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口がヌルヌル&クサイはヤバイ!
「うちの子、お口クサイ…」
「犬の食器が唾液でヌルヌルしていて、
洗ってもなかなか取れない…」
これが、
「当たり前」
と思っている飼い主さんが
結構いらっしゃいます。
しかし、これは歯周病の前段階か、すでに歯周病になっているサインかもしれません。
これを放置知るとどんなことになる可能性があるかというと…
1)全身麻酔で歯周病治療 or 抜歯
診療には大体こんな風になって大後悔する飼い主さんがやって来るのですが…
歯周病を放置すると「全身麻酔で抜歯」しなきゃならない可能性が出てきます。
ただでさえ「全身麻酔は不安…」という飼い主さんが多い中で、その全身麻酔をしなければいけなくなるという「そんなことならやっておけば良かった…」と後悔する方が多数です。
歯みがきはストレスになるから…と日々のストレスに配慮した結果、「全身麻酔で抜歯」という割に合わない結果になり、そこでやっと飼い主さんは気付くのですが、そうなる前に気付く方が良いのではないかと思うのですが…
2)歯周病菌が全身に拡がり様々な病気に…
まぁ、抜歯ぐらいで済めばいいのですが、歯周病菌が歯の根元から血液を介して全身に拡散されれば、どこで何が起こっても不思議ではありません。
腎臓病になるかもしれない
心臓に不具合が生じるかもしれない
肝臓に問題が生じるかもしれない
甲状腺に問題が生じるかもしれない…
本当にどこで何が起こるか予測不能です。
歯みがきを主体としたお口ケアを怠り、口臭とだ液のネバネバを放置することで、「人間同様」に、こんなことになる可能性があるのです!
3)歯の根元が腐ってアゴや顔の骨も腐る…
そして、歯の根元が腐って「歯瘻(しろう)」という状態になると、アゴや顔の骨を整形外科的に大がかりな手術をしないといけなくなる可能性があります。
●目の下が膨らんできた
●アゴの骨が折れた
●ほっぺたが膨らんできた
などなど、こうなってしまうともう自宅ケアでは無理…です。
歯と歯ぐきの境目の歯垢を除去!
「放置するとこんなことになる可能性がある!」と知ったら、やっぱり今のうちに歯みがきをやっておきたいですよね…
ちなみに何かを塗ったり、食べたり、飲んだりしても歯みがきの代わりにはなりませんよ?
ご自身でやってみたらわかります。朝、自分の口に何かを塗ったり、食べたり、飲んだりして歯みがきになると思いますか?
昔流行った歯みがきガムだって歯の表面がキレイになるだけで、【歯と歯ぐきの境目(←ココの歯垢を取り除くのが最終目的!)】は結局磨かないとダメだったじゃないですか?
ストレスを理由に歯みがきしないということは…
ですから、ここまでの話を総合すると、「愛犬・愛猫がイヤがってストレスをかけることになるから歯みがきしない!を選択肢、歯周病も放置する!」ということは、
===
歯みがきしてストレス与えるくらいなら、
●全身でどんな病気になっても受け入れます
●全身麻酔で抜歯を繰り返しても大丈夫!
●顔の骨が溶けたら整形させます!
===
と決意表明しているのと一緒なんですね…
ここまで言うと、さすがにあなたも
「いやいやいやいや…」
と思っていただけると思います。
ときのときにときのことをする
これはしっかり理解してほしいのですが、歯の根元で炎症が起こる歯周病になったら、歯ブラシでは届かないので、歯科が得意な動物病院で歯周病治療するしかありません。
まだ歯周病じゃないならば、お口のケアをして口内状態を変えることで、状況を変えられる可能性があります。
お肌だって、トラブルが起こってから対処するより、何も起こっていないうちから対処した方がダメージは少ないじゃないですか?
それと同じなのです。
ヌルヌルと口臭は人間でも同じ!
