治療で症状が悪化する時、何が起こっているのか?原因療法と免疫の関係

飼い主さんにお願いしたいこと

治療を始めると症状が悪化するケースの原因とは?

症状は必ず理由があって出る

これは、須崎動物病院の診療に限らずだと思うのですが、治療を始めると
●すぐに症状が落ち着くケース
と、
●一旦症状が悪化するケース
がある様です。

症状は「悪いもの」ではなく、免疫系が作動している証

これまでも何度も申してきましたが、
症状は免疫系が作動するから出るわけで、

つまり症状が出ているということは、
免疫系が必要かつ正常に闘っている証拠ですから、
決して「身体がポンコツになった」わけではなく
「反応しているだけ」なので、
当然「悪いもの」ではありません。

ですから、原因療法的には
「不快な症状」はありますが
「悪い症状」というものはありません。

悪いとしたら、
「辛い症状」を出し続けなければならないほどに
「解決すべき原因」が
体内に処理完了すること無く残り続けていることが
しいて申し上げるなら「悪い」と考えます。

治療を始めると症状が「悪化」する理由

そして、
●免疫力(識別能力)は正常だが
●体温が低い「など」の理由があって正常に白血球が攻撃活動できず
●それゆえ体内の「根本原因」が増えた状態
が常態化した犬猫を

適切に刺激した結果として
免疫系を正常に機能させ
身体の処理能力を正常化させると、
これまで対処しきれずに蓄積してきた「根本原因」に
「正常に反応」した結果、
症状が強く出ることがあります。

さらに、
●正常に免疫応答できる状態のところに
●環境から原因が補充される
ことで、見た目の症状が更に悪化するケースもあります。

これが、「治療を始めると症状が悪化」するケースで起こっていることの一例です。

「悪化」しているわけではない

もちろん、この症状も悪いものではなく、正常ですし、
「悪化」したと解釈しているだけですし、
身体がおかしいのではなく、
解決すべき課題がまだあるだけです。

この様に症状がでる場合、
●体内にある「原因」を減らす
●環境の「原因」も減らして補充させない
●できるだけ症状は止めない
●症状を止めると決意したら、平行して原因も排除することを忘れない
(※通常安易に症状「だけ」を止めると、「原因」は増える事が多い)
という飼い主さんの「理解」と「対処」が重要と考えております。

「好転反応」でもない!

ちなみに、こんなときに「好転反応」と表現する人もいらっしゃいますが、個人的にはそうではなく「必要な反応が起こっているだけ」と考えます。
ですから、あまりに辛そうなら、症状を消してあげても構いません。

もちろん、症状を消したなら、【同時進行】で原因も減らさないと「今月の支払いを借金して返済する」みたいなことになるので、ご注意ください。

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