
なんと、発売開始1ヶ月で増刷となりました。

そして、
「読者の知りたいことを予めアンケートで集めてそれに応える方式」
にご興味を持っていただいた
新聞社や出版社の取材も多数いただきました。

本当にありがとうございました。

さて、検査結果の話です。

私たち人間も、イヌもネコも、絶えず変化して生きています。
決して同じ状態でいるわけではないのです。

ですから、血液の状態も、刻一刻変化します。

ただ、ある程度の範囲に収まっているので、
身体が見かけ上同じ様な状態を維持できている
とお考え下さい。


もちろん、何らかの感染や異物の侵入があれば、
白血球などが対処しますから、
一時的に数値が乱れることはあるかもしれませんが、
しばらくすれば元に戻るものです。


当院に、
「うちの子が突然咳をし出して、動物病院に行ってレントゲンを撮ってもらったら、肺に影があるので、肺炎か肺の腫瘍かもしれないと言われたんです(涙)。」
という方がいらっしゃったことがあります。

しかし、よくよく伺ってみると、
その前に飼い主さんのご家族全員が熱と咳が出て寝込んでいた
なんていうことがあり、
実際にイヌの原因を探って排除させていただいたところで、
もう一度かかりつけの先生の所で検査していただいたら
「正常ですね。」
と言われたそうです。


恐らく、その動物病院の先生は、
キチンと解説してくださっているはずなのですが、

飼い主さんは
「肺ガンかもしれない…。」
で頭がいっぱいになってしまい、
重要な言葉が頭に残らなかったのかもしれません。


検査結果は、その時点での結果であり、
体調で変化しうるものです。


このことがわかっていると、
検査結果に一喜一憂せずにすむのですが、
どうしても振り回されてしまうことが少なくありません。

ですから、
1回は「この検査の意味は?」をある程度正確に学んでいただけると、
担当獣医師の説明も、落ち着いて聞けるのではないかと思います。


しかし、経験のないことを文字だけで学ぶのは難しいことですから、
かかりつけの先生に「今更なんですが…」
と伺ってみてはいかがでしょうか?

きっと、喜んで教えてくださると思いますよ。


がんばってください。

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