ヌルヌル唾液は、悪玉菌が過ごしやすい口内環境になってしまっている可能性が高いのです。
ですから、強い口臭はすでに悪玉菌が増えているサインかもしれません。
これは、人間でもそうらしく、例えば入れ歯がヌルヌルしている方は、入れ歯を洗うだけではなく、お口のケアもしないと、片手落ちなのだそうです。
また、これはやった飼い主さんだけが気付くことですが、お口のケアをしっかりしていただくことで、食器の洗浄がラクになります♪
もちろん、ヌルヌルしなくなるまでお口のケアをしていただくんですけどね。
というか、食器の洗浄がラクになるかどうかよりも、愛犬・愛猫の身体が健康で楽しく日々暮らせるか?の方が大事なんですけどね。
現場では毎週後悔する飼い主さんをみている
なると治りにくい口腔腫瘍は、口内状態が密接に関連していると思われ、一旦なってしまうと、お口のケアでは追いつかないことがほとんどです。
そのときになって、「やっぱり歯を磨いておくんだった…。」と後悔する方が非常に多いのです。
もちろん、「愛犬・愛猫の死をもって学ぶ」こともあろうかと思います。
でも、そんな学び方じゃなくて、適切かつ正確に学んで、賢く考え、予測力を発揮し、効果的に行動する!を実践していただきたいなと思っております。
僕自身も、四ヶ月に一度歯科で掃除をしてもらい、毎日歯磨きをキッチリするようになってから、ますます体調が良くなりました。
ですから、須崎動物病院では、
「うちの子、歯磨き嫌がるんです…」
などという寝言は、こと診療では一切受け付けておりません!
ときどき、「嫌がるストレスが免疫力を低下…」などと屁理屈をおっしゃる方がいらっしゃいますが、嫌がるストレスは一時的なものですが、口内細菌は24時間影響しますから、比較するまでもございません。
しつけ直してでもやらせる!
ぐらいの基準で取り組んでいただきたいです。
歯磨きを嫌がる理由→痛いから
とはいっても、飼い主さんがケガしては元も子もありません。
なんでイヤがるかというと、大抵「不快だから」なんですね。
歯ブラシが硬くて痛い
歯ブラシの当て方が痛い
歯ブラシの力が強くて痛い
などなど…
すでに歯周病が進行していて痛いなら、動物病院で歯周病治療を受けていただくしかありません!
でも、まだその手前なら、打つ手はあるはずです。
毛先が柔らかいのに汚れも落ちる歯ブラシ!
歯磨きを嫌がらないように、飼い主さんが後悔しないように、毛が細くて柔らかいのに歯垢が落ちる歯ブラシを須崎動物病院では開発しました!
この歯ブラシ、須崎が適当に作ったわけではなくて、飼い主さん達と相談しながら意見を吸い上げて作ったので、これ以上の歯ブラシはなかなかないと思います。
実際、毛が細くてやわらかい歯ブラシはあるのですが、毛が少なくてスカスカで歯垢が取れない歯ブラシが多いのです。そこで、コスト度外視で高密度植毛にしました。
これは手に取って触っていただければすぐわかる心地よさです。
何万円もするようなものでもないので、ぜひ一度手に取ってその良さを感じとってください。
使った飼い主さん達からは
「他の歯ブラシだとイヤがるのに、この歯ブラシだと『しぶしぶ』ですが、やらせてくれます(笑)」
「毛先に力が入らない設計なので、イヤがらないみたいです」
「持ち手が疲れにくい設計で、私のストレスが軽減しています。
などの体験談も頂いておりますので、ぜひ一度、お手にとってその良さを確かめてみてください。
予測力を発揮して転ばぬ先の杖を用意する
いずれにしても、歯周病になってから後悔しないよう、早い段階から対処しておいてくださいね。
「うちの子、お口臭いけど、まだ、元気だから…」
具合が悪くなってから、慌てるのと、元気なうちからメンテナンスをするのと、どちらが楽かは、飼い主さんが一番良くわかっていると思います。