我が家の犬猫が口内ケアをさせてくれないのです…

口腔ケア 日常ケア

※前回のコラムから続きます

薬を使いたくなければ、薬を使わずに済む身体にしていないといけない
というお話しをさせていただきました。

そして、健康を維持するためのケアとして、入ってくる異物を減らす(処理能力の範囲内に)ことが、日常ケアとして重要だというお話しをさせていただきました。

そして、ほとんどの異物は粘膜から侵入しますので、通常のケアとしては

1)口内ケア
2)環境除菌

がメインだという話でした。

そうしましたら、
「でも、うちの子は口内ケアをさせてくれない…」
という声が届きました。

正論は人を傷つけるがあえて…

正論は人を傷つける
という言葉があるのを承知で、
いきなり厳しい事を申し上げるようですが、

それは、可哀想という感情を盾に
面倒なことはやりたくない
というふうにしか聞こえません。

口からジャンジャン菌やカビが血液を介して
全身に拡散され、

1)現在抱えている問題が深刻化し
2)新たな問題が発生する可能性がある

これを
「いやがる」
などという理由で諦めるのでしょうか?

飼い主が諦めてどうするんですか!

諦めるさせるのは、相手です!

しつけ直してでも口内ケアをやらせるようにするか、
口内トラブルが原因で、
血液を介して全身に病原体が拡がり、
あちこちに症状が出るのを
「まぁ、しょうがない!」と受け入れるか…

あなたならどちらを選びますか?

というと、今度は別の方から

「無理矢理口内ケアをやるのは虐待だ!」
という不見識な人がいたりします。

虐待?関係性の再構築をするプロセスを?

具合悪くなるのを防ぐために
関係性の再構築をするプロセス】を、

短絡的な感情論で「虐待!」と指摘するのは、
現実を知らない方の不見識で偏った主張です。

もちろん、私個人的には、
口内ケアをしてもいいし、しなくてもいい!

ただ、したらしたなり、
しなかったらしなかったなりの結果になるだけです。

その人は「しない派」なのでしょう。

それはそれでいい。

間違いではなく「違い」だから。

ですから私も、診療経験上、
「したほうがいい」と主張はしますが、
予測力の働かない方に押し付けたりしませんし、
しなかったからといって、責めたりもしません。

ただし、しなかったからなるべくしてなったことで
「助けてください!」
と言われたら、
「それは前から言っていたことですから、筋が通りません!受け入れてください」
とお伝えしております。

とはいっても、それは反省させるための弁で、
どうしたらいいかは個々のケースに合わせてお伝えしています。

だからといって、頑張ろうとしている人に
短絡的に「虐待だ!」と責めるのは
不見識な方の言葉の暴力です!

人間の子供だって、
「歯磨きイヤだぁー!」
と泣き叫ぶ子を、
世のお母様方は心を鬼にして習慣化させているんです。

それと同じなのですから、

「あなたの考えとは違う。ただそれだけ。」

そっとしておいてください。

そして言われた方も、
そんな事言われても、
予測力の働かない偏狭な視野の持ち主の感情論ですから、
サラッとスルーで水に流しましょう!

まぁ、そんなクレーマーは放っておくこととして、
最後に一つ有効なテクニックをお伝えしましょう。

ゴムホーステクニック

これは、以前、
===
噛まれないように木の枝を口の奥で噛ませて、
口を閉じられないようにして
歯を磨けばいいのです!
===

という冗談を現実的にやるには…と考え到達した案です。

1)市販のゴムホースに紐を通し
2)それを口の奥で噛ませ
3)その穴に歯ブラシの枝や割り箸、ヘラなどを通し
4)首の後ろで紐を結び

あなたの手を噛まれないようにするという方法です。

最初は抵抗しますが、
そのうち諦めます。

というか、相手が諦めるまでやるのです。

口を開けっ放しの刑】で
いじめるのではないのです。

症状悪化を防ぐために
どうしても口のケアが必要なのですが
今までやるべきことをやってこなかったから
慣れさせるのに時間がかかるだけです。

それは逃げてきた結果なのだから仕方ないし、
だったら、口内ケアを止めて
症状悪化を受け入れますかと言われて、

「はい、嫌がることをやるよりは、
このまま症状が悪化する方を選択します!」

という着地点を選択されるなら
それでも構いません。

ただ、

本当にその選択でいいんですね?

という質問に対する結論に対しては、
責任を持って下さいということです。

しかし…

やっぱり後で後悔して、
やっぱりやります!
という方がほとんどです。

後で改心するくらいなら、
最初からやろうよ!
もともと残された時間は少ないんだから!

という気持ちをぐっとこらえて、
指導します。

獣医師も、それなりの数のケースを診て
ものを申し上げています。

何を選択するかは飼い主さんの自由なのですが、
判断基準は適切な情報を選んで下さいね。

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