クレアチニンが3.9→1.6に低下した!愛犬・愛猫が腎臓病と診断されて落ち込んでいる飼い主さまへ

病気・症状 腎臓病

腎臓は、血液のフィルター

身体は常に食べたものを消化(分解)して栄養素を取り込み、必要なものを栄養素から作り、不必要になったものを分解して排泄しています。

腎臓は血液をキレイにするフィルターの役割を担い、身体を一定の状態に保つ臓器です。

ところで、どんな風に血液を綺麗にするのでしょうか?

腎臓が血液を綺麗にするやり方

腎臓が血液を綺麗にする方法は机の上を綺麗にする時と同じです。

机の上を綺麗にする方法とは、机の上にあるものを全て箱に移して、一旦机の上に何も無くなった状態にし、必要なものを机の上に戻すというやり方をします。

腎臓も、血液中の血球成分以外の大部分を一旦血管外に出して、必要な成分を元に戻すという方式を取っております。

ですから、フィルターが目詰まりすると血液を綺麗にすることが出来ず、老廃物が血管から出ていかなくなり、結果的に、具合が悪くなります。

その指標の一つとして、血液検査項目のクレアチニンの値が基準値を超えると、腎機能が低下していると考えられます。

慢性腎不全の症状

慢性腎不全という状態になると、以下のような症状が出てきます。

・多飲多尿
・便秘
・体重減少
・食べ物の選り好み
・被毛状態の劣化
・尿比重の低下(犬<1.030、猫<1.035)
・血液尿素窒素量(BUN)や血中クレアチニン濃度(Cre)の上昇

腎臓病の重症度はどう決定する?

動物病院で腎臓病の重症度判定によく使われているIRIS(the International Renal Interest Society , 国際獣医腎臓病研究グループ)による分類表をご覧下さい。

ですから、初めて数値がちょっと上昇してくると、「腎機能の2/3が失われています」と言われてビックリするわけです。


そして、通常は、フィルターが目詰まりしたら、

二度と元には戻らない

と言われております。

原因を減らしたら、下がらないはずのクレアチニン値が下がった!

しかし、以前当院の診療を受診した犬が、その時はクレアチニンの値が3.9でした。その当時は元気も無くて、余命宣告までされたのですが、当院で原因を探ってそれを取り除いてみてどうなるかを様子みることになりました。
原因除去をして二ヶ月経ったところで、かかりつけの動物病院で血液検査をしてみたところ、

クレアチニンが3.9→1.6

になって、かかりつけの先生から不思議がられている…というご報告をいただきました。

なぜそんなことが起こったのか?

もちろん、偶然かもしれません。


しかし、腎臓の数値が高くなる(フィルターの目詰まり)根本原因は、

●動脈硬化
●炎症

などが主に考えられます。

原因療法に取り組む当院では、あの手この手で、原因を探り、腎臓で何が起こっているかを探り、根本原因を探って、排除してみたら、それが功を奏したのか、たまたまなのかわかりませんが、思いの外クレアチニンの値が下がったのでした。

大事なのは、「なぜ数値が上がったのか?」

数字で出されると、どうしてもその数字が気になりがちですが、

「単にその数値を下げさえすればいい・上がらないようにさえすればいい」

というわけではなく、本質的に大切なことは、

「なぜその数値が上がったか?」

と、根本原因を探ることだとご理解いただけるかと思います。


そのためには、飼い主さんがその様な考え方が出来る様になることが必要です。

なぜペットの病気や栄養の勉強をしても頭に残らないのか?

「知識無きところに疑問なし」と言われる様に、疑問を持てる様になるためには、ある程度の知識が必要です。

ですから、ペットのためだけでなく、ご自身やご家族のためにも、いろいろ健康面については何でもない状態から学びを深めておいて損はありません。

自分は原因を探れなくても、「腎不全と診断されたときに、場合によっては数値が基準値に収まることがある」ということを知っていれば、例え「腎不全の末期と診断されて、余命宣告までされた」としても、改善する可能性はゼロでは無くなるし、そういう行動につながります。

しかし、問題が起こってから情報収集すると、焦っているし、基礎知識が不足しているから正確に理解できず、ネットで調べても「暗くなるような情報ばかり」目に付くようになって、泣き暮らす飼い主さんが珍しくないのです。

予備知識がゼロだと、最初に目に付いた情報が基準になってしまい、改善の余地があることでも諦めてしまうかもしれません。

それはそれでいいのかもしれませんが、問題解決力を高める秘訣は「豊富な選択肢を、臨機応変に使い分けて、望むゴールに辿り着くまで諦めないこと」ですから、何でもない内から豊富な選択肢を用意しておくことは、飼い主さんにとって、いざという時に役立つ「転ばぬ先の杖」となるのです。


という説明をすると、「治る可能性がないのに頑張ることに意味があるのか?」という疑問が湧いてくる方がいらっしゃるかもしれません。別に、何が何でも頑張る必要はなく、あっさりと諦めてもいいのです。

「なる様にしかならない」様な情報に影響を受けて、ただ指をくわえて眺める選択肢を選んでいいと思うのです。

やってしまったことより、やらなかったことを後悔するのが人

しかし、人は「やってしまったこと」より「やらなかったこと」を後悔するそうです。だとしたら、「ダメ元でもやってみよう!」という飼い主さんが打てる手を用意するのが、私たち獣医師の仕事ではないかと個人的に思うのです。


もちろん、全ての腎不全で数字が変わると申し上げているわけではありません。状態によっては、いろいろ取り組んでも変わらないことはあるでしょう。しかし、一人でも多くの飼い主さんが、BUNやクレアチニンの数値に一喜一憂するだけではなく、本質的には数値が上がった理由を取り除いたら、ひょっとしたら勝手に数字が基準値内に入るかもしれないとご理解いただけたらと思っているのです。


この飼い主さんの様に、愛犬・愛猫が腎不全で余命宣告されたとしても
「何か他にあるのではないか…?」
「諦めが悪いといわれても気にしない!」
「私は往生際が悪い生き方を選んできたのだ!」
「何か他に打つ手があるのではないだろうか…?」
と、もしあなたが思うならば、

ぜひ、お近くの原因療法的に東洋医学的手法を使っている動物病院で
●正確には何が体内で起こっていて
●何が根本原因で
●それを処理能力の範囲内にまで減らすにはどうしたらいいのか?
を探ってもらうという選択肢もご検討下さい。

そして、一人でも多くの飼い主さんに、早い段階で「症状の緩和+原因を探って取り除く」ができたら、無理だったはずのことが無理でなくなる可能性があることを知っていただきたいのです。


言われたとおりに潔く諦めるも良し、諦め悪く粘っても良し、いずれにしても、【あなたが後悔せずに納得いく選択肢】をお選びください。

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